第二十二話「縫殿の織姫」
「苑紅さん、歩くの速いですー!」
「バカッ、試験までもう一時間もないんだぞ。急がないとマジでヤバいって……!」
あわあわしている琴葉をよそに、苑紅は怒りとも焦りともつかない表情で工藝棟の廊下を進む。蒼空は口を一文字に結んだまま苑紅のあとを追い、福丸はあごに手を添え、神妙な顔でついてきている。
一行が廊下を曲がると、騒がしい声が聞こえてきた。
「貴様ら! グズグズせずにさっさと運べ!」
「ん……? なんだ?」
穏やかでないかけ声に苑紅たちが歩み寄ると、数名の生徒が、絢爛装束部の部室へと大量の段ボール箱を運んでいる。生徒たちが着ている白い装束は、第二短歌部のものだ。
「ほら! 早くしろ!」
一人だけ藍色の装束を着た女子生徒は、部室の入り口近くに立ち、他の生徒たちに指示出しをしている。命じるような口振りから、部員間の格差が窺えた。
「む……、茨刀か……」
元短歌部員である苑紅は、その女子生徒に見覚えがあった。
茨刀と呼ばれた女子生徒も苑紅に気付き、その瞬間、はっきりと口元に笑みを浮かべた。
「なんだ、苑紅じゃないか」
「茨刀! これは何の騒ぎだ?」
「苑紅には関係ないだろう? 我らが顧問である甲賀先生から絢爛装束部への課題だよ」
「課題……?!」
苑紅は気色ばみ、部室へ足を踏みいれる。
部室内にそびえたつ段ボール箱を、紫乃が困り顔で見上げていた。
愛蘭の巨大な背中が奥に見える。作業机に向かい、凄みのあるオーラを放ちながら、愛蘭は黙って座っていた。
「おい、愛ネェさん! 紫乃さん! どういうことだよ?」
「あぁ……苑紅ちゃん」
紫乃をはじめ絢爛装束部の部員たちが、運びこまれる段ボール箱を見て茫然としている。そこへ茨刀がやってきて、有無を言わさぬ強い口調で言い放った。
「第一及び第二短歌部からの依頼だ。基装束と歌装束、合わせて三百着の修繕。提出期限は本日十七時までとする。」
苑紅はそれを聞いて、掴みかからんばかりの勢いで茨刀を睨んだ。
「お前ら……どこまで卑怯なんだよ……」
「何のことだ? 我々はあくまで絢爛装束部の腕を見込み、依頼をしているまでだ。何か不都合でもあるのか?」
あごを上げ、得意顔の茨刀は、そのまま絢爛装束部員に向けて高らかに宣告する。
「よいか、提出時間を一分でも過ぎれば、部活動に怠慢があるものと見なし減点だ。その代わり、満足いく結果を残してくれさえすれば、甲賀先生は部への加点を約束されている!」
紫乃は頬に手を当て、小さく溜め息をついた。愛蘭は作業机に向かったままだ。
「先達が恵みの好機差し伸べど 群れるとんまは解すに足りず」
室内にいる全ての者が沈黙しているのをいいことに、茨刀は原歌を詠んだ。
苑紅が食ってかかりそうになったのを、福丸がそっと手で制する。勢いあまって舌打ちし、それを聞いた茨刀がぎろりと苑紅を見た。
「苑紅、間もなく認定試験だろう? こんなところで油を売っていてよいのか? それとも諦めたらどうだ? 貴様のように素行の悪い落ちこぼれが楯突いたところで、居場所を失うだけだぞ」
「茨刀お前っっ!」
「何だ、やるのか?」
「やめろ苑紅」
再び福丸に制された苑紅は、茨刀を射るように睨んだ。
茨刀はたっぷりと余裕のある表情で苑紅を見返す。
周りにいる絢爛装束部員や蒼空たちが見守る中、室内は一触即発の状態だった。
パァァアンッ!!
