全員集合
「やあ久しぶりだな」
「おお!久しぶり!元気だったかい?」
再会を祝してその二人は握手を交わした。お互いの肩を叩いて喜び合う。小学校で同級生だった二人だ。
「いやあ元気そうで何よりだ、いつ以来かなこうして会うのは」
「もうそれも思い出せないよ。嫌だね年をとるってのは」
「確かになあ、でも旧友との再会を喜び合えるのは年をとった醍醐味とも言える。違うかい?」
「ハハハ、違いない」
歓談する二人に新たな人が近づいてくる、それに気がついた二人は近づいてきた人へと手を上げた。
「おいおいお前達全然変わらんなあ!思い出のまま年を取ったようだ」
「そっちこそ!」
次々と旧友達は集まっていき会話が弾む、昔の顔を思い出し懐かしみ、馬鹿な事をやったと笑い合う。全員が集合した頃にはすっかり昔の空気と変わらないようになっていた。
「しかし誘いが来て嬉しかったなあ、やっぱりお前が計画したのか?」
そう聞かれたのはクラス委員長をやっていたものだった。
「いいや俺じゃないぞ。俺は彼女かと思っていたけど」
クラス委員長が指さしたのは副委員長をやっていた女性だった。仕切り屋で、こういった行事をよく提案していた。
「ええ?私じゃないわよ。寧ろ連絡があってびっくりしたんだから」
委員長でもなく副委員長でもない。全員思いつく限りの人を推測に挙げたが、どの人も何もしていなかった。
こうなるとおかしいと、さっきまでのお祝いムードがすっかりと冷めていた。一体誰が自分たちを集めたのだろうか、この場にいる誰もそれを計画していないのは不気味な話だった。
「き、来ていない人がいるんじゃないか?」
「いやさっき確認したけれど、クラスの全員が参加している」
「ええ?じゃあ先生とか?」
「先生はもう亡くなっただろ」
話せど話せど何も分からないままだ、一体誰が全員をこの教室に集めたのか、懐かしき学び舎へと誰が全員を誘ったのか、皆困惑していた。
「そうだ知っているか?この学校取り壊されるそうだ」
「そうなのか?」
「私も聞いたわ、老朽化で残しておくのも危ないからって」
「そうか、じゃあこの教室に皆が揃う事もなくなるんだな」
そんな時誰ともなく声を上げた者がいた。
「もしかして、俺達皆この教室に呼ばれたんじゃないか?」
全員がまさかそんなと思った。しかしそれを一笑に付す者はいなかった。もしかしたら、そんな考えが皆の頭の中に浮かんだからであった。
誰が呼んだか分からない、どうして集まれたのかも分からない、だけど最後に全員が集う事が出来た。それからは皆、また思い出話に花を咲かせた。どうしての疑問を探すより、今この時を楽しむ方がいいと皆そう思ったのだった。
教室の窓がカタンと鳴った。誰にも気づかれる事はなかったが、静かに鳴った。




