表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
117/121

昼時らしいわぇ。飯屋へでも行くのかのぅ?いや、ダリルめし?

ミハガ隊長が工房から去り、ダリルさんとロゼッタ嬢達の用事も終わった。

まぁ、ダリルさんが持ち込んだ素材については、これから扱いをドトマさんが調整するのじゃがの。


一週間を目処に動くそうじゃが、はて、どうなることやら。


で、用は、のうなったでな、店から出る訳なのじゃが。


「昼時だけど、どうするかねぇ?」


「せっかく街に来てんだからさぁ、食べて行こうよー」


ロゼッタ嬢にカリンちゃんがの。

皆は苦笑しておるの。

そんなカリンちゃんにのぅ。


「行くならハバマだね」


そう返しておるの。

ハバマ?

ハバマとは、なんじゃ?


「えー

 まぁーたぁ、ハバマなの?

 偶には違う店に行こうよ!」


ふむ、どうやら店、飲食店なのじゃろうか?


「こら、贅沢言わないの。

 ウチの経済状態は、分かってんでしょうに」


ファマル嬢がの?


「ちぇっ。

 また、狩った肉かぁ。

 肉も塩振っただけだしなぁ。


 あ、パン!

 パンは、買うよね!」


思い付いたようにの。

したらな。


「まだ小麦粉が余ってるから買わないよ。

 平パンで十分さね」


「うへぇ。

 あの薄くてペラペラなの?

 ロゼッタ姉ぇは、ケチりすぎぃっ!」


ペラペラ?

いや、それはアル意味斬新じゃわい。

どがぁなモンなのじゃろか?


ソレを聞いていたダリルさんがの。


「ふむ?

 ロゼッタ達の中には、料理できる者は?」


ダリルさんが、そう尋ねると、皆が顔を背ける。


「いや、言い訳なんだがよぉい。

 俺とお嬢は、鍛治一辺倒でねぇい。

 家事仕事は、若い衆に任せてたかんねぇい」


ハゲルがバツが悪そうに。

ロゼッタ嬢は、ソッポを向いておる。


「オイラ、そもそもマトモに食べれるモン無かったしさ」


そうカリンちゃんが、困ったようにの。

まぁ、餓死寸前じゃったそうじゃて、仕方ないかのぅ。


「アタシは狩人の修行が忙しくて」


そうファマルが告げるとの。


「いや、狩った獲物を調理して食すのも、狩人の技量だが?」


そうダリルさんに、突っ込まれておるな。


「はい?

 いや、狩った獲物は商品だよ?

 普通は、自分で食べないんだけど」


そう困ったようにの。


「いや、納める獲物とは別に狩れば良かろう?

 そう手間では無いハズだが?」


不思議そうに返しておるが、ファマル嬢が唖然とな。


「そんな簡単に狩れるハズが無いでしょ!

 生活できる貨幣を得る価値が有る獲物を狩るだけで、結構な時間が掛かるのよ?」


そう告げられ、ダリルさんが困ったように。


「ふむ。

 里では、浅層の獲物でさえ、数体狩れば数日は暮らせるらしいのだがな。

 まぁ俺は、自分で食い扶持を狩り、採取し、育てておった。

 ゆえに、獲物を売るのに頓着しておらなんだでな」


既に狩人としてのスタンスが違い過ぎており、ファマル嬢の狩人としての生き方は、ダリルさんには理解出来ぬようじゃ。


残りの二人、ガンレートとシムエルも、やはり料理ができぬとのこと。


「ふぅ。

 金が無いなら、自炊が一番であろ。

 ならば、俺が作ろう。

 ただ、掛かる食費代は貰うからな」


そう告げて席を立つのだが。


「深層狩人が作る料理かね?

 私も興味あるのだが、御相伴願えないかね?」


ドトマが、そのような事をな。


「ふむ。

 調理場を貸して貰えるならば、構わぬが。

 調理器具とかは?

 大鍋が必要となる。

 有るかね?」


そう尋ねられ、ドトマさんがの。


「ウチも私だけでなく、他にも働き手が居る。

 それに、繁忙期には、外から人を雇うのだよ。

 だから、調理場は大き目にしてあるし、大鍋も有る。

 どうかね?」


「なら構わんか。

 ふむ。

 庭先にマル芋の葉が出ておるな。

 アレを採取しても構わぬかね?」


徐に告げられ、ドトマさんが首を傾げておるな。


「別に構わないが。

 アンナ物をどうするのだね?」


不思議そうにの。


「最近知ったのだが、マル芋は調理次第では、美味しく頂けるのだ。

 アレと小麦粉で麺と言う物を作るつもりでもだ。

 まぁ、食べてみて貰おうか」


そう告げ、席を立つのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