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短編小説  作者: ま行
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望む声

 私は仕事のため朝早くから起きて支度をする。


 睡眠時間を計算し、体に疲れが残らない最適な休息のおかげで、早い目覚めでも体はよく動く。


 顔を洗うと、コンロに火をかけお湯を沸かし、トースターに食パンを二枚セットする。


 待ち時間を利用して軽くストレッチと体操を済ませると、冷蔵庫から新鮮なレタスを取り出しちぎって皿に盛りつける。自家栽培のミニトマトを添えればお手軽サラダは手間なくできる。


 焼けたパンにバターを塗り、手作りドレッシングをサラダにかけていただく、朝食は健康の維持に欠かせないものだ。


 食べ終えた皿を流し台の水につけ、沸いた湯で薬茶を淹れる、デザートにオレンジを剥き食べる、ビタミンは熱に弱いので生食がいい。


 薬茶を飲み干すと、ノートパソコンを立ち上げテレビをつけチャンネルをニュース番組放送にあわせる。


 最近巷では、突如現れたスーパーヒーローがずっと話題に上がっている。


 ヒーローは類稀なる身体能力と頭脳、そして超能力ともいわれる不思議な力によって、悪事を暴き人々を助け正義を体現する。


 私はそんなヒーローに関わる仕事をしていて、今日もまたヒーローを望む声に応えるために動き出さねばならない。


 莫大なる資金をつぎ込んで開発した細菌兵器を主要都市主要施設に配置するよう、メールにて部下に細かく指示をだす。


 ばら撒かれればあっという間に人が死に、感染力が強くとても手軽に感染し瞬く間にパンデミックを引き起こすことのできる優れものだ。


 テレビではヒーローの活躍が取り上げられ、市民からはヒーローヘの感謝とさらなる活躍を願う意見が取り上げられる。


 私はこれから起こることを思うと、胸が痛み口角が上がり自然と笑みがこぼれてしまう、ああ今日もまた。


「ヒーローを望む声が聞こえる」


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