表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短編小説  作者: ま行
42/140

 四人と犬一匹が並び立ち、今まさにドラゴンに挑まんとしていた。


 四人と一匹は家族だった、父母姉弟と柴犬のクロは家族揃って異世界へと転移してきた。


「親父腰が引けてるぞ」


 弟アカヒコは父キタロウの背中を叩いて言った。


「あんたも弓持ってる手が震えてるわよ」


 姉アオイが手にした杖でアカヒコの頭を軽く小突く。


「お父さん今日はちょっとやめとこうかな?どう思う皆?」


 キタロウの腰は今だ引けている。


「馬鹿言ってんじゃないよ!あんたたちも気合い入れ直しなさい、クロはもう準備できてるわよ!」


 母ミドリが指差したクロは、姿勢を低くして小さく唸り声を出している「いつでも行けるぜ」と目でキタロウに訴える。


 キタロウは覚悟を決めて家族一人一人の顔を見ると、緊張感と恐怖心を唾と共に飲み込んで言った。


「俺たちは家族だ、皆の事が大好きで皆の事を誰よりも知っているのは俺たちだけだ、それぞれの短所を全員でカバーし合え、誰かが倒れたら皆で手を取って引っ張り上げるんだ、いいな?」


 キタロウは身の丈より大きな剣を握り直して正眼に構える、その凛とした姿を見て一同はそれぞれの武器を構える。


「アカヒコ、奴はまだこっちが見えていないから矢を放って牽制しろ、クロと俺で斬りかかって注意を引く、アオイは合図があればいつでも魔法が撃てるように準備しておけ、母さんは誘い出すポイントに罠の設置を頼む」


 家族は大きく深く息を合わせると、一斉に行動を開始した。


 一色家の戦いの火蓋が切られる、元の世界へ戻るため、戦う家族の未来はまだ誰もその先を知らない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