お風呂で寝ちゃいけません!
「ここ、どこ?」
確かお風呂に入っていたはず。
そう、日々のストレスで疲れきった体を湯船に浸かって癒していたはず。
ちょーっとばかしうたた寝をしていたたげのはず。
なのに何故、微睡みから目覚めると洞窟の中にいるんだ。
え、え?どういうこと?なんで目が覚めたら洞窟の中にいるの?それに、半身水に浸かってるし、、、、ってえぇぇええ!!!なんで半身魚みたいになってんのぉ!!
え?これって俗に言う人魚ってやつ?半人半漁ってやつぅ!?
いやまてまてまて、さっきまではちゃんとした人間だったはず
そう、普通の人間だった。性別は女。歳は18。学校を卒業したばっかで不慣れな環境の中で足掻きながら日々を過ごしていた。
それなのになぜ、人魚のような姿になっているのか、甚だ疑問だ。
「と、とりあえず、おぉお、おちつこぉぉ!!」
静寂の中で声に出してはみたが落ち着いてなどいられるか。
寧ろ、この空間に自分1人しかいない現実を思い知らされた。
え、これからどうしよう。もう一回寝れば夢落ちでしたっていうことはないよね?いや、うん。痛覚あるし。夢っていう説は絶たれたなぁ。
「はぁ、これからどうしよう。そもそもここが何処だかわかんないし。日本なのかすら謎だし。」
そもそも、元の場所に帰れるのか。ここにたどり着いた理由はあるのか。なぜ人魚になっているのか。考えれば考えるほど思考の海に飲み込まれていく。人魚だけに。
いや、ボケている場合ではないのだ。
「ん?人魚ということは確実に地球じゃないよね?だって、少なくとも日本では人魚って伝説の生き物だったはず。
いや、はず。じゃなくて、伝説の生き物だから!って自分でボケツッコミしてる場合じゃないって、、、、、ん?」
独り言で冷静さを取り戻し、ここが地球ではない事が分かったところで先程はパニックで視界が狭まっていたが、周りを見る余裕ができある事に気がついた。
「なにこれ。ほわほわしてる。光?でも周り明るくなってないし、違うか。あ、空中だけじゃなくて海の中にもいるわ。」
白く柔く発光している物体が空中、海中に漂っていたのだ。否、白だけではない。赤、青、黄、緑。色とりどりの球体である。
大きいものから小さいものまで浮遊している。
「ますます地球じゃないね。これ、触れるのかな? ーツンツンー あん?消えた?」
思わずはしたない言葉を発してしまった。
触った感触はしなかった。ただ、触った指先に吸い込まれていったようだった。見間違いではなければ。
ーツン…シュンッー
やはり見間違いではない。自分の体内に吸い込まれている。これは何なのか。教えてくれる人は何処にもいない。
んー、これ何なんだろ?あ!ゲームで言うところのSP的な!魔力的な!?それだったら納得いくなぁ。じゃあじゃあ、魔力的なものがあるってことは魔法的なものがあるってことだよね!ってことはステータスオープンとか言ったら本当にステータス出てきたりして。
ま、んなわけないか。
「まじかよ。」
テンプレすぎる。しかも謎にデジタル仕様である。
「種族?へー、私人魚じゃないんだ。なになに?セイレーン?」
あれじゃん!魅惑の歌声で船を難破させるって言うセイレーン!!
うっひょー!人間の時も歌だけは自慢できるくらいには上手いって自信あったから運命感じるわぁ!
………お気づきであろうが、SFファンタジーが大好物である。某魔法映画シリーズは全部観ている。異世界転生・転移の小説、アニメももちろん漁りまくった。なんなら某会社の海賊映画も全部観ている。どっぷりハマった時期にそれなりに調べていたのだ。
「ふーん。名前は人間の時と同じルカなんだ。あ、ただ名字はないね。これで名前が泡姫とかだったら面白かったのに。ふふふ」
非常にツボが浅いのである。
「んー、普通にゲームとかでよく見るステータスだね。特にレベル上げて俺TUEEEEEしたい訳じゃないし。世界征服とか興味ある訳じゃないし。あんまり私には意味ないものだなぁ、、、。
よし!とりあえずお話しできる人に会って元の世界の帰り方を探してみよう!んで、最終目標は日本に帰ること。もし、帰れないことがわかったらここの世界で平和に生きる!」
これでいい。これでいいのだ。
ここでぐじぐじ考えててもなにも始まらない。
ーぐぅぅぅー
セイレーンはなにを食べるのか、、、。
元人間の、いや、ルカの一人旅は始まったばかりである。
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「って言う夢をお風呂の中で見たんだ!どう?お兄ちゃん!面白いよね!」
「はいはい、大層なオチなことで。風呂で寝るのは危ないから眠くなったら上がること。
いいね?」
「はーい、あれ?でもなんで痛覚あったんだろ?」
かくして平凡な日常を送るのであった。
初めて小説を書いてみましたがやっぱり難しいですね(; ´ᵕ` )
もしかしたらお兄ちゃんもこの後関わってくるのかもしれないですね!
無限の可能性を秘めてますねぇ
拙い作品ですが読んでいただきありがとうございます。気が向いたらまた書こうと思います。