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白焔の覇王  作者: もずく
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魔法の授業

「今の授業どう思った?」

 

 オルン先生の授業が終わり、次の授業までの休み時間に拓たちと会話をする。

 

 「考えさせる授業かー、僕の前の世界の教師にも教えてあげたいなぁ。」

 

 「いや、そこじゃなくて。初代勇者のことだよ。」

 

 「か、過去にも地球から来た人って勇者だったんですね。」

 

 「私も驚いたよ。歌で初代勇者の歌はあったけど名前に触れていた歌はなかった...よく考えれば、私たちは意図的に召喚されたけど彼はきっと偶然この世界に転生、もしくは転移したんだと思う。」

 

 「...つまり?」

 

 「その『偶然』の正体を突き止めれば私たちの元いた世界に帰れるかも知れない...」

 

 「そ、そんなことが!?で、でも古い文献はほとんどないって...」

 

 「そこが問題なんだけどね...もしこの世界と私たちのいた世界が相対的に近い世界ならば、可能性は十分にあると思う。とりあえずは私の仮説も含めて伽凛たちやオルン先生に聞いてみよう。」

 

 「なんだか難しい話だなぁ、僕にはあんまり理解ができない...」

 

 「まぁ簡単に言えば『元の世界に帰れるかも』ってことだね。」

 

 「なるほど!それは最高だね!でもこの世界の大切な人に会えなくなるのは悲しいな...」

 

 「拓はそれが多いかもね、今婚約者何人いるんだっけ?」

 

 「僕の婚約者は三人だね、エリー、マリア、セレーネ、皆僕の大切な人さ。」

 

 「...す、すでにハーレムを形成してるなんて...流石主人公属性...それにくらべて私は男の人と話すのにも未だに慣れが必要だし、まず男の人が周りに相手決まった人しかいないし、嗚呼なんで私の周りには王子様が現れないのどうしてなの......」

 

 「また桃がダークサイドに堕ちたかぁ。いつ戻ってくるんだろう。」

 

 「皆様、そんなことより次の授業始まりますわよ。」

 

 「ミコトッ!席に座るのだッ!!」

 

 「おっとそうだったね、桃。席に座ってー。」

 

 席に座ると丁度先生らしき人が入ってきた。

 

 「おや?流石は特級クラスですな。私が来る前に全員着席しているとは!」

 

 (危なかったなぁ...)

 

 「では授業を始めるがいいですかな?教科書を配るよ?ああ、忘れていた、私の名前はジョン=ブルという。よろしく頼みますぞ?」

 

 ご飯が不味そうな名前だななんて考えながら教科書を受け取り先生の話の続きを待つ。

 

 「私の担当教科は理論魔法学ですな。魔法について理論的に学ぶ尊い学問なのですな。机上の空論をならべるただ飯ぐらいだとかなんとか言った場合は即座に教室から叩き出しますのでよろしく頼みますぞ?」

 

 「そもそも魔法というのは神の奇跡と言われていましたが現在は違っていますぞ。魔法というのはこの世界に存在する『マナ』に体内の『魔力』を媒介にして干渉し、『マナ』を様々な物質、現象に変える物。だと言われておりますぞ。つまり『マナ』とは精神感応性物質であると言えますな。検証の結果、大気中に28%のマナが含まれていることが確認されておりますぞ。」

 

 「しかしこの理論だとこの世界の誰にでも魔法が使えなくてはならなくなってしまうのですな。それはおかしいのです、なにせ魔法が使える人の方が少なく、13%ほどの人類しか魔法が使える人がいないのです。なので私たちはこう結論付けました。『この世界の誰でも魔法は行使しているが、それがこの世界に発現していない。』君たちには理解しにくいと思いますがこの説だと色々なことに説明がつくのです。魔力によって干渉する際に発生するマナのロスにより魔法が発現しない。そうすれば個人の魔力量の多さや魔法が使えない人の説明がいく。干渉する際の魔力にロスがなければ人はいくらでも魔法が撃てるという奇妙なことになってしまいますからな。我々はこれを一般魔術理論と呼んでおり、精霊等を媒介にする特殊魔法理論とは少し形態が異なりますな。」

 

 「そしてそのロスは人に得手不得手があるように個人差があり大体は20%~30%のロスが確認されておりますな、そのせいで使える魔法と使えない魔法が生まれるのです。その結果ある程度の習熟度があれば、もしくはある程度の魔法が使えれば、スキルという形でギルドカードなどに表示される、というわけですな。ギルドカード製造機の完全な解明ができればスキルとそうでないものとの違いがわかるのですが、それは理論魔法学者の仕事ではないのでね。魔導工学の専門家に期待するしかないですな。」

 

 「ここで皆さんに注意がありますぞ。使える魔法だからといって使ってはいけない魔法があるのですぞ。『禁術』と呼ばれている魔法には才覚が認められると強制的に国の監視下に置かれるのです。まぁ禁術は魔法使いのなかでも0.6%ほどしかいないのですがね。禁術指定されている魔法は精神支配、精神干渉、呪い、死霊魔法等がありますな。これらは学ぶことすら国の許可がいる多分に危険を孕んだ魔法なのですな。特に精神支配、干渉は過去に凄惨な事件を引き起こしていたりするのでほとんど名前しか残ってないのですな、ただ、人族の筆頭宮廷魔導士であるカルラ=ランデッド殿は禁術に造詣が深く、その知識を利用して国を守っているのは有名な話ですな。このように、禁術でも一般の魔法でも使う人間の心の在り方でいいものにも悪いものにもなることを覚えておいて欲しいのですな。私としては是非より良い世界にするためにその能力を発揮してもらいたいものですな。」

 

 「では、前座はこのくらいにして授業に入りましょうかね。皆さん、教科書の二ページをひらいてくれますかな?」

いつもありがとうございます

車の運転って難しいですね、教習所に通ってから初めて何気なくスムーズに運転している人の技量の高さを実感しました。

知っているはずの道でも別の視点に立って見ると全く違うことって運転以外でも沢山ありますよね。新しい世界が見えたようで嬉しい今日この頃です。

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