大きな破裂音が部室の壁に反響し、一同の鼓膜を震わせた。
数秒ののち、皆が恐る恐る、音の鳴った方を見る。
その音はどうやら、愛蘭が掌を合わせた音のようだった。
「整ったァ!!!!」
ぐるり、と椅子をこちらに向け、愛蘭はようやく部室内に漂う異質な空気に気付く。
「あら……、苑紅たちじゃない。それと……、ごめんなさい、アンタ誰?」
「き……貴様! 話を聞いてなかったのか!? 私は第一短歌部所属、宮 茨刀だ!」
「あらぁ、ごめんなさいネ! アタシ、集中すると周りの音が聞こえないのヨっ」
口に手を当て、淑やかに笑う愛蘭に対し、茨刀はすっかり調子を狂わせた。
緊迫した空気は途切れたものの、時計は刻一刻と一七時に向けて針を刻んでいる。苑紅は部室の壁にかけられた時計を見て、愛蘭に懇願した。
「愛ネェさん! 例の認定試験があと五十分くらいで始まっちゃうんだ。それに、茨刀が持ってきた三百着の装束の修繕も同じ時間までに完成させなきゃいけないことになった。甲賀からの課題だ」
「あらン! せわしないこと。高校生の青春なんてあっという間だわネ!」
「んな悠長な……」
ホホホと笑う愛蘭は時計を見ることもせず、紫乃に向き直る。
「紫乃、状況は大体把握したわ。みんなに声をかけてちょうだい」
「あれを、やるんですわね」
愛蘭がコクリと頷くと、紫乃は一瞬、覚悟を決めたような顔をしてから、いつものように優雅に声をかけた。
「みなさーん、円陣を組みましょうー! お仕事ですわぁー」
揃いも揃って華奢な体つきの女子生徒たちが、「はぁーい」とやわらかな声で応じ、蝶が舞うように集まってくる。手を繋いで円陣ができると、すっと俯き、目を閉じる。愛蘭の深い呼吸に合わせ、部員全員が息を吸ったり吐いたりし、呼吸が完全に一致したとき、円陣が強い詠力を纏いだした。
「詠力……?!」
茨刀が驚きの声をあげた次の瞬間、愛蘭たちは示しあわせたように、全員で一つのウタを詠歌した。
『縫殿の織り姫様に祈る手々 結ぶ千人針を捧げる』
円陣を覆った詠力は渦を巻き、複雑な模様の詠力陣が出現する。
「合わせ歌か!」
部室全体を覆いつづける詠力の強さに、茨刀は身構えた。
詠力陣はまばゆいほどの光の粒子となり、絢爛装束部の部員たちの体へと染みこんでいく。部員同士、握った手の甲に、光る詠力紋が浮かびあがり、粒子が体を満たした者から両目が真っ赤に染まった。
「はーい、お仕事開始でぇーす」
紫乃の号令と同時に、部員たちは信じられないほどの俊敏な動きを見せた。
少し力を加えればぽきりと折れてしまいそうな腕が、軽々と段ボール箱を持ちあげ、それぞれの持ち場へと戻る。装束を取り出したかと思うとすぐに修繕箇所を把握し、破れやほつれを繕ったり、ボタンをつけ直したりと手を動かした。
ミシンは部員たちの高速な手さばきにゥゥゥウゥと苦しげな音を立てながら食らいついており、針と糸を持っている者は、千手観音のように腕が何本にも見える。ヒュォォオオゥと、風が逆巻くような音が響き、室内全体が嵐に呑まれたようだった。
「なんだこれは……」
茨刀は言葉を失い、この日初めて、少女らしい驚きに満ちた表情を見せる。
「苑紅さん、アレって……」
蒼空は作業机に座る愛蘭を指差した。
布が宙を舞い、地上に着地する頃にはもう、型紙どおりに切られ、他の布と縫いあわせられていく。他の部員達よりひと際、強い詠力を纏った愛蘭は、始終ブツブツと布に語りかけており、慈しむような手つきで作業をしている。
