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短編小説  作者: ま行
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四葉のクローバー

 懸命に探してやっと一つ見つけた四葉のクローバー、嬉しくて跳びはねた兄に一緒になって探していた妹が言った。


「いいなあ!お兄ちゃんばっかりずるい!」

「自分の分も探せばいいだろ。ほら手伝ってやるから」

「見つけるまで帰らないからね!」


 兄はクローバーをしっかりと握りしめ、妹の分を探すことを手伝う。しかし二人で一緒に探しても一向に見つかることがない、妹の方は段々涙目になっていく。


「…見つからない。お兄ちゃんのは見つかったのに…」

「もう暗くなるから帰ろう」

「…嫌」

「でもお父さんとお母さんに怒られるよ。帰ろうよ」

「嫌ッ!」


 妹はどんなに説得しても頭を振って拒否した。困った兄はどうすれば妹を納得させられるかを考えた。


 どうしても帰らないという妹に困った兄は、手に持った四葉のクローバーを見て思いついた。


「なあ、一緒に帰ったらいいもの作ってやるよ。だから帰ろうよ」

「いいもの?」

「うん。四葉のクローバーに負けないくらい特別なもの!」


 兄の言葉に妹は渋々従った。兄は妹を家に連れて帰ると、四葉のクローバーを真ん中から二つに割いてしまった。


「ああ!四葉のクローバー!」

「いいから、待ってろって」


 それから兄は二つに割いたクローバーで押し花を作った。妹は何日か待たされたが、それでも兄が一生懸命に押し花を作っていたところを見ていたから我慢できた。


「出来たっ!」


 妹は兄から割いたクローバーで作った栞をもらった。もう片方は兄が持っていた。これでは四葉のクローバーが台無しになってしまうと妹は言ったが、兄はにんまりと笑って妹の栞と自分の栞をくっつけた。


「ほら!これで四葉のクローバー!」

「本当だ!お兄ちゃんすごい!」


 兄と妹はそれぞれの栞を重ね合わせ四葉のクローバーを作った。それは兄の言う通り、確かにどんな四葉のクローバーよりも特別で幸せな気持ちにさせるものであった。

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