夜明け
夜が明けそうだ。
暗闇の道路を照らす信号機も、そこはかとなく新しい一日を心待ちにしているように感じる。
コンビニに納品に向かうトラック。出発を待つ始発列車。また暗い中、煌々と光る駅舎。
みなが新しく始まる「今日」という一日の準備をしている。
徐々に駅にも人が集まってきた。
制服、スーツ、私服。学生カバン、スーツケース、リュックサック。
皆思い思いの自分の装いで、自分の舞台へと向かう。
空が濃紺から蒼へ、そして白へと変わっていく。
新しい「今日」がきっと新しい何かを僕へと顔を見せる。
それを掴みに、僕も行こう。