ココが食堂かえ?ゴージャスじゃのぅ。っか、ハイソ過ぎんかえ?儂には、似合わんっ!
しかしセンスの良い部屋ではあるのじゃが、儂の趣味かと聞かれるとのう。
ハイソ過ぎて落ち着かんちゅう感じかや。
「以前は秀李様がご利用になられていた部屋となります。
そのため、あの方のご趣味に合わせた造りですね」
なるほどのぅ。
シュウさんが使っておった部屋かぇ。
確かシュウさんは、アチラの世界から派遣されちょったんじゃったな。
儂らの世界からしたら高次元生命体とでも言える存在じゃて。
なれば、このようなハイソな生活にもなるのじゃろうな。
『その認識は、ちょっと違います』
ん?
どう言う意味じゃ?
『以前にも申しましたが、本国の技術レベルは高いのです』
まぁ、ほうじゃろうなぁ。
『ですが、文学や芸術的などの分野では劣ります』
ああ、確か、そがぁなことを言っておったわい。
それが?
『技術一辺倒で効率重視の世界ですので、地球のような文化は育ちませんでした。
ゆえに、調度品の概念すら存在しません』
はい?
じゃが、この部屋の調度品なんぞは、格調高く品良く纏っておるが?
『その感性は、私には分かりかねますが、秀李様はコチラで身に付けた物かと。
地球にて様々な方との交流もございましたので』
なんとのぅ。
地球での暮らしで、ハイソな振る舞いを身に付けた、ちゅうことかいな?
それで、この部屋かえ?
ん?
まさかの。
儂も、そがぁにならんと、ならんのかえ?
『それは大丈夫かと。
秀李様は、本国からの外交官的位置付けでもありました。
ですがマスターは地球人。
しかも幻想機の完全適合者です。
役割が全く違いますので』
そがぁなモンかえ?
『そがぁなモンです』
真似んで、エえからのっ!
っか、イキナリ思考加速した後に、急に止めんでくれんかや!!
ビビるちゅうとろうがっ!
「ご主人様?」
「ああ、なんでも無いでな。
アドバイザーさんと、思考加速で話しちょっただけじゃで。
それで、ココで食事をするんかえ?」
そう尋ねるとの。
「はい。
以前は入室すると給仕が参ったのですが、今はタブレット注文するみたいです。
で、ご主人様がご所望となられていた、タコライスも作れるみたいですね。
ラザニアやパスタなども、当然ございますが」
ふむ。
タコライスは、久々に食ってみたいかものぅ。
じゃが、最近は燃費が悪いでな。
タコライスだけでは、のぅ。
「そうじゃな。
では、タコライスを大盛り。
いや、タコライスは、一種類かのぅ?」
ちと気になっての、タブレットを見せて貰ろうた訳なんじゃがな。
「おおぅ!
これは、懐かしいのぅ!
コレがメニューに有るとは」
「石焼タコライス、ですか?」
沙織さんが不思議そうにの。
「うむ。
コレは儂が若い頃、名古屋で一回食ったことがある品でのぅ。
熱々に焼いた石焼ビビンバの石ドンブリへ、タコライスを盛って出しちょったわい。
当時は興味本意で頼んだのじゃがな、コレが美味うてのぅ。
じゃが、ソチラ方面へ行く用事がのぅてな、アノ一度のみじゃったわい。
コレが食えるとは、のぅ」
儂ぁ美食家でもグルメでもない。
じゃが、味音痴では無いとは、思うちょるでな。
そんな儂のことを、例えシュウさんの護衛じゃとしてもじゃ、源に通っておった沙織さんは知っちょる。
ほじゃけぇか、儂が懐かしげに告げると、沙織さんの喉がの。
「沙織、ハシタナイですよ」
アドバイザーさんが、そがぁなことをの。
したらの。
「申し訳ございません。
いや、そのですね。
ご主人様が、いかにも懐かしげに、美味しそうに仰るので、つい。
ご主人様は、源のマスターが試作を、いの一番に提供されてた方ですので、
秀李様が尋ねたところ、味の指摘が一番的確で、分かり易いから、と。
だから、一番難しい客であり、有り難い客だと、仰ってました。
そんな、ご主人様が推す品となれば、興味が出ないハズないではないですか!」
はい?
源のマスターが、そがぁなことを?
初耳なんじゃが?
まぁ、それよりも頼むかのぅ。
ハラ減ったわい!




