放術師坊主なカリン君、実は、意外な事実がっ!
ダリルさんが、少年、カリンじゃったか?
彼へ指摘するとじゃ。
「へっ?
なんで分かんだよ?
今まで気付かれたことなんて、無かったのにさ」
ビックリしたようじゃな。
そんな彼へとの。
「ん?
多分、俺が放術師だからだろう。
俺も体内の雷晶石を操れるからな。
ゆえに、雷の流れを感ぜられるようになったみたいだ」
そう教えると、カリン少年がの。
「感じられるようになったみたい、って、変なの。
まるで最近まで出来なかったみたいじゃん?」
そう不思議そうに。
それへダリルさんがのぅ。
「いや、出来なかったぞ。
最近知り合った放術師に、放術を教わったのだよ。
それで、初めて出来るようになったのでな」
「へー
そんなことが、あるんだねぇ」
何やら関心しておるのだが、はて?
「おや?
坊主は、放術師に放術を習ったのでは、無いのか?」
ダリルさんが、不思議そうに。
したらな。
「ちゃわいっ!」っと。
ふむ?
やはり放術師へ習っておったか?
じゃが、先程の口振りからしたら、のぅ。
「坊主じゃないやいっ!
オイラ、これでも女なんだからなっ!
坊主、っうなぁ!」
ひょっ!
そっち、かえっ!
予想外じゃて。
っか、少女?
いや、ゔぞぉっ!
どうみても、男の子じゃぞ。
まぁ、男の娘に見えんこともないのじゃがな。
「おおぅ。
女だったのか。
これはスマン」
流石にダリルさんも、驚いたようにの。
「あー、そのなんだぁ」
うむ、ばつが悪そうじゃてな。
じゃが、続けてのぅ。
「お嬢ちゃんは・・・」
「嬢ちゃん言うなぁっ!
オイラ、コレでも大人なんだからなっ!
16になったから、成人だやぁいっ!
子供あつかいすんなやいっ!」
あー
その、なんじゃ。
マジで、顎が外れそうになったわい。
アレは漫画などの大袈裟な描写で、マジに起こらんと思っておったのじゃがな。
自分にも、ビックリじゃわい。
っかダリルさんも驚愕しておるの。
そんなダリルさんへな。
「本当のことだよ。
この子が十歳の頃に、ウチで引き取ったからね。
あの年は酷い飢饉でねぇ。
ココらは森が在るから、そこまでは酷くなかったんだ。
けど、この子の村は、飢饉で滅んでんだよ。
この子の親が、オヤジの鍛治兄弟でね。
親の面倒を見るために、村へ戻ってたんだよ。
その村で、鍛治仕事をしてたらしいんだけど、この子が七歳の時に、流れ者に殺されたらしいんさね。
どうも、物取りだったみたいだよ。
その後は生活に困窮してね、オヤジが鍛治兄弟を訪ねて村を訪れた時はガリガリだったってさ。
死ぬ間際、っわれても、おかしくない状態だったらしいんだわ。
そんなんだからか、身体が大きくならなくてねぇ。
食も細いし」
「いや!
ロゼッタの姉御と、ハゲルの旦那が、食う量がおかしいんだよっ!
あんなに食えるかぁっ!」
ふむ。
名を知らぬが、残りの三人娘が頷いておるで、そうなのであろうな。
で、頷いていた一人がの。
「それでもカリン。
アンタの食べる量は少ないよ。
ワタシの半分も食べないじゃないの」っとな。
「ゔー
ファマルは、そう言うけどさぁ。
食べれないんだから、しょうがないじゃん。
胃が大きくならないんだもん!」
したらな。
「いやいや。
ファマル?
アンタが食べる量も、女性からしたら異常だから。
あの二人は、異次元だけどさ」
「あらガンレート?
結構、失礼ね。
異常って、何よ」
「何よ?って、アンタさぁ。
私の倍、シムエルの三倍は食べるじゃないの。
まぁ、良いとこ出のシムエルは、元々少食だけどね。
でも、カリンちゃん。
アンタはシムエルよりも食べないからねぇ。
もっと食べないと、成長しないよ?」
そう指摘されて、ソッポを向くカリンちゃん。
しかし、シムエルっう娘は大人しくしとるが、三人寄れば姦しいとは、この事かえ?
「あのな?」
「なんだい?」
「話しを戻しても良いか?」
そう困ったようにダリルさんがな。
ダリルさんを困らせるとは、やるなっ!カリンちゃん!