「そうさ、愛ネェさんは長歌を詠みながら作業してるんだ」
苑紅の返事を聞き、蒼空は改めて愛蘭の様子を眺めた。一つの迷いもない手の動きが、愛蘭の人となりを表しているようだった。
他の部員は次々に装束の修繕を終わらせ、元のダンボールにしまっていく。早送りしているような作業風景をぼんやりと見ているうちに、最後のひと箱に美しく畳まれた装束がしまわれていった。
紫乃が全体を見回し、ふぅっと息をついたのは、作業開始を告げてから、たった十分後のことだった。
「茨刀さん、終わりましたわ」
にこっと微笑みながら、紫乃は元通り、山積みになった段ボール箱を手で示す。茨刀は唖然としていたが、すぐにキッと険しい表情を浮かべ、紫乃に噛みついた。
「貴様ら! 禁止装具でも使ったんじゃないだろうな? でなければ、合わせ歌とはいえ、ここまでの詠力が出るはずがない!」
「ちょっとアンタ、ずいぶん人聞きが悪いわネ。アタシたち、お裁縫に関しては歌心が鬼レベルなんだから、これくらい当たり前よ」
愛蘭が立ちあがり、茨刀の前まで歩いてくる。茨刀は近付いてきた愛蘭のデカさとゴツさにひるんだ。
茨刀の様子を見て愛蘭は「ウン……?」と唸り、その両肩をガシッと掴む。真っ赤に染まった目で見つめられ、茨刀はつい、「ひっ」と短い悲鳴をあげた。
愛蘭が「アンタ」と呼びかけたので、茨刀はさらに身構え、全身を強張らせる。
「その服、似合ってないワ」
「は?」
反論する間もなく、茨刀の体は竜巻に飲みこまれる。第一短歌部を象徴する藍色の装束は愛蘭の超高速裁断によって切り刻まれ、恐るべき速さで形を変えていく。
苑紅達も白装束の短歌部員達も閉口し、ただ成り行きを見守っているしかなかった。次第に竜巻は緩やかな渦になり、茨刀の姿が現れる。
「え……っ?」
苑紅の声は、その場にいる全員の心の声を代弁していた。
そこに立っていたのは、まるでアイドルのような美少女だった。
胸の真ん中にはパールビーズが光るリボン。袖は肘から先が大きく広がり、レースのフリルが覗いている。激しい運動がしやすいようにと簡素にデザインされていた袴型の装束は、細帯でウエストをマークした、フリルたっぷりのミニスカートに変貌を遂げた。膝より短い丈のスカートからは、野生のガゼルのようにしなやかな筋肉のついた脚が突き出ている。
「うーん……、ちょっとまだ顔が貧相ネ……。紫乃」
「はぁーい」
愛蘭に呼ばれた紫乃は、まだ赤い目のままでメイクボックスを開き、てきぱきと顔に化粧を施していく。顔全体にパフをされたり、ラメの入った粉をまぶたに塗られたりしながら、茨刀は目をぐるぐる回していた。
最後に髪の毛をやわらかくカールさせると、紫乃は愛蘭に向けて大きく頷いた。
「さぁ、御覧なさい」
愛蘭は姿見の前まで茨刀を誘導し、優しく肩に手を乗せる。
「こ…………、これが、私…………!?」
鏡に映る自分の姿を見て、茨刀は両手を口に当て、ピンク色に塗られた頬をさらに赤く染めた。食いいるように鏡の中の自分と見つめあったのち、耐えきれなくなったように視線を逸らす。
「ダメ……。恥ずかしい……」
茨刀は全身の力が抜けたようにその場に座りこむ。
愛蘭がひざまずいてその手を取り、慈愛に満ちた顔で語りかけた。
「大丈夫、これが本当の貴方。とっても美しいわ」
