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短編小説  作者: ま行
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すごろく

 サイコロを振り出た目に応じて歩く、マスはないので賽の目の数歩く、お題や相手も居ないすごろくを現実で世界中の土地でやり続けている。


 最初は闇雲に六面サイコロを振って歩いていた。どんなに高い目を出したところで最大六歩しか進まないが、目が高く出続けた時は嬉しかった。勿論逆もしかりだが、それでも愚直に歩いた。


 そのうち変なことをしている人がいると話題になったらしく人が集まってきたり、警察を呼ばれたり、妨害や冷やかしに様々な出会いがあった。


 出会いがあると発見もあった。ある時知り合った人が六面以上のサイコロがあることを教えてくれた。そんな便利なものがあったのかと驚いていると、笑いながら出目が二十まであるサイコロを五個もくれた。別の人はいちいち地面に落とさなくてすむように桶をくれた。


 便利な旅路になったと喜んで歩いていると、テレビ局のインタビューを頼まれて受けた。理由は分からないが人気が出て特集が組まれる事もあった。


 その内海外のテレビ局の人に目が止まったらしく、我が国にて是非にとなった。


 断る理由もないので引き受けると乗ったこともない飛行機に乗せられて、行ったこともない国で続きを歩くことになった。


 サイコロを振り歩く、こんな単純な事が多くの人の心を打つとは分からないものだ。継続に力があることを実証できるとは思わなかった。


 そろそろこの旅も終わる、元々死に場所を求めて始めた旅だったから完走できるとは感動も一入である、野垂れ死に干からびる運命は出会いや別れに命は繋がれた。


 ある時から旅の最終目標を決めていた。すごろくをなぞって始めた旅だから締め括りはこれが相応しいはず。


 見慣れた目的地に歩を進める、この旅は「振り出しに戻る」

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