森里人の末裔?本当にぃ?では、検証しようでは、ないかっ!
ダリルさんの人物評価を不思議に思っているとな。
『呆れましたね』
そう、アドバイザーさんがね。
いや、どったの?
『いや、そのですね。
ダリル殿が指摘した二人以外は、全員、人造種の末裔ですね。
ロゼッタ嬢とハゲル殿の人造種の身体能力が、色濃ゆく出ています。
あの子供は、おそらくは放術師でしょうか?
最後の女性は、三人ほどではありませんが、それなりに血が濃ゆく出ているかと』
ふむ。
人造種には人造種を見分ける力でもあるのじゃろうか?
『そんな話は、聞いたことないのですが。
まぁ、私が探った情報に無かっただけかもしれませんが』
まぁ、何にせよ、アノ二人が人造種関係ではなく、普通人だと分かったがのぅ。
じゃが、人造種でないと、狩人は厳しいのかえ?
『そんなハズはないと思いますが、ダリル殿の基準では、どうなのでしょう?
ウサギや鳥などを狩るていどならば、普通の人種でも出来るでしょうね。
けれど、森。
特に浅層近くともなれば、生きて帰れないかと』
はて?
里へは行商人が来ておらなんだかえ?
パルマさんは、普通の人種であったような。
『街道は、定期的に狩人達が駆除していますから。
っと、言うかですね。
街道は駆け出し狩人達の狩場なんですよ。
強めの獲物は、熟練者が定期的に狩りますから、適度に強い獲物しか現れませんから。
そうして定期的に狩られた街道なら、行商人も通れるようになる訳です。
まぁ、村在住の狩人が護衛に付くのが前提ですが。
そんな彼らは、里に住み浅層で狩りをする狩人には敵いません。
ゆえに、あのようなことに、なったみたいですね』
狩人のヒエラルキーがヤバ過ぎじゃてな。
下手に森奥へ向かえば、人造種末裔クラスでのうては、生きて帰れん訳かえ?
『この街近辺ならば、まぁ、大丈夫でしょう。
多分ですが』
多分?
ダメな場合もあるのかえ?
『ダリルさんが踏破した山から獣が降りて来る場合がありますからねぇ。
流石に鎧熊クラスは降りて来ないでしょうが、浅層クラスの獣が現れる可能性はあります。
そうなった場合、あの二人では』
ふぅ〜むぅ。
なるほどのぅ。
っと、話しが盛り上がったで、映像を止めておったか。
続けて貰うて良いぞい。
『そうですか、では』
で、凍結中じゃったダリルさん達が動き始めたの。
「いや、おそらく二人以外は、里から出た者の末裔だろう。
里から出て分かったのだが、どうも里人と他の者では資質が違うみたいだ。
なんとなくだが、雰囲気で分かるのだよ。
理屈は分からんがね」
そうダリルさんが告げるとな。
「うーん。
オレは、このガタイだからよぉいっ。
まぁ、里人の末裔っうのも、有るかもねぇい」
そうハゲルさんがな。
したら、ロゼッタ嬢もな。
「そうさねぇ。
アタイもハゲルには負けるけどさ、身体は大きい方さね。
鍛治してたから、って思っていたんだけど、力がやたらと強いのも、そのせいなのかねぇ?」
ロゼッタ嬢ってばな、実は筋骨隆々な大女だったりする。
で、結構美人さんなんじゃが、短髪なんじゃ。
胸が無ければ、美男子さん、って思うやもな。
まぁ、あのボリュームで男性と思う輩は居らんと思うが。
「でもさ。
カリンも里人末裔なのかい?」
そうロゼッタ嬢が告げるとな。
「ん?
呼んだ?
どったのさ?」って、少年がな。
「いや、別に呼んじゃいないが、アンタ、森里の出だったかい?」
そう尋ねている。
「父ちゃんと母ちゃんは、普通の村人だったよ?
たぶん違うと思うけど?」
「本人は、こう言ってるんだけどねぇ?」
困ったようにロゼッタ嬢が告げると、ダリルさんがな。
「いや、コイツ、放術師だろ?
さっきから、微量な雷を周囲に流して、辺りを伺っているんだが。
こんなことは、放術師でなければ、できまいに」
そう呆れたようにな。
っか、この少年、そのような事をしておったのかっ!?