茨刀はたしかめるように愛蘭の目を見つめると、薄っすら涙を浮かべ、小さな声で呟いた。
「う、うれしい」
そして、座りこんだままでもう一度、鏡に映る自分の姿を見る。何度見てもそこには、道行く人が思わず振り返るような美少女がいた。
「さぁ、立ちなさい!」
「はいっ! 愛蘭さん!!」
茨刀の目は星が光るようにきらめいている。そのまま立ちあがると、あまりの豹変ぶりに呆然としている白装束の部員たちの前まで颯爽と近付き、満面の笑みを弾けさせた。
「真っ白な私の心に染みわたる 甘酸っぱいな かるぴすそーだ」
原歌の変わりように部員たちはどう答えていいかわからないまま突っ立っていると、茨刀は段ボール箱の山を手で指し示した。
「さぁ、みんなっ! 装束を持って聡詠館に帰るよっ!」
「あ、は、はい……」
白装束の部員たちは、甲賀にどう説明したものかと暗澹たる思いになりながら運び出していく。全ての段ボール箱が運び出されるのを見送ると、茨刀はスカートをふわりと揺らしながら絢爛装束部の面々を振り向いた。
「みんな、ありがとっ! 私、生まれ変わるねっ!」
「そうヨ! アンタには美しい羽がある。さぁ、羽ばたきなさい!」
「はいっ!」
茨刀は愛蘭と力強い握手をすると、苑紅たちの方を仰ぎ見、ピースサインの手を片目に当てウインクした。そして、背中に羽でも生えたように軽い足取りで部室から去っていった。
「すげぇ……。すっかりキャラ変しちまった……」
「違うわ苑紅。あれがあの娘の本当の姿なのヨ」
感心する苑紅の隣で、愛蘭と紫乃が満足げに顔を合わせる。
「さてと」
愛蘭は作業机に戻り、完成した装束に向けて両手をかざす。
「束魂羅武!」
かざした両手が白く光り、無数の詠力陣が現れたかと思うと、溶けるように装束へと吸いこまれていく。愛蘭は先ほど作業しながら詠んでいた長歌をトリガーで発動させたのだ。装束に詠力陣が吸収されると、装束は一度だけ強い輝きを放った。
「これがアンタたちの歌装束ヨっ。二人ともこっちへおいでなさい」
「はい!」
愛蘭から装束を手渡された蒼空と琴葉は、初めての歌装束にわくわくした。琴葉から先に更衣室へ入る。蒼空は琴葉が着替えるのを待っている間中、自分の装束を凝視しては、胸が高鳴るのを抑えきれなかった。
「どうでしょうか!?」
じゃじゃーん、と言いながら出てきた琴葉の装束は、鮮やかなグリーンだった。全体に麻の葉模様の刺繍が入った袖のない半纏は、金色の帯紐で結ばれている。下はぴたっとした素材の黒いパンツで動きやすそうだ。
「おーっ!! いーじゃん琴葉! すげーカッコいいぜ!」
「これ、すっごく伸縮性があるので、どんな動きでもできそうです!」
琴葉がぴょんぴょん飛び跳ねているのを横目に、蒼空も更衣室へ入る。
いつまでも飛び跳ねて喜んでいる琴葉をみんなで褒めていると、パーンと景気のいい音がして、更衣室の扉が開かれた。
「あら、新ヒーローの登場ネ!」
蒼空は得意げな顔で更衣室から出てきて、両手を腰に当てる。
「どーっすかね!?」
蒼空は、深いブルーの装束に身を包んでいる。前面には向かいあう鶴、背面には七宝円に花唐というダイナミックな刺繍があしらわれた袖なし半纏と黒い帯が、蒼空をいつもより男らしく見せた。脚絆付きのゆったりとした黒パンツを穿いていても鍛えられていることのわかる筋肉の盛りあがりが、より一層、強そうな印象を与える。
「おおっ! 蒼空、似合ってるよ!!」
