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どうやらダリルさんに、仲間が出来るみたいですよ?

そんな禿頭大男が告げたのを、ロゼッタ嬢が咎める。


「なに、勝手に決めてんのさね?

 口では鍛治仕事ができるとか言ってるけどねぇ。

 相手は狩人なんだよ?


 片手間に身に付けた技術なんてぇのは、当てにならないわさ。

 本当に教えるのかい?」


ちょいオコなロゼッタ嬢に、禿頭大男がな。


「いやいや、お嬢。

 こん人が持ってる剣と槍、それに弓だがねぇい。

 二種類あるの、気付いてるけぇい?」


そう告げられ、彼女はダリルの装備を改めて確認を。


「確かに、ハゲルが言う通りだねぇ。

 けど、それが、どうした、ってぇのさ?」


ん?

ハゲル?

禿頭大男の名かえ?

いや、禿頭で名前がハゲルって、アータ。


「お嬢。

 さっき、この旦那は、自分の物は基本自分で造るってたんだがねぇい。

 っう事はだ。

 アレらは、この旦那が拵えた、っうことにならねぇかい?」


そう告げられ、ロゼッタ嬢がダリルの装備をマジマジと。


「い、いや。

 まさかねぇ。

 旦那、ちと、それを見せて貰えないかい?」


そう問われ、ダリルさんが頷く。


「構わんよ。

 まぁ、未熟な作で恥ずかしい限りではあるがな」


そう告げて、予備として携えている武具を渡す。

ダリルさんとしては、雑魚狩りにはコチラの武具を使用しておるでな。


矢ほどでは無いが、武具も損耗品だ。

メンテナンスを行えば、長持ちはするだろう。

だが使えば損耗は避けられない。


そのため不要と感じた場合には、己が造った品を使用しているようじゃな。


「これ・・・本当に、アンタが?」


戸惑ったように。


「むっ?

 そんなに出来が悪かったかね?

 自分なりに良い出来だと思っておるのだが。


 まぁ、三年前に造った品ゆえ、今なら多少はマシな物が造れるようになっておるがな」


そう困ったように。


「逆さね。

 とても素人が造った品には見えないねぇ。

 名工が造った品には劣るけど、独り立ちした職人の作だよ、これ。

 本当に、アンタが?」


そう問われてな。


「うむ。

 俺の作だな。

 一応、親方連中には、一人前として扱われておったぞ。


 まぁ、そのせいか、狩人を止めて職人になれと、何時も言われておったなぁ。

 まぁ、俺の本分は狩人。

 職人になる気はないがな」


そのように断言するダリルさんを、ロゼッタ嬢が呆れたように見て告げる。


「はぁー

 コレだけの腕が有りながらねぇ。

 精進すれば、一角の職人になれるだろうに。


 まぁ、分かったよ。

 ハゲル。

 アンタが旦那へ教えるのは構わないよ。

 だけど、何時、教えるんだい?


 アンタに抜けられると困るんだけどねぇ」


「うーん。

 狩り仕事もあるからねぇい。

 工房を借りるのも、金が掛かるかんなぁ。

 さぁーてぇ、どうするかねぇい」


どうやら、ダリルさんへ、矢造りを教えるのは決まりみたいじゃな。


そしたらな。


「ふむ。

 どうやらアナタ方は、狩人として活動しておるようだ。

 良かったら、俺を加えては貰えぬであろうか?

 狩りの合間に矢造りを含め、鍛治を教えて貰えれば有り難いのだがね」


そんな提案をな。


「い、いや。

 そのさぁ。

 アンタ、深層狩人なんだろ?

 良いのかい、アタイらみたいなのに加わって」


ロゼッタ嬢が困惑気味に。

そんな彼女へダリルさんがな。


「?

 何がかな?

 狩りをするだけであろ?


 別に手強い相手と戦う必要はない。

 鍛錬したくなったら、勝手に一日二日ほど抜けさせて貰うが、毎日狩りをしておる訳ではあるまい?


 アンタ方2人なれば出来ようが、他のメンバーがもたんだろ?」


そう告げるとな。

「かぁー

 旦那にゃぁ、お見通し、ってかぁ?

 若い衆も、それなりに出来るようになって来たんだがねぇい」


ハゲルが告げるが。


「ふむ。

 俺が見たところ、女性二人は確実に狩人へ向いとらんな。

 アレは里の出ではあるまい?」


そう指摘すると。


「おや?

 全員が、この街周辺の出なんだけど?」


そうロゼッタが。

いや、ダリルさん。

何を根拠に?

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