あー、唐突に、ダリルさんの昔語りがの。ビックリじゃ!
ダリルさんに告げられ、キョトンとするカリン嬢。
いや、向こうからは分からんで、カリンちゃんで良いか。
でな。
「えーっと、なんだっけ?」
そがいな、ことをの。
したらダリルさんが困ったようにな。
「いや。
カリンは放術師に放術を習ったのか?っと言う話しだ。
俺が教わった放術師によれば、放術師は放術師によって力を認識し使えるようになるらしい。
そうでなければ、放術師の適正があっても、放術を使えるようには、ならんそうなのだが?」
そうダリルさんが教えるとな。
「おっちゃん、ソイツはおかしいよ」
そうカリンちゃんがのぅ。
したらダリルさんがな。
「待て!
誰が、おっちゃんだ、誰が!」
あー
そう言えば、ダリルさんてば・・・
「俺はカリンと二歳しか歳が離れておらん!
オッチャンと呼ばれる謂れはないからなっ!」
実に不機嫌そうだ。
まぁ、二歳下にオジサン呼ばわりされては、のぅ。
「うぞ!
十四歳!!
信じらんねぇっ!?」
「なんで、そうなる!
信じられんのは、お前の頭だっ!
十八だ、十八!」
「い、いや。
そちらも信じられんのだがねぇい。
マジで十八歳なのけぇ?」
ハゲルが驚愕顔で。
っか、ハゲルの言葉に、皆が頷いている。
そんなハゲルの言葉にミハガ隊長が続ける。
「いや、ダリル様。
アナタは深層狩人だったハズだが?
いくらなんでも、十八歳では不可能かと」
まぁ、普通なら、そうじゃろうのぅ。
「ん?
三歳の頃に師匠へ引き取られてから、ずっと狩人の修行をしておったからなぁ。
深層へ至った、っと言うか、連れて行かれたのが十歳の頃であったか。
アノ時は死ぬかと思うたよ。
十四の時に身を潜めつつだが、深層の中部へ採取へ赴いたなぁ。
師匠に厳命されて素材集めをしたが、アレもキツかった。
今では、良い思い出だ。
まぁ、今では深層中部での狩りも行える。
深層深部へも気配を消し、身を潜めながらなればな。
だが、アソコからは竜種が跋扈し始める。
俺は竜種に慣れておらんのでな。
他で竜種を狩って慣れるつもりだ」
なんか、ダリルさんが、語り始めたのじゃが。
いや、その、なんじゃぁ。
ダリルさんの師匠、ちと、酷過ぎんかえ?
うん、皆さん、ドン引きですなぁ。
「つ、つまり。
ダリル様は、幼い頃から狩りを」
「そうだな。
親が碌に飯をくれなんだゆえ、物心付いた頃には狩っておったな。
師匠に引き取られるまでは、ガリガリに痩せておったぞ。
それでも、野鼠などを狩って食っておった。
二歳〜三歳の頃か。
懐かしいな」
い、いや。
こうして、改めて聞くとじゃ。
ダリルさん、って、人外じゃのぅ。
普通は死ぬからのっ!
「あー
二歳上だからアニキ?
うん、ダリル兄ィだね。
しかしダリル兄ィも、苦労したんだねぇ」
うへぇ。
この子、苦労した、で収めよったぞい!
有る意味、大物じゃでな。
「ふぅ。
ビックリする話しなんだけどさ。
また、話しが逸れてるよ。
アンタ、カリンに放術師から放術を習ったかを確認したいんじゃ、なかったのかい?」
ロゼッタ嬢が呆れたようにの。
ほうじゃった、ほうじゃった。
で、その話しは、どがぁなったんじゃ?
「おおっ!
確かに、確かに。
で、カリンは、放術師に習っておらんのか?」っと。
したら、カリンがな。
「オイラ、放術師の知り合いなんて居ないよ?
それにさぁ。
放術が使えるようになるには、放術師の手助けが必要って、おかしくない?」
そんなことをな。
「はて?
なぜだね?」
不思議そうにダリルさんがな。
「いや、だってさぁ。
最初の放術師って、どうやって放術ができるようになったんだよ?
最初だと、他に放術師は居ないよね?
だったら、誰も放術を使えないじゃん!」
おう、盲点じゃったわい。
つか、言われてみたら、当たり前か?
「ふむ。
確かに。
パルマ殿に放術を使えるようにして貰うたゆえ、放術師にて目覚めさせると思い込んでおったよ。
そうなれば、カリンは自然と目覚めたと?」
「う〜ん。
小さい頃から普通に使えてたから、オイラ、分かんないや。
まぁ、使えるから、良いじゃん!」
そんな、適当なっ!