狩場への移動じゃな。ま、既にウサギを狩っちょるがなっ!
しかしウサギの内臓は食わんのじゃのぅ。
『内臓系は、アタると怖いですから。
まぁ、マル芋にて灰汁抜きすれば食べれるかもしれませんが』
おおぅ。
マル芋での灰汁抜きがあったのぅ。
ん?
なれば、なんで食わんのじゃ?
『今まで普通に捨てていた部位ですからねぇ。
食べれると言う考えが浮かばないのでしょう』
ああ、なるほどのぅ。
しかし、何処まで進む気じゃ?
結構な奥まで来ておらぬかや?
『どうも、アノ崖山近くへ向かっているみたいですね。
ダリル殿は大丈夫だとして、他の面々は大丈夫でしょうか?』
ふむ。
ハゲルさんやロゼッタ嬢は、大丈夫じゃろうな。
ファマル嬢もじゃ。
ガンレート嬢は対人は大丈夫なのじゃろ?
領騎士の家系じゃったみたいじゃし。
狩りも熟しておるなれば、な。
問題はシムエル嬢とカリンちゃん、か、のぅ。
『カリンさんは放術が使えますし、察知に長けています。
なので、体力の無さを考え立ち回えれば、大丈夫かと』
そうなるとシムエル嬢が一番問題なのかのぅ?
『そうなりますが、彼女の場合は狩人と言うよりは、狩った素材の管理と値付けが担当になっていますね。
槍も扱えますが、あくまでも護身レベルだったハズですし』
ん?
そう言えば、商家の娘であったかえ。
なれば、狩りなどに慣れとらんのも仕方あるまいてのぅ。
『いえ、それよりも問題なのは、ガンレート嬢とシムエル嬢が、人造種末裔でないことですね。
いえ。
この場合、二人以外が人造種末裔であることが異常なのですが』
ほうなのかや?
『元来、人造種は森の浅層辺りに住まう者達です。
ゆえに一般人が住む場所には多く居りません。
しかも人造種同士が惹かれ合うため、一般人が住まう場所では、彼らが住まう範囲は狭くなります。
ゆえに、彼らが住まう集落から離れると、出会う確率は、かなり減るのです』
ふーむ?
で、この辺りに、その集落とやらは?
『ありませんね。
まぁ、狩人の里に、人造種の末裔も住んでおります。
その一族の端が、ファマル嬢です。
後、人造種末裔が鍛治師になる傾向があります。
そのため、ハゲル殿とロゼッタ嬢にカリンさんが、末裔である訳ですが』
あー、なんじゃ。
三人は、成るべくして出会ったようなもんかえ?
ファマル嬢達が、イレギュラーであるようじゃな。
『そうなりますね。
それと、カリンさんとダリル殿は別格となります。
ダリル殿は見守るつもりで口を出しておりません。
ですが、獲物を素早く察知しております。
カリンさんも同じく察知し、ロゼッタ嬢へ告げておりますね。
で、鹿を見付けたらしく、風下から向かっておりますよ』
ん?
話しておったかや?
『符牒を取り決めているみたいです。
ハンドサインにて、遣り取りしておりますね。
不用意な会話は、獲物だけでなく肉食獣にもさとられますから』
ゆえに黙って移動しちょる訳かえ。
っか、カリンちゃんは意外と体力あるのぅ。
移動速度が速くないかえ?
シムエル嬢が、ちと遅れ気味なのじゃが?
ん?
ちとした広場へ着いたようじゃな。
ふむ。
荷台は、ココへ置いて奥へ向かうようじゃ。
シムエル嬢も追い付いたが、しばし休憩を。
まぁ、そうせねば、動けなくなるであろうて。
「ふむ?
ハゲル」
「なんでぇい?」
「言っては悪いが、シムエルは狩りに向いてなかろう。
なぜ同行させておる?」
ダリルさんが、不思議そうにな。
「そうだねぇい。
確かになぁ。
だがよぉうい。
屋敷へ置いて行くのも、物騒でねぇい」
「ふむ?
あの領主とやらは、まだ?」
「そう言うことさね。
アタイ達を頼って来たからねぇ。
中途半端に放り出せないわさ」
そうロゼッタ嬢が。
なるほどのぅ。
半護衛みたいな感じかや。
一人、いや、ガンレート嬢と二人で留守を守って負った場合、領主が手配した者達へ襲われる可能性があるのじゃろ。
しかし、ここの領主は懲りんのぅ。




