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白焔の覇王  作者: もずく
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米田 皐月

ひどいこと言っちゃったな...

 「...皆なんでそんなに落ち着いていられるの?!それは!この世界にも楽しいことはあるけどさっ!!ウチら帰れるかも知れないって命言ったじゃん!!ウチは帰りたいよっ!!ママにも...パパにも...会いたいんだもん...!」

 

 よく考えてみたら命も元の世界に帰りたくて、ウチらが元気になればって思って言ってくれたのに...それなのに勝手に一人で怒って部屋に閉じ籠っちゃって...でも、怖いよ...世界を救うには魔物を殺さなきゃ生けないってこと、ウチは誰も、傷つけたくない。殺したくない。

 だけどウチには勇者の責任があるから逃げられない。もう、どうしたらいいの?

 

 トントン、とドアがノックされる。

 

 「さ、皐月ちゃん。入って良いかな?」

 

 「...うん、いいよ。」

 

 ウチが涙を拭いて、ドアを開けるとそこには困ったような顔の桃ちゃんがいた。

 桃ちゃんをソファに座らせるとなんとも言えない沈黙が続く

 

 「「あ、あのね。」」

 

 「さ、先話していいよ。」

 

 「ありがと。さっきはいきなり怒っちゃってごめんなさい。」

 

 「わ、私もごめんね。皐月ちゃんが一番我慢してたのに喜んだりしちゃって。」

 

 「んーん、喜ぶのは当然だよ。」

 

 トントン

 

 「どうぞ。」

 

 「ごめんなさいね、あたしがもっとしっかりしていれば...」

 

 「んーん。大丈夫だよ。」

 

 「皐月ちゃんは切り替えが早すぎないかしら?」

 

 「あー、えーっと。ウチのパパって結構おっきな会社の社長なの、だからちっちゃい頃からそういう訓練と言うか練習みたいなものをしていたんだ。だから気持ちの切り替えとかポーカーフェイスとかは得意なの。」

 

 「そうだったのね。皐月ちゃんが大人びていた訳に納得がいったわ。」

 

 「ウチ、正直怖いよ。魔王と戦うなんて。なにかを殺すのも怖い。」

 

 「...怖いなら別に逃げても良いのよ?」

 

 「だめ...だよ。そんなことしたらウチは潰れちゃうと思う。」

 

 「じゃ、じゃあ偵察だけにするとか?」

 

 「いいのかな、ウチだけサボってるみたい。」

 

 「いいのよ。皐月ちゃんはまだ子供なんだから、思いっきり大人に頼ればいいの。

 それに皐月ちゃんは元々偵察に特化したステータスだったじゃない、何も問題ないわ。

 そうね、これから定期的に女子会でもしましょうか。日頃の不満や未来への不安、全部ぶちまけちゃいましょうよ!あたしたちの能力はあるけどもとは一般人。怖いのも当然じゃない。当然、あたしも怖いわ。だから皆で共有しましょうよ。一人で抱え込み過ぎてたのよ、あたしたちは。」

 

 「わ、私たちは体は強いけど心は弱いです。心の弱さは誰しも持ってるからそれを皆で補い合うってことですよね?

 でも命とか拓は心も強いですよね。すごいです。」

 

 「拓はその恐怖を戦闘することで紛らわしているんじゃないかしら。命は、なぜでしょうね...?源さんはもともと心が成熟している大人の人だったから落ち着いてるのはわかるけど...なぜ命は平気でいられるのかしら...」

 

 「か、伽凛さんと命は仲良いみたいだったからなにか知ってるかと期待していたんですけど。」

 

 「ウチも気になるな。こんなおっきな責任がのしかかっているのになんで命は平気でいられるんだろう。しかも一人でグラーダ防衛って勇者の仕事ももうこなしてるし。伽凛ねえは元の世界の命についてなにか知ってることないの?」

 

 「前に一回聞いたことがあるんだけどね、笑って誤魔化すだけで答えてくれなかったわ...まぁ言いたくないことは無理矢理聞くべきじゃないわよね。」

 

 そのあとは他愛のない話をして時間を過ごしてそれぞれの寝室に向かった。

 

 ウチは温室育ちの所謂お嬢様みたいな感じだったの。私立のエスカレーター式の学校に通ってお花とかお茶とかも勉強した。

 ママにもパパにも会いたいけど、この世界を救うのはウチらしかできないみたいだし頑張らなくっちゃね!

 元気だけが取り柄なウチだから、早くいつもの元気なウチになって皆をサポートしなくっちゃね!

 正直、今でも、怖いよ。

 でも仲間が支えてくれるなら、頑張れる気がする。

こんばんは、こんにちは、おはようございますもずくです。

クリスマスなので自分にプレゼントを買ってしまいました。セーターとシャツとコート、ガラスのインテリア...しめて諭吉さんが飛んでいきました。こういう日もあっていいですよね。スニキーが欲しい。

もずくは物欲が止まらない日々を過ごしておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか。健やかに年越しを迎えられることを祈っております。

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