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【完結。最新話に大切なお知らせアリ】異世界に転生したけど魔力0だったので、1000年間剣技を鍛えてみた  作者: 八又ナガト
第二章 新興国ファーイースト編

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46 緩やかな時間

 【晴天の四象】のメンバーが揃い、各々が自分にあった鍛錬や勉強を開始する。

 彼女たちは基本的に個人特訓を重視し、連携は実戦を通して磨いていくらしい。


「………………」


 そんな中、ティオは目を瞑り深い集中状態を維持していた。

 以前に俺も教えてもらった、気配探知を習得するための瞑想だ。

 無言の圧力が周囲を威圧しているようにすら感じる。


「……ふぅ」


 数十秒後。

 瞑想を終え、ゆっくりと目を開けるティオ。


 そんな彼女に対し、俺はかねてより気になったことを尋ねることにした。


「そういえばティオ、新しい弓は用意できたのか? ここ数日は基礎トレーニングばかりみたいだけど……」


 ティオの弓は先の不審者戦で真っ二つにされてしまったようで、今は武器を失っている。

 そのため、行える訓練には限りがあるようだった。


 俺の問いに対し、ティオは肩をすくめながら答える。


「残念ながらまだね。あの弓はエルフの里で作られた特注品だったし、匹敵する物がなかなかないのよ」


「町の鍛冶師に作ってもらうことはできないのか?」


「それも考えたけれど……金属の扱いはともかく、木の扱いに長けた職人がなかなか見つからなくてね。エルフの里は遠いからそう簡単に帰ることもできないし、何かいい解決策があるといいんだけど……」


 はあ、とため息をつくティオ。

 彼女にはとても世話になっているため助けになりたいところだが、この世界の知識があまりない俺では難しいだろう。

 だからせめて、ティオに天運が回ってくるようにだけ祈っておいた。



 そんなこんなで修行を進めている途中。

 不意に、モニカがぷくぅと頬を膨らませて言った。


「ユーリ、わたしは不満」


「えーっと、何がだ?」


「アリシアやセレスはユーリと模擬戦をしているし、ティオも一緒に瞑想していたりする。わたしだけユーリと修行できないのはとても不公平」


 とのことらしい。

 そうは言っても……


「俺には魔力がないから仕方ないんじゃないか? モニカみたいに魔術を撃つのはどう足掻いても無理だろうし」


「それはわかってる。だからわたしは考えた。ユーリが無理なら、わたしが剣を使えばいい」


 そういって、モニカは何もないところから木剣を作り出した。

 さすがは『碧の賢者』だ。この光景は何度見ても驚かされる。


 だが、そんな風に感心する俺に対し、隣にいたティオは呆れ顔で呟いた。

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