表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短編小説  作者: ま行
19/140

極悪非道

 俺様は札付きの悪だ、どんな非道な行為も躊躇は一切無いぜ、肩を切って歩いて道行く人すべてを威圧する。


 俺様の鋭い眼光に人々は震え上がり、いつ暴力を振るわれるか分からない緊張感に萎縮する、畏怖の目は俺様のエネルギー源だぜ。


 気に入らねぇやつはぶん殴って黙らせる、俺様に文句つけやがる奴は地獄をみる、顔面は腫れ上がって別人に変わる、骨が砕けるのなんてざらだぜ。


 今日も何人か病院送りにしてやった、馬鹿が実力も測れず挑んできやがる、俺様が本気出せば葬儀屋が順番待ちで長蛇の列だぜ。


 さっきは肩をぶつけてきやがった阿呆を怒鳴り付けて失禁させてやった、公衆の面前で俺様に恥をかかせやがった阿呆にはお似合いの末路だぜ。


 俺様の美的センスに合わない窓を見つけたから石を投げて割ってやった、住民のジジイが怒鳴りこんで来やがったから、残り少ない寿命をさらに縮めてやったぜ、棺桶に叩き込んでやってもよかったんだぜ。


 気に食わねぇ花壇を見つけたから花を念入りに踏み潰してやった、美しく咲く花も俺様にかかればゴミくずも同然だ。世話をしていたババアの悲しそうな目は傑作だったぜ。


 極悪の限りを尽くす無敵の俺様には、どんな非道な事も路傍の石以下だぜ。




 バシッと頭をはたかれて起きる。


 クラスの皆の嘲笑と先生の苦い顔を見て、顔がサーっと青くなる。


「お前、居眠りするのもいい度胸だが、寝言で何てこと言ってるんだ」

「えっ?はっ?」

「お前さん札付きの悪だの、地獄を見せるだの、ずっとぶつぶつ寝言で唱えてたぞ」


 どうやら先程の夢の中極悪な俺様妄想が、寝言という不可抗力で漏れでていたようだ、こんなに極悪非道な事があっていいのかと心の中で慟哭して涙目で先生に謝るのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