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短編小説  作者: ま行
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苦楽

「明るさ恐怖症候群」この病気を研究しだして3年が経った。


 俺は元々暗闇についての研究者だった。暗闇のエキスパートとしてグループに参加し、研究者が入れ替わり立ち替わりするなか最初期のメンバーとしていまだに関わり続けている。


 新薬や治療法、原因の究明に対策。俺たちの研究成果もそろそろ世に根付き始めた。引き際を考えに考え今日がその日だ。


 荷物をまとめ机の上を整理する。別れの挨拶を済ませ祝いの花束を受け取る。いつの日かきっと完全解決までできると信じてグループを去る。


 自宅に帰り、慣れた足取りでお気に入りの椅子に座る。


 生まれながらにして光を知らぬ俺にとって「明るさ恐怖症候群」とは無縁であった。


 研究者が次々と発症して、日の下に出られなくなるなか俺だけが皆の希望を背負ってきた。研究成果が役に立てば幸いだ。


 長らく「暗く」にいた俺が苦楽を共にした仲間の役に立てるならこれほど嬉しいことはない。

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