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白焔の覇王  作者: もずく
48/51

討伐合宿と異常事態


 

 「右から3でふ。」

 

 「ツェラリンベル!」

 

 「任せるのだッ!」

 

 ベティが前衛、マスクリンが索敵、フリードリヒが後衛、パルム嬢が治癒使い。そして私が遊撃といったフォーメーションで本日四回目の敵との遭遇を危な気なくしのいだ私たちは一度キャンプに戻り休息を取っていた。

 

 「皆お疲れ様。凄いね、私要らないんじゃないかな?」

 

 「何を言っている。わざとなにもしなかったくせに。それなのに僕たちに危険が無いか常に周りを観察していただろう。」

 

 「そうなのか?!ミコトッ!もっとベティたちのことを信じるがいい!すべての敵はベティの剣の錆となるのだッ!」

 

 「ツェラリンベル嬢が可笑しなことを言うのは常でふが、ミコトはもっと俺たちのことを信じるでふ。俺の探索は一級品でふ。」

 

 「わたくしも、もし怪我をしたなら治療いたしますね。」

 

 「ありがとう、皆。じゃあお言葉に甘えて休息のあとは力を抜いて着いていくね。」

 

 「戦わないのかッ?!」

 

 「ふん。こいつの性格からして自らの義務を放棄するわけがないだろう。大方教官から何かしら言われているんだろう。」

 

 「そうなんでふか。まぁ平民の力なぞ借りないでふけどね。存分に頼るがいいでふ。」

 

 「じゃあ次に行こうか。」

 

 ドンッッッ!!!!

 

 「な!なんだ今の音は?!」

 

 「森の奥の方から聞こえたぞッ!」

 

 「ひぃ!こわいでふ!!」

 

 「みんな落ち着いて!!慌てるのが最も愚策だ!!!」

 

 何が起こったんだ...?あれは強大な魔力?!誰かが大規模な魔法を行使したのか...?しかし規模が大きすぎないか?!いやしかし!

 

 「緊急事態だ!救援弾を撃って学生を避難させて!」

 

 救援弾とはチームに一つずつ渡された銃の様な魔道具で煙を出すことができる。それらは緊急時のみ使用が可能で教官や生徒たちは救援弾の撃たれた方向に避難する手筈となっている。

 

 「わ、わかった!」

 

 バシュッ!

 

 「わ!わ!わ!やばいでふ!!殿下ぁ!」

 

 「どうした?」

 

 「森の奥からとんでもない数の魔物の大群でふ!!」

 

 「本当か?!不味いぞ!森にはまだ生徒がなんチームも残っている!!」

 

 「私が時間を稼ぐから皆は魔物を避けながら全力で教官たちと合流してくれ。」

 

 「そんな!ミコト様!危険ですわ!」

 

 「私の前で失われようとしている命があるなら私は戦わなければならないんだ。

 

 私は、勇者だからね。」

 

 翼を広げて無数の救援弾が飛び交う空に出る。

 眼下に広がるのは木々をなぎ倒しながら進んでくる大量の魔物の波。逃げ惑う生徒とそれらを誘導しようとする教官。

 私と同じことを考えたのか最前線で戦う拓と桃。

 翼を強く羽ばたいて向かう。

 

 ーーーーーーーー

 

 行ってしまった...

 なにも考えていないようなふわふわとした掴み所のない男。ミコト=ヤマト。

 誰にでも掛け値のない優しさで接する男だが裏を返せば、誰にでも特別なことをしない男。そこが少しだけ不気味でもある。

 ボクの身分にすら執着や嫉妬を現さず平民のように扱う不思議な男...まぁ別に嫌というわけではないのだがなんだかむず痒くなるからきついしゃべり方をしていまうのはマスクリンも同じことだろう。

 そこことを同じく勇者であるタツノ嬢に相談したらなぜか鼻血をたらしながらぶつぶつ「ツンデレ...?!ツンデレなの?!?!」とかよくわからないことを言っていたがあまり為になるアドバイスはしてくれなかった。

 ミコトには平民だの何だの言ってしまっているが、父上にも耳にタコができるほど言われているからボクは平民を見下したり搾取する対象としてみないし見れるはずがない。そんなことをしたら父上の魔法で氷漬けにされる...

 あいつのことは心配だがきっと大丈夫だろう。実力はあの模擬戦で否応がなく分からされてしまったからあいつがタク以外に負けるところなんて想像がつかない。

 だから信じてあいつの言うことを聞こう。幸いなことに森の入り口から近いところにボクたちはいるから勇者の時間稼ぎの間に少しでも生徒を集めてここから逃げなければ...

 

 「皆いくぞ!あいつは大丈夫だ。信じてボクたちはボクたちのするべきことをなすぞ!!」

 

 ーーーーーーーー

 

 止まることのない魔物の嵐を切り裂くように剣と踊るタクと濁流に真っ向から逆らうように魔物の流れを食い止める桃。二人の頭には確かに限界の二文字が過っていた。

 

 「タク!そ、そろそろ限界だよ!!一度後ろに下がろうよ!生徒だけで倒せない魔物を優先して倒して!!」

 

 「わかった!!ある程度魔物を減らしたら僕たちも逃げよう!きっと大丈夫だ!」

 

 迫り来るトロールやエルダーリッチを倒しながら退路を確認する。

 

 「な、なんで鬼族だけじゃないの?!魔王は鬼系なんでしょ?!なんかおかしいよ!」

 

 「口より体を動かすしかないでしょ!!オラァァァ!!」

 

 「ダメ!こっちはもう押さえ込めないよ!最後に咆哮やるからそのあと逃げるよ!」

 

 「わ...かったァァァ!!」

 

 その時、空から声とともに焔の柱が降り注ぐ。

 

 「ごめん二人とも、待たせたね。」

お読みいただきありがとうございます。

モンハン、遂に買ってしまいました。

やったね!フレンドになってくれる方はいらっしゃらないかと、そんな淡い期待を込めて。

キャラネームはもずくです。

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