表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短編小説  作者: ま行
54/146

火の輪くぐり

 火をつけられた輪を見事飛び込みくぐって見せましょう、本能は火を恐れ、燃え盛る様は足を震えさせる。いくら訓練を積んだ熟練のパフォーマーでも本能には逆らえない、しかし恐怖心と共にそれに飛び込み、見事乗り越える様は見る人に興奮と感動を与える。さあ飛び込みましょう、貴方に与えられた役目です。衆愚は待っていますよ、貴方が燃え盛る火の輪に飛び込むさまを、どうしました?飛べませんか?身を焼かれる覚悟は出来ませんか?残念です。リスクを飛び越えてこそ、その先に待ち受ける栄光が貴方には待っていると言うのに、注目を浴びて、人々から口々に貴方の名前が囁かれます。名声はそう簡単に得られるものではありません。踏み出せた者にのみ輝くのです。


 おや?飛び込む気になりましたか?そいつは重畳、では勇気を出して飛び込んでください、燃える火は貴方を待っていますよ、行きますか?そうですかそれは楽しみです。その愚かな選択の結果に、貴方はどんな感想を抱くでしょうか、とても楽しみにしていますよ。


 一線を越えた行動を収めた動画がSNSでとんでもない話題を生んだ。法律に触れるようなギリギリの行為、鳴りやまぬ通知、夥しいメッセージ、口にするのも憚られる罵倒の数々、思い切って飛び込んだ火の輪くぐりの代償は、自分にとってどんな結果をもたらしたのか、確かに有名になって、誰もが自分の事を知っている。どこから漏れたのか、住所も本名も昔のアルバムの写真も晒された。今になって、自分の自尊心と自制心との葛藤の時、行動を律する事が出来たのなら、こんな結果にならなかったのではないだろうかと、行動の結果が燃え盛る様子をどこか他人事のように見つめている自分がいるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