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短編小説  作者: ま行
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寝落ち

「なあ聞いたか?あそこにいるあいつ過労で倒れたらしいぜ」

「マジかよ、何か今もふらふらしてるもんな」


 隅の方でうろうろして見てとれるほど憔悴している、目的もなくただ足が動くから動いているという感じだ。


「あいつここのところ毎日呼び出されるんだとさ、しかも長いことぶつぶつ言われながら大変らしいぜ」

「そういえば最近あいつの班からよく愚痴を聞くよな」

「担当が違うだけでこうも環境が変わるとは、俺たちはまだマシだな」


 確かに今のところ困ったこともなくスムーズだし、目立ったトラブルも少ない。


「あいつを見てると、何だか申し訳なくなるな」

「そうだけど、俺たちに何かできるわけでもないし、せめて声でもかけてやろうか」


 あいさつをして調子はどうだと問いかけると、小さく返事を返してくれた。


「最近忙しそうだな」

「なんかトラブルでもあったか?」


 頷いて話始める。


「しょっちゅう呼び出されるんだ、終わったと思ったらまたすぐに呼ばれて、そんなに長い時間じゃないけど、またすぐ始まるかと思うと気が休まらなくて、体が重いんだ」


 そこまで言うと急にふらふらとしたと思ったらばたりと倒れ込んだ。


「おい!大丈夫か!?」


 駆け寄ってみると寝息をたてて眠っている。


「体力の限界だったのかな、俺たち睡眠前にカウントするひつじが寝落ちするなんて」

「こいつは新人だから、不眠症の人の担当が初めてだったんだろう、何度も覚醒しては呼び出される経験がなかったんだ」

「寝落ちを繰り返す人も気の毒だけど、都度呼び出されるひつじも大変だよな」

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