「へへっ」
苑紅の素直な賞賛が、蒼空には嬉しかった。
「詠力を纏ってごらんなさい」
言われるまま、蒼空は静かに目を閉じ、詠力を纏う。
すぐにハッとして目を開くと、愛蘭、紫乃、苑紅、福丸が笑顔で頷いた。
「すげぇ! 詠力がなめらかに浸透していって……、それに、詠力が増幅されてる……!?」
「歌装束とはそういうものヨ」
蒼空は改めて歌装束の重要性を知り、自分の姿を見た。
「二人とも、本当によく似合ってるワ。イメージ通り!」
愛蘭は満足げな笑顔を浮かべる。いつの間にか愛蘭も紫乃も、普通の目に戻っていた。
「二人とも、戎具はいらないようだし、よく鍛えてるみたいだから、あえて軽装にしておいたわ。生地に織りこんだ詠力が装甲に変換されるから、防御力もかなり高いわヨっ。特に、手甲は戎具連の鎧の部品を使ってるから、多少の斬撃でも受けきれるワ」
蒼空と琴葉は、それぞれグリーンとブルーの手甲を眺める。
「まあ、あくまでもアンタたちの戦闘スタイルに合わせた歌装束にしてあるの。だから、装束を過信するのではなく、自分のスタイルを貫いて戦いなさい」
はい! と二人は力強い返事をして、愛蘭、紫乃、絢爛装束部の面々に頭を下げた。
「ありがとうございました!!」
二人の元気な声に、部員全員が朗らかに笑いあった。
「さぁ、苑紅! まだやることが残ってるはずでしょ? もうあまり時間がないわヨっ!」
「うん、アタシと福丸も歌装束に着替えないとだし、そろそろ行かなきゃ!」
「甲賀なんてぶっ飛ばしてやんなさい!」
「ああ! 任せといて!」
「苑紅ちゃぁん……、あとはお任せしましたわよぉぉ……」
覇気のない声がしたほうを見ると、つい先ほどまで笑いあっていた紫乃とほかの部員たちが、作業机にぐったりと突っ伏していた。
「えぇっ!? 紫乃さん、大丈夫?」
「ンもう~、お紫乃たちってば、あの程度の合わせ歌で、だらしないわねぇ!」
「部長ぉ~、今日はもう部活終了にいたしましょうぅ~」
茨刀が禁止装具でも使ったのではと言ったほどの合わせ歌だ。反動が大きいのは当然のことで、華奢な部員たちにはなおのこと辛かった。
「とにかく! アンタたち、認定試験、頑張るのヨっ!」
全身が筋肉痛のような状態になっている紫乃たちを呆れたように見たあと、愛蘭は一人元気なままで、苑紅たちにエールを送った。
「ありがとう、愛ネェさん!」
苑紅たちはお礼を言うと、足早に廊下を進む。
「おい、もうあと三十分もないぞ」
「わかってるよ福丸。天羽にはさっき伝歩を送ったから、何かしら準備してくれてるだろう。とにかく隠れ家に向かうよ!」
言いながら、苑紅は伝冊を取り出し、受話口に向かって話を始めた。
「天羽! アタシ、苑紅だ。認定試験の件だけど……って、え? 何? ちょ、ちょっと待ってよおいっ」
一方的に通話を切られ、苑紅は伝冊を見つめる。
「どうした?」
「……わかんないけど、何だか慌ただしかった。また連絡するって言ってたけど、「暴走」って何のことだろう……」
「まぁ、天羽のことだ、任せておくしかないだろう」
「そうだね……」
苑紅と福丸は同時に溜め息をつき、歌装束に浮き足だったまま、後ろからついてくる後輩二人に声をかけた。
「アタシと福丸は隠れ家で着替える。その後、聡詠館に向かうよ!」
四人は一度だけ顔を見合わせ、いよいよ始まらんとしている設立試験への士気を確認しあった。