マシンガン
いつもの溜まり場でいつものやりとりを始める。
「マシンガンって知ってるか?」
『なんか鉄砲だろ撃つやつ』
「お前は物事を広く捉えるなぁ」
『弾飛ばすなら一緒だって』
「そんなもの世の中に溢れてるだろ、お前が言えばパチンコや子供のおもちゃも武器ってか」
『使い方を工夫すればイケるだろ、パチンコでぶん殴るとかさ』
「それ弾飛ばしてないだろ」
『おもちゃの銃だって持ち手に毒塗っとくとかさ』
「握ったらアウトってな、弾飛ばす意味ないからなんでもいいけど」
『でも道端に落ちてたら拾って構えたくなる』
「それは同意するけど、武器じゃなくて毒殺だし」
『それでマシンガンがどうしたのさ、風邪でもひいた?』
「興味なさそうな時の現況確認やめろって、マシンガンの風邪の症状なんだっての」
『穴からなんか出るから風邪みたいなもんだろ』
「弾丸飛ばすの!くしゃみ鼻水じゃないから」
『でも詰まるんだろ?』
「弾がな、鼻づまりでなく」
『暖かくして寝ろって言っといて』
「興味がないのはすこぶる伝わった、せっかく蘊蓄を披露してマウントとろうと思ったのに」
『ネットで聞きかじった事は蘊蓄って言わねえの、得意気にしやがって』
「なんでネットで偶々見つけたって知ってるんだ」
『お前がスマホから顔をあげて話始めたからだよ、見たままを伝えようとするな』
「でもよ俺たち今マシンガンなやりとりしてるぜ」
『マシンガントークな』
二人の時間は過ぎていく。