ダリル飯かいな、そうかいな。はい?今から作るんかぁーい!
解体も終わり、荷台へと獲物を。
ただダリルさんだけは作業から抜けておる。
別にサボっておる訳ではないぞえ。
では、何をしておるか?じゃが。
映像内では、ちょうど昼時でな。
昼時でダリルさんとなれば、そう、ダリル飯じゃ!
荷車には、簡単な調理道具もの。
載せるのではのうて、横へブラ下げるように。
そがぁして運んで来た調理道具にて、調理中じゃ。
まぁ、荷台には野菜なんぞの食材は、載せておったが。
じゃが、トチナの実とマル芋は、現地調達じゃな。
それ以外にも色々と採取しちょったが、キノコは大丈夫なのかえ?
なんやカラフルなヤツが多いんじゃが?
『いえ、ダメでは?』
はい?
『確か、データには毒キノコと』
をいをい。
ん?
小鍋にマル芋粉を入れ溶かしちょるな。
で、キノコを、かえ?
あ、灰汁とかが煮出され、それらが沈殿して固まっちょるわい。
なるほどのぅ。
この灰汁抜きなれば、毒抜きできると知っちょった訳かぇ?
ん?
煮出したキノコ出汁を口に含んでおるな。
煮たキノコを軽く切り、切り出したカケラもかえ?
「うむ。
毒は抜けたか。
俺的には、毒が含まれた方が好みではあるが、まぁ、皆には食わせられんしな」
いやいや。
何を言ちょるんかいな、こん人は?
人外とは思っちょたが、ココまでとは、のぅ。
『いえ。
ダリル殿は深層狩人ですよ。
深層へ滞在し狩りをするなれば、毒に対する耐性が必要となります。
何せ深層に生息する生き物の大半は、何らかの毒を身に宿しておりますので』
『いやいや。
物語りなどで、毒を摂取して身を毒に慣らすとかありますけど、実際には行ってはダメです!
中には耐性が出来る可能もあるそうですが、摂取するだけで危険な毒もあります。
行うべきでは無いでしょう!』
沙織さんから警告がの。
『むろん、地球人には不可能です。
まぁ、アチラの世界においても、大半の者達は行うべきでは無いでしょう。
ですが、ダリル殿達は人造種です。
ソレが行えるように造られております。
ですから、ダリル殿は大丈夫なのです』
まぁ、深層にて実際に毒有りの食材を食しておるようじゃしのぅ。
儂としてはダリルさんが、毒有り状態キノコの方が、味が上ちゅうとったことじゃ。
どんな味なんじゃろか?
『何を仰ってられるんです?』
『間違えても、食べないでください』
い、いや。
ちと、興味をの。
『食べないで、ください、ね!マスター』
い、いや。
そがぁに念押しせんでも食べんぞい?
『映像とは言え、食して現実世界へ影響を及ぼしております。
若返ったり、肉体変化したり、人種が変わったことを、お忘れで?』
いや、じゃからぁ、食わんちゅうとろーにい!
『そう言って、勝手にダリル殿が造られた料理を食べておられますが?
流石に毒物は、ご遠慮いただければ、と』
『ご主人様?』
いや、その、なんじゃぁ。
その信じられんモンを見る目で、儂を見んで欲しいんじゃがの。
ふぅ。
じゃから、食わん。
いや、食べません!
『でも、本当は、興味があるんでしょ?』
い、いや、そ、それは、のぅ。
ハッ!
じゃから、食わんって!
『まぁ、良いでしょう。
信じます。
ですが、ヤハリ人造種と言うか、ダリル殿は化け物ですね。
あのキノコですが、一欠片から抽出した液体を宙に散布したら、関東平野全土の生物が、壊滅するでしょう。
激毒過ぎて、解毒などできませんので』
な、なんと!
ヤケにアドバイザーさんが念を押すと、思っちょったら、マジかぁー
『マジです』
っか、えっ!?
深層でも無いのに、そんな危険なキノコが!?
『特殊処理しない限り、空気に触れたら無害化いたします。
ゆえに、直接摂取しなければ、大丈夫でしょう』
まぁ、あんな毒々しいキノコを、普通は食べんわなぁ。
なのに、毒有りの方が美味いと?
やはりダリルさんは、大概じゃわい!




