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短編小説  作者: ま行


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二十年後

 タイムカプセルに宝物を持ち寄り、皆で協力して穴を掘る。さあ二十年後皆でここに集まろう、そう言い合わせて絆を確認したところで時間は残酷である。それぞれの事情にそれぞれの関係性の変化、十人で固めた約束は、果たす時には三人になっていた。


 三人は集まって、皆々の事情を伝え合うも、どうしたって情は薄れている。曖昧な相槌に慣れ合いの空気、集まった三人は話もそこそこにタイムカプセルを埋めた場所へと向かう。しかし辿り着いてみたら埋めた場所には大木が生えていて、すっかり情景が変わっていた。


「おいおいどうする?」

「切ってしまう訳にもいかんだろう」

「そもそも何でこんな木が生えているんだ?誰か覚えはあるか?」


 三人は顔を見合わせて、互いに首を振った。


 ではどういう事だろう、三人は知恵を出し合ってみるが、中々答えは出なかった。埒があかないと一人が言って、皆に聞くしかないと一人が提案して、一人がその交友関係の広さを使って伝手を当たった。


 連絡が行き届けば、皆その不思議な現象を見たいと言って、あれよあれよと再開は果たされた。


 皆思い思いに話を始めて、あの時はああだった。この時のお前なんてと、話を弾ませる。集まってみれば、友情は何一つ変わる事なく心に残っていた。


「あっもしかして」


 集まったうちの一人がやっと思い出したと、手をポンと叩いて声を上げる。タイムカプセルの中に仕舞った物の中に、何とも分からぬ植物の種を入れたと言うのだ。


「しっかりと密閉した筈だけど、もしかしたら何かが起こってその種が発芽したのかもな」

「そうだとしたら、何だか不思議な事だ。きっとこの大木が生えていなかったら、皆で集まる事はなかっただろう」


 そうして集まった十人は、その大木の前で写真を撮った。思い出を詰めたタイムカプセルが、大木となって二十年の月日を繋ぐ絆と成った。十人はきっとまたここに皆で必ず集まれると予感していた。

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