第十八話「透明の赤」
天眼カメラには、尚尚たち療治班が苑紅を治療する映像が流れている。
ダメージがかなり大きいので長引いてはいるが、設立試験の時とは違い、厄介な呪詛に侵されているわけではない。まもなく療治も終わるだろう。
苑紅負傷後、反撃の要となった、草凪の連続詠歌は見事だった。
これは草凪をフリーで放置せざるを得なかった絡繰装具部の戦術の穴とも言えるが。
立て続けに四首の詠歌を行い、全てのウタがベストパフォーマンスで発動していた。天月が目を付けるだけある。
「一呼吸も入れずに四首連続で詠歌を行い、それぞれの歌心の切り替えも完璧。詠力の乱れもない。蒼空君はやっぱり素晴らしいよね〜」
普段、全く感情的にならない天月が、やや興奮気味に話す。
たしかに草凪は逸材だ。あの短時間で四首を詠んだにも関わらず、詠力は安定したままだった。
「一首目は歌儡軍団の錬成、しかもあの数をだよ。これだけでもすごいことなのに、間髪を入れず、二首目で自律制御された自らの分身を錬成。しびれるよね〜〜〜」
「そして、三首目で小野の腕を戎具ごと巨大化、四首目でその戎具にトゲを生やしたわけか」
「トゲのウタは、あのニコちゃんマークの装飾も一緒にだよ〜〜。数瞬のワンミスが命取りの局面で、ウタでバフした戎具にニコちゃんマークを施したんだよ〜。余裕だよね〜〜。蒼空君はすごいな〜〜」
「しかし、単体のウタのみであの数の歌儡や、自律行動が可能な分身の歌儡は作れない」
「清治、ほら、中庭のあの辺りを見てみて」
天月が指差した天眼カメラの映像には、絡繰装具部のロボットが、草凪の歌儡たちに攻撃された場所が映っている。
よく見ると、その地面には大量の葉っぱや小枝、どんぐりが落ちていた。
「それにほら。あそこ」
翼廊の手すりの近くに、木の端材と毛糸で出来た小さな人形が落ちていた。
「……触媒か」
「そうだね〜」
触媒を用いることでウタの効果を底上げしたというわけか。
しかし、これだけ大量の触媒をどこで手に入れたんだ。
それにあれだけ複雑で強い効果を出すには、少なくとも、触媒を詠力である程度の時間、慣らしておく必要があるだろう。
「最近、蒼空君、とても楽しそうだったからね〜」
天月のその言葉で、寮の談話室での記憶が蘇る。
「うぉ! すげーでかいコオロギ発見! 清治さん! これもらっていいっすか!?」
「……構わんが……」
「あざす! うぉー! テンション上がってきたー! ちょっと外で芋虫も捕まえてくるっす!」
「……」
捕まえたコオロギを腰の小さなバッグに入れ、玄関から外に出ていく姿に眉をひそませたことが思い出される。
「……あのカバンか」
「カバンを歌戎具にするなんて、蒼空君らしいね〜。使い道が限られた武器を持つより、よほど厄介だね〜」
一つのウエストバッグが、封印解除すると五つほどに連結される歌戎具か。
「使いこなせる者は少ないだろうな」
小野の歌戎具は、両手に付いた重厚な金属で出来た無骨な近接用武器だったが、草凪の三首目ではその戎具を触媒にしていた。
「触媒を使った短歌の適正が高いな」
「元々の才能かもしれないね〜〜。きっと近くで蒼空君と歌合をしてる人なら、よく知ってるはずだよ? だよね〜? 夜鹿〜?」
*****
私たちの待機場所のすぐ後ろにある観客席から、天月さんが声をかけてきた。
何でこの人は、こうやってすぐに人を試すような物言いをするんだろう。
きっと幼少期、あまり親に褒められなかったんだろうな。
可哀想な過去のせいで承認欲求が過剰になって、答えづらい質問を唐突にぶつけては相手の反応を見て悦に入るようになってしまったに違いない。
