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戦慄のステイシア  作者: 896
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7

「君のバディに任命された私の方が、どう考えても不憫でしょうが。君が落ち込むのは間違っている気がしますが」


危険度が低いと判断された任務は、少人数行動が基本だ。今回の任務は虫害がメインなので、聖霊士のみで十分と判断され、しかもこんなむさ苦しい男2人だけで遂行する羽目になった。


「どうせ俺らは暇だろうが。美味いパン屋を紹介してやるから、儲けもんじゃないか」


「君は暇かもしれませんが、私はまとめなければならない書類が山程あるんです。それもこれも、君が私に全て押し付けるからですよ。少しは君も…」


ガチャ。


扉が控え目に開く音がした。タイミングナーイス!


「あのぅ。お茶をお持ちしたのですが、お運びしてもよろしかったでしょうか?」


そこには金髪のクリンクリンとした髪をポニーテールに纏め上げ、うるるんっとした緑眼が眩しい美少女がいた!


「おわっ!ど、どうぞ!むしろ是非!!」


「ありがとうございますぅ!」


笑顔を弾けさせて、彼女はお茶の準備がなされた台車と共にガラガラと入室してきた。


豊満なバストに、引き締まったウエスト。上を向いたヒップと真っ黒のスカートから出る脚の美しさと言ったら!

白のフリフリエプロンが、完全にエロティックさを上昇させている…。これが、歩く天使という奴なのか!

俺がに舐め回すように彼女の全身を見まくっていると、スパコーンと頭にハリセンがキメられた。


「…変態」


蔑んだ目でクリスに見られる。仕方ないじゃないか、そうなかなか見られるもんじゃあないんだぞ!聖霊達が俺の歓喜につられたのか、一気に群がる。


「お茶をお淹れしますね!」


そう言って俺のカップに紅茶を注ごうとすると…あーっと!予想通りの展開で、見事に溢したーっ!それも盛大に!!


「わゎゎゎっ!も、申し訳ございません!すぐにお拭きいたしますね…ってあれ?」


残念なことに、俺はタイミング良く椅子を引いていた為、彼女のあつ〜いエキス…じゃなくて紅茶は、服はもちろん靴にさえかかることはなかった。

残念極まりない。


「さすが聖霊士さんですね!紅茶が一滴もかからないなんて、神業ですぅ」


そう言って、俺の足元に溢れた紅茶を拭く。

あともう少し!あともう少しでその谷間が見えるぞ!

と、俺が鼻の下を伸ばしていると、再度ハリセンで叩かれた。聖霊達は大喜びだ。

だから、そのハリセンはどこから出してきたんだってーの!


クリスが俺にまた説教しようとすると、ジョスティナ男爵がこれまた大汗をかきながら入室してきた。


「大変お待たせしてしまい、申し訳ございません!って…あぁ!なぜメアリーがここに⁉︎こ、こちらは、えぇと、メ、メイド見習いのメアリーです。何か粗相しませんでしたか?少々抜けているところがありまして…」


入室した時は真っ赤だったはずの顔が、今は青ざめている。メアリーがいたことは想定外だったらしい。


「いえ、彼女の淹れてくれた紅茶は素晴らしい味ですよ。粗相なんて、滅相もない。むしろ、うちのバカが喜んで尻尾を振ってるくらいです」


爽やかな笑顔を浮かべるクリスからは、俺と聖霊にしかわからない負のオーラがビシビシと伝わってくる。


「それよりも、早速ですが、本題に移らさせて頂きます。この虫害現象はいつ頃から発生しているのですか?」


「あ、はい。ちょうど一ヶ月前からでしょうか。朝目覚めると、異様に虫が飛び交っており、慌てて小麦畑へと出向きました。葉にはビッシリと虫がついており、間も無く病気となって、小麦は枯れてしまいました」


慌てて前の椅子に腰掛けるジョスティナ男爵からは、未だに大量の汗が流れていて、話の内容も合間って可哀想な姿だ。


「…なるほど、一ヶ月前からですね。そして、殆どの小麦に病気が発生したと?」


「その通りでございます。ほぼ壊滅状態でして、今年の収穫は望めない状況となっております。ただ、備蓄の小麦に関しては、幸いなことに被害が及んでおらず、その分で今期の不足を補う予定ではございますが、それでも赤字になることは間違いないかと」


メモをサラサラと取りながら会話するクリスには見えていないだろうが、ジョスティナ男爵はその大きな身体を小さくしてしまっている。


「その備蓄の小麦がある倉庫はどこにあるんですか?」


「ちょうどここから真っ直ぐ行った先にある聖堂とパン屋の間あたりにあります」


「うぉっ!パン屋ってもしかして、カントリー?」


いきなり会話に入ってきた俺にビビるジョスティナ男爵は、思わず汗を拭くハンカチを落としてしまった。そこにすかさず反応したのは、ベリーキュートなメアリーだ!


「か、カントリー…その通りでございます。それで、こちらのメアリーは執事としては優秀でして、倉庫へご案内をさせようと思うのですが、今すぐにご覧になりますか?」


「えぇ、ではよろしくお願いします」


ジョスティナ男爵はハンカチを受け取ると、俺への質問には二つ返事で、すぐにクリスに向かって会話を続けた。俺では話し相手にならないと判断したのだろう。…悔しいが、大正解だ。


「こちらこそ、よろしくお願いしますぅ。準備できましたら、お声をお掛けしますので、少々お待ちくださぁい」


腰をくねらせながら部屋を出るメアリーは、なんだか随分とご機嫌なようで、彼女の周りに付いている聖霊共もウキウキしている。

俺も一緒に付いて行かさせて下さい!


「ぐっ!」


そんな妄想をしていると、今度は肘鉄がキメられた。

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