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短編小説  作者: ま行


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121/150

チェンジ

 何かを変えるというのはとても難しい、いや、勇気がいると言うのが正しいだろうか。とにかく変えるという言葉は軽く使われがちなのに、その重みはつり合いが取れていないと思うのが俺の持論だ。


 それでも日々些細なことで変化というのは求められる、変えるか変えざるべきか、選択肢は中々待ってくれない。それを前にして納得できる答えを出せる人はどれだけいるのか、道行く人すべてに聞いてみたいものだ。


 仕事の休憩時間、やることもないのでスマホを弄る。別に何か情報を求めている訳ではない。ただ文字が流れるのを眺めているだけだ。缶コーヒーを片手にそんな無意味な時間をつい過ごしてしまう。


 ああダメだなあと思いながらも指を動かしていると、ふと変な広告が目に入った。一度はスワイプして飛ばしてしまったが、やっぱり気になって元に戻す。


「変え時を教えます?」


 その広告内容にいわく、この「変え時アラート」というアプリをインストールすると、自分が選択肢に困った時に通知が来て、どちらを選ぶべきなのかを教えてくれるという。


「バカバカしい。どうせウイルスだろ」


 そうは言うが気にはなる。今確かにどうするべきか迷っている。こうして何でも怪しいからと切り捨ててしまうのを変えるべきか、変えざるべきか、今このアプリの機能が欲しいくらいだ。


「一度思い切ってみようか」


 俺は広告をタップすると、アプリをインストールしてみた。セキュリティは万全だし、怪しければすぐにアンインストールしてしまえばいい、ただのジョークならジョークで、いい話のネタにはなるかと思いきる。


 アプリを立ち上げると安っぽいタイトル画面が現れる、そのまま待っているのだが、一向に画面が変わらない。何度か画面をタップしてみたり、アプリを立ち上げ直してみたりするが、やっぱりタイトル画面から何も変わらなかった。


 何だよ、やっぱり怪しいアプリだったか。そう思ってアプリを閉じようとした時、スマホの通知音が鳴った。通知元は、変え時アラートだ。


「今あなたはこのアプリを消そうと思いましたね?画面が一向に変わらないじゃないか、何も役には立たないじゃないか、そう思いましたよね?ではお教えしましょう。このアプリはただこれだけを伝えるために作ったものですからね。こんな簡単な選択肢に迷うようではダメですよ。こんな役に立たないアプリはさっさと消して、優柔不断な性格を変えましょう。変え時は今ですよ!」


 俺は速攻でアプリを消した。片手にもったスチール缶を、イラつきのあまり握りつぶしていた。

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