第一短歌部の頃から、変な人だとは思っていたけど、やっぱりとても変な人だ。
「はい」
「蒼空君の歌戎具のカバンについてどう思う〜?」
「何を出して何を詠うか予想しづらいから面倒くさいです」
その時、観客席から歓声が上がった。
苑紅さんが草凪君と小野さんの肩を借りて、立ち上がったようだ。
良かった。今回は哦獣化のようなおかしな事態にならなかったことに安堵する。
「夜鹿! 苑紅だいじょうぶだし?」
「もう大丈夫」
「夜鹿! あれはなんだし!?」
ユポポが指差した天眼カメラを見る。
中庭で、何やら怪しげな茶色装束の集団が、絡繰装具部の人たちが薙ぎ払った植物の様子を見ている。
『花のなか君のつま弾く竪琴が忘れられない詠草の庭』
茶色装束の一人が、ウタで植物を回復させた。
「中庭で派手に戦ったから、御庭番が大変そうだね〜」
「おにわばんってなんだし!?」
「ユポポは知らないよね〜? 学院内の庭園のお世話の大半を任されている、造園研究部の通称だよ〜」
御庭番。私も知らなかった。高等部にはそんな部活もあるのか。
私は第一短歌部に入ると最初から決めていたから、他にどんな部活があるのかよく知らない。
建物自体は結界処理されているから攻撃を受け付けないけど、植物は結界が効いてないのか。
「お花がみるみる咲いてるし!」
絡繰装具部の攻撃で散ってしまった花々が、ウタの力で生物のようにくねくねと動き出し、再び見事な花を咲かせた。
ウタは本当にすごい。
散ってしまった花が元通りに咲く様子を見て、心に温かいものが満ちていく。あのまま第一短歌部に在籍していても、こんな気持ちになれただろうか。
「ただいまーっす」
「おかえりだしー!」
三人が帰ってきた。草凪君と小野さんは元気そうだけど、苑紅さんは療治酔いがひどいのか、おでこに手を当てて苦しそうな表情を浮かべている。
「苑紅、平気か?」
福丸さんも心配そうだ。
「だめ。頭ん中、ぐわんぐわんする」
あれだけの大ダメージを無理やり回復させてるんだから、療治酔いもひどいだろう。
療治酔いの症状は人によってかなり変わるけど、苑紅さんの場合は頭痛が特徴らしい。
苑紅さんが頭に手を添えたまま、ベンチにどかっと座る。そっとしておこう。
「天月さん! 清治さん! 今の見てたっすか!」
「蒼空君、最高だったよ〜」
草凪君はユポポを肩車しながら、天月さんたちと談笑を始めた。
小野さんが少し思いつめた顔で、私の隣に座った。
「夜鹿ちゃん、ちょっといい?」
「なに」
「さっきの歌合、私は最初の錬成のウタを詠んだだけで、他のウタは何も詠めなかった。錬成のウタだって、私のオリジナルの短歌じゃないし……」
二重封印の歌戎具が完成した日の記憶が蘇る。
第三短歌部の部室のテーブルに、苑紅さんの扇子、草凪君のカバン、福丸さんのロザリオ、小野さんのリストバンド、そして私の銀の髪飾りが並べられている。
「良いかッ!? 歌戎具を解除する歌は、歌脈に埋めこんだ歌とは別で、新たに作る必要があるッ!」
テーブルの前で天羽さんがいつものように偉そうな態度で説明する。
「封印された戎具と装束は意思を持っているッ! 調子外れの短歌では封印解除できんぞッ!」
「苑紅と、福ちゃん、夜鹿ちゃんの歌戎具は、おそらくもともとの短歌で解除できるはずヨ。でも、蒼空ちゃんと琴葉ちゃんは新しい短歌詠んであげないと解除できないワ」
装束関連の製作と強化をしてくれた、絢爛装束部の愛蘭さんが言う。
「蒼空ちゃん! 琴葉ちゃん! それぞれの歌戎具を身につけて、この子たちが詠んでほしい歌を、肌で! 心で! 魂で感じるのヨ!」
愛蘭さんはミュージカルダンサーのような大きな身振りで、情熱的に言った。
