ダリルさんの滞在先を決めるようじゃのぅ。
ダリルさんが宿についてドトマさんへ尋ねるとな、横からロゼッタ殿がのぅ。
「ダリル?
アンタ、アタイらと一瞬に行動するんだよね?」
そうダリルさんへな。
それにダリルさんが、不思議そうにのぅ。
「その積もりだが、許可を貰えたのだと思ったのだが?」
そう尋ねておるのぅ。
したらな。
「いや、そうじゃ、無くてねぇ。
アンタだけ別の場所で暮らすと不便なんだよ。
だから、アタイらが暮らしてる家へ来な」
そんな事を言い始めよったのだが?
え?
それは、不味くないかえ?
『まぁ、女世帯へ男が住むのですから、世間体的にも宜しく無いかと』
じゃよな?
「いやいや。
見ての通り、俺は男だぞ。
年頃の女性達と共に一つ屋根の下で暮らすのは、不味いだろうに」
ダリルさんが、呆れたように。
したらな。
「はぁっ?
オリャぁ男だぜえぃ?」
ハゲルさんが割り込む。
いや、誰が見ても、アンタを年頃の女性とは思わんからなっ!
っか、お前のようなゴツ過ぎる女性は、勘弁じゃて。
まぁ、ダリルさんも同意見のようでな、
「いや、ハゲルの旦那。
アンタのような女性が居ることが、想像できんのだが?」
思わず、そう返していたのぅ。
したらな。
「なら、女世帯では無かろうよ。
オレも一緒に暮らしてっからよぉい」
そんなことを。
「いや、ハゲル?
アンタ、ロリコンだったのか?」
「人聞きの悪いことを言うんじゃねぇよっ!
ったく。
まぁ、保護者みたいなモンだな。
お嬢は、オレが鍛治や狩りを教えたしなぁ。
他の面々は言っちゃ悪いが、幼過ぎるぜぇ。
範囲外っうヤツだねぇい」
したらカリンちゃんがの。
「子供あつかいすんなヤイっ!」っと。
いやいや、意味が分かって言っておるのか?
「カリンさぁ。
アンタ、ハゲルの旦那に懸想されたいのかい?」
ファマル嬢が困ったように。
したらな。
「懸想?
ケソウって、なんだい?」
キョトンとしながらな。
それを聞いたガンレート嬢が呆れたようにの。
「ハゲルの旦那から、異性として好きになっつ貰いたいのか?ってことだよ。
アンタ、歳上趣味だったの?」
そう言われたカリンちゃんが仰天してな。
「なんで、そうなるんだよっ!
イヤに決まってんだろっ!」
盛大に拒絶しておるのぅ。
いや、その気はないじゃろうが、アソコまで拒絶されるとは。
ちと、ハゲルさんが、哀れかのぅ。
「いや、だからなぁ。
オレに、その気は無いってんだよい。
歳下に懸想する趣味はないかんねぇい。
まぁ、オレが歳下へ興味ない、ったら、カリンが噛み付いた感じなんだが?」
ハゲルに指摘され、自分の言動に気付いたようだ。
顔を真っ赤にしてな。
「そう言う意味じゃ無いからねっ!
子供扱いすんな!っう、ことだから!」
ふむ、えらい拘るのぅ。
まぁ、見た目が子供ゆえ、皆に子供扱いされておるのであろう。
「ふぅ。
どうも話しが脱線するねぇ。
で、ダリル。
ハゲルも住んでんだよ。
ウチへ来な。
街から多少離れてからねぇ。
街の宿からだと不便なんだよ」
そのようなことをの。
したらダリルさんが、不思議そうにの。
「なぜ、そんな不便な場所へ?」っと。
したらロゼッタ嬢がの。
「この人数で暮らしてからねぇ。
ある程度の広さが欲しかったんだよ。
そうなると、お代も掛かるからねぇ。
しかも、鍛冶場を設けたかったし。
まぁ、ウチの弟が邪魔しやがったりしたのも、要因さね」
「ふむ。
鍛冶場があるのか。
なれば、色々と教われるな。
そう言うことならば、良かろう。
で、家賃はいかほどかね?」
まぁ、泊まるのであれば、当然だろう。
「いや、狩りで返してくれりゃ良いよ。
アタイらの武具は、弟が仕切ったウチの工房が邪魔して売れないからさ。
今は狩りでの収入が主なんだ。
だからアンタの加入は助かるんだよ」
「そうか?
なら、そうしよう。
しかし、なぜロゼッタの実家工房は、それほど力を持っておるのだ?
言っては悪いが、所詮は民間の一武具工房だろうに」
確かにのぅ。
何でじゃ?