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27話 監禁
松花振興会 ホール 観覧席
〝執行人〟真鍋透がその場から去り、長髪の袴を履いた男は、携帯を取り出し電話をかける。
「はい、実清様、こちらは変わりありません。翔子様ですか?仰せの通り、部屋からは出していません‥お戻りですか?わかりました‥では」携帯を切った従者は、屋敷の3階にあがる。
「翔子様!実清様がお戻りです、お支度を」と扉越しに声をかける。
来人のかつての婚約者、葉山翔子は生きていた。
翔子は、目は虚ろで髪はショートカットにし、フラフラとベッドからでる。
「ご主人様がお戻りに‥身体を清めなきゃ」そう呟くと、部屋のシャワールームへ向かった。
キャミソールを脱ぎ、裸体を露わにする。
その右肩には、〝逆三角形〟の焼印の様なアザがある。
シャワーで身体を隅々まで洗う。
「また、尽くさなければならない‥」そう呟く。
「‥もう‥帰りたい‥」
翔子は濡れた裸体のまま、フラフラと歩き出す。
部屋から出ようとすると、焼印が光る。
「痛い!」その瞬間、翔子は気を失った。
部屋には、流れ続けるシャワーの音だけが響いた。