「何だ。そんなのでいいんすか。琴葉、やってみろよ」
「え〜」
「簡単だって。歌戎具を持ったら、自然に歌が頭に浮かぶから、それを詠んじゃえばいいんだよ」
「そんなことでいいの?」
「そうさ。ピコッて頭に浮かんだら、スルッて詠力纏って、ババンって短歌詠めばいいよ」
「よし! じゃあ……」
琴葉がリストバンドを握りしめて、大きく息を吸った。
「たくさんの短歌をよんでまっすぐにすくすく育つ琴葉ちゃんだよ」
部室内を静寂が包む。
歌戎具は当然、うんともすんとも言わない。
自信を持って詠歌したのに何も起こらなかったのが恥ずかしいのか、小野さんはうつむいて肩を震わせている。
「琴葉……。おま、マジか……」
「良い歌じゃないっすか。ほら、あとは琴葉、ズバッて詠力を纏って、スルルンって詠えばいいんだよ」
小野さんは勢いよく草凪君に顔を向けた。
「蒼空くん! さっき詠力はスルッって纏うって言ったじゃん!」
「そうだっけ? 詠力を纏うのは、ふわわーんってやるといいよ」
「もういい!」
草凪君は、なぜ怒られたのかちっともわからない困った表情になってしまった。
やっぱりこの人、本当はバカなんだ。
そして十分後、まだ小野さんが苦戦するなか、草凪君はあっという間に封印解除の歌を完成させて、天羽さんから歌戎具の説明を受けていた。
「錬成後、中に入っているものは四種類の属性ごと、それぞれのカバンに仕分けされるわけだッ! 貴様が作った歌脈通りだぞッ!」
「あざす!! これ、中にどんだけ入るんすか?」
「大体、四畳半の部屋にいっぱいくらいの容量だなッ!」
「カバンとしちゃ申し分ないっすねー! んじゃ、こっちの五つ目のカバンは?」
「これは鍵がかかっとるから開かんッ!」
「えー」
草凪君と天羽さんがやりとりしている傍らで、小野さんを挟むように、苑紅さんと福丸さんがソファに座っている。
「「すくすく育つ」ってのは直接的すぎるな」
「ここは「一輪は静けさにひらいた」と末句で締めるのが美しいだろう」
「いいじゃんそれ福丸。採用だな」
苑紅さんと福丸さんが、さっきの小野さんの短歌に添削を入れている。本人は不甲斐ないとでも言うように、申し訳なさそうな顔で肩身を小さくしていた。
でも今、目の前にいる小野さんの顔は、あの時とは違って決意を感じる。
「短歌はまだ全然だめだけど、さっきの空手部と哦獣術部の戦いを見て考えたこと、絡繰装具部の皆さんと戦って感じたことを、ちゃんと形にしたら、すごいウタが使えそうな予感がするんだ!」
****
「何だ。そんなことなら、俺に任せとけよ。ズバーン! ってウタを、バババーン! って使いたいんだろ?」
ああ。本当に申し訳ない……。
琴葉があからさまに怪訝そうな顔を浮かべて蒼空を睨む後ろで、普段あれだけ無表情な夜鹿がすごくわかりやすく眉をひそめている。
「まず、詠力をグワンッと纏ってからさ……」
蒼空……。部室での封印解除騒動であれだけ琴葉にキレられたのに、何でそこまで鈍感になれるの……。
「蒼空くんは黙ってて」
「何で? すげーウタ作るんでしょ? 俺が教えてやるじゃん。ズガーン! ってすごいの」
「黙ってて!」
「う……」
さすがの蒼空も、琴葉の一喝に閉口する。そして、琴葉と夜鹿は真剣な顔で作戦会議を始めてしまった。
「何だよー。ちぇっ」
「蒼空ー! あれなんだしー!?」
ユポポが指差したライブカメラを見る。ゴタゴタしてるうちに、もう次の試合が始まっていた。
中世の農夫の姿をした男が、中庭の大きな木に向かって、力いっぱい斧を打ちつけている映像が映っている。って、何してるんです!?
