若気の至り?実は老獪?どっちなんじゃ?
ロゼッタ嬢の心からのシャウトに、ダリルさんが不思議そうにの。
「何故だね?
理不尽に狩りに来るならば、狩られる覚悟もあろう?
まぁ、今回は性急過ぎたのを認めるがな」
これ、マジで言っておるのか?
物騒過ぎるじゃろ。
『おそらくですが、ワザとかと』
?
どう言う意味じゃ?
『先程、ハゲル殿とロゼッタ殿が、ドトマ殿へ抱いていた不信感が払拭されております。
まぁ、貴族との付き合いなども鑑みれば、仕方ないと思うでしょうね。
ですが、ダリル殿の発言が強烈過ぎて、頭から吹き飛んだみたいですね。
あれ、狙ってやったのだとしたら、中々に老獪やもしれませんよ』
え?
若さゆえの暴走ではなく、計算して悪者になったと?
いや、それは無理がないかえ?
もっと穏便な遣り方もあったハズじゃが?
『コレは私の推測に過ぎませんが、どうもダリルさんは、師匠さんの話しが御伽話として伝わっているのが、嫌なのでは?』
気に食わん、っうヤツじゃな。
『なので、事実だったと知らしめたいのではと、思われます。
店先へ、コレだけの人数が集まった話していたら目立ちます。
コチラを伺っている方も何人か居られましたし。
そうなれば、国落としを行った深層狩人の弟子が現れたと、騒ぎになるハズです。
と言うか、実際になっていますね。
なので、御伽話ではなく、実際にあった話しとして、大騒ぎになっていますよ。
まぁ、おそらく国は苦々しく思うでしょうが』
ん?
国が?
何故じゃな?
『ガウランド殿の話しが、御伽話として定着したところを蒸し返された訳ですから。
国としては、個人に国が落とされたなど、広めて良い話しでは無いですから』
なるほどのぅ。
東北地震と原発事故を、喉元過ぎればで有耶無耶にしたい自○党が、蒸し返した1漫画家を目の敵にしたようなもんかえ?
普通なら漫画程度と放置するところ、痛い所を突かれたで、過剰反応したようにのぅ。
アレは、見苦しかったわぇ。
それを、さも当然と囃し立てるマスコミもクズじゃが、それに躍らされる阿保共が、滑稽じゃった。
まぁ、あんな感じかのぅ。
『いや、アレは単なるスケープゴートでは?
コチラも事実を有耶無耶にしたい方針なのは、一緒でしょう。
ですが、相手が悪いですね。
ダリル殿が本気になれば、国の王侯貴族が皆殺しになりますから。
忍んだダリル殿を見破れる者など、この国には居りませんし、あの登坂能力を持つダリル殿の侵入を阻めるとは思えません。
しかも、元々、弓矢を扱う腕前が超一流であるのに、晶石、この場合は風晶石ですか。
それを使えば、遠距離から的確に標的を射抜けるでしょう』
わー
敵に回したら、最悪やんね。
でも、周りの者を狙われたら?
『一番の悪手でしょう。
何処へでも忍び込み、相手を一瞬で殲滅可能な者ですよ?
索敵や探索に追尾も超一流です。
国に仕える間諜などは、足元にも及ばないでしょう。
直ぐに奪還され、報復が始まりますね』
あー
それ、国は気付いておるな?
ダリルさんに対する対応が、全てを物語っておるでな。
大体じゃ、ミハガ隊長の対応が過剰じゃでな。
おそらく、万が一にでも、ダリル殿が現れた場合に対応させるための人員ではないかえ?
『良く分かりましたね。
街の門番は全て配置換えさるています。
万が一、ダリル殿が現れたら対応するように、ですね。
過剰な配備と、領主は陰で臆病と揶揄されていましたが、先見の名があった、っと言えるでしょう』
いやいや、こがぁに早く、ダリルさんが現れるとは、普通は思わんからのっ!
っと、また映像が止まっておるな。
今日は、良く脱線するわい。
まぁ、完全にダリルさんのせいじゃがのっ!
「まぁ、鎧熊の扱いは、店主殿に任そう」
「おう、期待してくれ。
高値で捌いてみせるからな。
そうさなぁ、一週間後に来て貰えるか。
それまでには、扱いを決めておくからな」
「うむ、任せる。
して、宿をとりたいのだが、何処か知らんかね?」
そう店主へと。
いや、まだ昼前なんじゃが?
宿を決めるには、早過ぎんかえ?