ダリルさんの朝稽古に参加じゃ。ん?沙織さんもかや?
儂が何度言っても急なシーン切り替えを止めん。
まぁ、何度か前置きされたこともあるが、いつの間にか戻っておるし。
『前置きを入れ過ぎると、視聴テンポが悪くなり、臨場感などが、ですね。
とは言え、私には分かりかねますが』
いや、理解せずに、行っておるのかえ?
どう言うことじゃ?
『切り替えが断長になると、本国からの指摘がですね』
誰じゃ!
余計なことをするんじゃねぇっ!
『ご主人様、急なことで確かに驚きましたが、確かに一々前置きしてシーン切り替えも、違う気がしますが』
そがぁなことを沙織さんがの。
はい?
『やはり視聴する場合は臨場感などの考慮が必要かと。
映画などでシーンを切り替える度、毎回前置きされては台無しだと思うのです』
なるほどのぅ。
言わんとしちょることも、分からんではないわい。
じゃがのぅ。
じゃが、良いのかえ?
儂ぁ、大分慣れてきちょるけぇ大丈夫じゃが、映像とは言えリアルな感じじゃぞい。
映像を観るちゅうより、体験する感じなんじゃがのぅ?
受ける印象が、視聴とは全く異なるでな。
ほんに驚かされるでのぅ。
『ま、まぁ。
私も色々と訓練しておりますので』
『咄嗟の思考切り替えに対応できると考えるならば、良い訓練にもなるのでは?』
いや、訓練対象にせんで欲しいのじゃが?
まぁ、良いわい。
なれば、映像を動かして貰えんかや。
シーン的には今から朝練かのぅ。
『さようですね。
ダリル殿が屋敷から出て来ましたよ。
マスターは、今日も?』
うむ。
前は最後まで着いて行けなんだが、今日こそは、のぅ。
まぁ、無理かもしれんが。
『アレは地球人には厳しいかと。
仕方ないと思われますが?』
まぁ、のぅ。
『?
一緒に鍛練ですか?
相手は映像ですよね』
沙織さんが、不思議そうにの。
むろん、相手には認識されんぞい。
ダリルさんが鍛練しちょるのを真似るだけじゃ。
じゃが、これが中々にキツぅてなぁ。
『はあ?
そんなに激しい動きなんですか?』
うーむぅ。
ありゃぁ、激しいのとは、のぅ。
むしろ逆じゃな。
っと、始めよったわい。
ダリルさんが、朝の鍛練を。
まぁ、開始前には、ハゲルさんと、ロゼッタ嬢も現れておるがの。
で、三人で軽く身体を解してから型稽古を。
限界まで、ゆっくりと。
こ、これじゃ。
コレが、まずは、キツい。
素早く勢いが乗った動きは、その慣性を利用して動けるでな。
意外と楽、っと知ったのが、この型稽古じゃな。
映像で出した武具は、その重量も再現しちょるでのぅ。
これが、結構な重さなのじゃよ。
その武具を型に合わせて、ジンワリっと動かす訳じゃ。
いやぁ、腕もじゃが、アチコチがプルプルしよる。
しかも、型通りに動けるかを、要所要所にて確認しながらじゃて。
沙織さんも真似たが、途中でリタイアしちょったわい。
『い、いや。
あんなの、普通はできませんが?
確かに、ユルリと動く型稽古は存在します。
特に型を確認したり覚え込ませる場合とかですね。
ですが、アソコまで緩やかな動きでは、身体が着いて行きません。
人の成せる御業とは、思えませんが』
まぁ、のぅ。
ありゃぁ、人造種じゃけぇ出来るんじゃろうて。
その後、緩やかな型稽古から徐々に速度を上げてな。
途中は普通の型稽古なのじゃが、途中から、要所要所にてピタリと武具を止めるんじゃよ。
いや、勢いが付いた武具を、微動だにさせずに止めるちゅうのはのぅ。
儂も、なんとか止めはするが、ピタリ、っとはのぅ。
身体が泳ぐは、止めた時に武具がフラつくは、でな。
とてもでは無いが、同じようには、のぅ。
その後もシャドウみたいな稽古を。
アレは無理じゃでなぁ。
相対した敵を想定しての乱取りみたいなモンじゃてな。
相手となるモンの動きを知り、ソレを想定できんと、成り立たんからのぅ。
まぁ、ダリルさんの動きを真似はするが、コレも難しい。
やはり途中で断念したわい。
残念じゃ!