「ふざけんじゃねえ!」
「またなの!?」
関係者席から罵声を浴びせている面々は、さっき中庭で薙ぎ払われた植物を回復させていた茶色の装束の人たちだった。
あの人たちは、庭師的な何かなんだろうな。
斧で木を切ろうとしている男のすぐ後ろでは、農夫ファッションの女子二人がクワを地面に振り下ろし畑の土壌づくりをしている。
農夫の男はその様子を見て、にっこりと額の汗を拭った。
「来年、この辺りは一面の麦畑になるんじゃ……」
「ならねぇよ! ふざけんじゃねえ!」
「自分の土地でやれ!」
「地面掘り返すなバカ!」
庭師の集団が罵声を浴びせる。
つか、これ部活対抗戦だよね。畑を耕して、どうやって戦うの。
農夫集団がいる中庭の反対側から、バタバタと足音をさせてアメフトの防具を付けた三人が現れた。
選手たちは陣形を組むと農夫集団の方向に目線を定めた。
「ダーン……セッ!!」
中央の選手がそう叫び、ボールを地面に付けてぐっと腰を下げて構えた。
後ろにいる選手も同じように腰を下げる。
『血と汗が滲むフィールド 一人では越えられない壁、One for all』
何か突進系のウタ?
先頭の選手が持ったボールが詠力で輝く。
「ハッ!」
かけ声と同時に、ボールを股下から投げて後ろの選手に渡す。
ボールを受け取った選手の体が詠力で輝き、農夫の男めがけて猛然と走り出した。
「村長! 危ない!」
農夫の娘の叫び声も虚しく、村長と呼ばれた農夫の男はアメフト選手に弾き飛ばされてしまった。
「あぁ!」
二人の娘たちは村長の元へ駆け寄り、優しく体を起こした。
「……わしはもう……駄目じゃ……。村を……頼む……」
娘たちの腕の中で村長の首がガクッと落ちる。
そして村長の額に「封」の青文字が浮かび上がった。
「うっ……うっ……村長……。来年、一緒に黄金の麦畑を見ようって約束したじゃないですか……」
何だか中世ヨーロッパの略奪の歴史を見ているようだ。
アメフト部の三人も、農夫たちのあまりの無抵抗ぶりに動揺しているように見える。
「これがあなたたちのやり方ですか!? 私たちは無抵抗だったのに!」
突然の抗議にアメフト部は顔を見合わせて困っている。
これ、たしか部活対抗戦の試合だよね……。
「許せない……。これが王朝の政治なら、私たちは立ち上がらなくてはならない!」
娘の一人が立ち上がり、フランスの国旗を力強く掲げた。どこに持ってたんだ。
その時、中庭に強烈な詠力が渦巻きはじめた。
「迎撃の歌心だ」
ライブカメラに釘付けになっていた蒼空の背後から、いまだ療治酔いで顔を歪めている苑紅が言った。
「カウンターっすか?」
「歌心が強いほど詠力も強くなる。でも、平常心の時に、強烈な感情から来る強い歌心を持つのは簡単じゃない」
「えっ、じゃあ怒りの感情を高めるために村長を犠牲にしたってわけっすか!?」
「そ」
そのためにあの茶番劇をやってたのか! 色んな戦い方があるとは思ってたけど、この農夫たちもすごいな。
そして、渦を巻く詠力の中心で、農夫の娘二人が詠歌する。
『夢、きみがいたからこれは夢だった。枯れ葉を燃やす透明な赤』
詠力の渦が娘たちに収束していき、強い光が一瞬放たれると、不動明王のように背後に炎を纏った二人の娘が現れた。
娘の一人が、倒れている村長をおもむろに踏みつけて国旗を掲げる。
「私たちは同志の屍を乗り越えて、自由を掴む!」
