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29話 微かなノゾミ

 アップル 伊勢佐木長者町店


 佐倉来人はレジに立っていた。

 里山理沙は、シルバーの髪を掻き分け来人に近寄る。

 「ちょっと出ない?」そう自ら自信のある角度で上目使いで来人を覗き込む。 

 来人は、品出しをしている渡瀬聡太にレジを頼み理沙と店を出た。

 時間は、明け方で東の空が赤紫に染まりかけている。

 地下鉄の上にある公園まで来ると、理沙はベンチに座り、来人を呼ぶ。

 「ねえ!アタシって好みの方?それとも範囲外?」と横に座った来人に擦り寄る。

 「いや、別に‥」来人は、理沙の肌けた胸元に目のやり場に困り反対側を向く。

「だからさ‥あのさ‥少しは相手してもよくない?」と理沙は来人に対しての興味を恋心へ昇華させ、胸が高鳴るのを確認すると来人の膝に手を置く。

 来人は、膝に置かれた手を見て、迷惑でそして、翔子を失って以来、埃の被った〝心〟に風が吹くのを感じていた。

 

 〝女性〟


 来人も男である。自分から誰かを探す意識など無かったが、目の前に突きつけられると、心が、掻き乱された。

 身体にも変化が起こり、人間としての本能とも呼べる選択の余地のない流れに身を奪われた。


 右手を理沙の髪に伸ばす。


 その時、一羽のカラスが目の前を横切る!


 そのカラスは、3メートル離れた場所に着地すると、何かを伝えようとしている。


 来人は、カラスの右足に巻かれた包帯に目がいく。


 〝何か引っかかる〟


 来人は言霊を使う。


 〝カラスの包帯が外れる〟


 やがて、カラスは、包帯を残し飛び去った。

 来人は残された包帯まで歩を進めた。


 この日から、来人は翔子の行方を鬼神の如く探し始める事になる。

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