言いたいことはわかるけど、わざわざ村長を狙い撃ちで踏まなくても……。
ようやく事態が飲みこめたのか、アメフト部の一人が娘にタックルを仕掛けた。
その背後から二人のアメフト部員が両サイドに別れ、もう一人の娘にぶつかっていく。
ガガンンッ! と連続した炸裂音が鳴る。
そこには、アメフト部員のヘルメットを片手で掴み、力で抑え込んでいる農夫の娘がいた。
残りのアメフト部員二人も、もう一人の娘に抑えつけられ、片膝を付いている。
「すげ……」
「あんな強烈な歌心を出すには、本当に自分が村娘で、村長が目の前で死んだということを信じこまなきゃ無理だ。あれは演技力じゃなくて、もう自己催眠だな」
じゃあ、あいつらは本気で中庭を耕して麦畑を作る気だったのか……。
二人の村娘は、アメフト部員を抑えつけたまま詠歌する。
『かろうじて形がのこった神さまに「あんたになんてもう頼まない」』
村娘の背後の炎の勢いがさらに増した。
二人はアメフト部員たちを、力任せに地面に向かって押し付けはじめた。
ベキッボキボキッ……と嫌な音が響く……。
何とか抜け出そうとしていたアメフト部員たちだが、抵抗も空しく、体のあちこちをあらぬ方向へ曲げ、小さな呻き声を上げることしかできなくなった。
「勝負ありっ! 勝者、農耕生活部!」
一本の国旗を村娘二人が高々と掲げた。
「やっべぇすね……」
「限定的だけど、ハマるとかなりヤバい戦術だな」
こちらから手を出したら、残りの二人が無敵状態になる戦術か。かなり厄介だな!
「苑紅さん」
真剣な顔の琴葉が苑紅に声をかける。
「どした?」
「……私、いてもたってもいられなくて……。ここから少し離れた場所で、夜鹿ちゃんに特訓をお願いしたいんです!」
「はぁ〜? 他の歌合を見るのも大事なんだぞ?」
「ごめんなさい! でも、どうしても! 今、この気持ちを形にしておかないとだめな気がするんです!」
「うーーむ……」
琴葉は、これまでにない真剣な顔を浮かべている。
苑紅が隣の夜鹿に目線をやると、夜鹿は小さく頷いた。
「なーんだ、すっげぇウタのやつでしょ。それならさ、まず詠力をドカーンて」
『黙れ』
蒼空に静かにするよう「力」に命ずる。
蒼空は突然口が開かなくなってびっくり顔になってるけど、保護者としてこれ以上の軽口を見逃すわけにはいかない。
「わかった。次のうちらの試合前には絶対帰ってこいよ!」
「はい!」
琴葉と夜鹿が陣営から離れ走っていく。
何かに必死に向き合うって素敵。はぁ、青春だなあ。
「苑紅、琴葉たちを行かせてよかったのか?」
「ま、本人のモチベは大切だしね。それに、第一短歌部が上がってくる前提なら、あたしが他の部活をきちんと把握しておけばOKさ」
そう言って苑紅がトーナメント表を福丸に見せた。私もそれを覗き見る。
「……そうか。わかった」
「一回戦はあと二試合か。あたしらも次戦に向けて作戦練らなきゃな」
福丸は心配性だけど、何だかんだいって苑紅を信頼している。
はぁ〜。こういう幼馴染っていいな〜。
ん? 私と蒼空も幼馴染みたいなもんかな?
ずっと蒼空のそばで一緒に過ごしてきたわけだし、蒼空の趣味嗜好や、考えてることだって、私には思うがままにわかっちゃうし!
以心伝心の幼馴染といっても過言じゃないよね!
「んーー!! むーーーー!!!」
「ん? 蒼空、何やってんの?」
……あ、忘れてた……。




