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白焔の覇王  作者: もずく
29/51

教官たち

こちらをどうぞ。

入学試験が終わった翌日、学園の会議室には試験監督を務めた教官たちが揃って顔を並べていた。

 教官は皆一様に真剣な顔をしつつ、話し合いが始まるのを待つ。

 

 「では、入学試験の合格者の会議を始めます。」

 

 その言葉を発したのはやせ形の魔族の男性、命の屋敷に訪れた者だ。

 

 「副校長、今年も合格者人数は変わらないのですか?」

 

 「無論です。いくら規格外が混じっていようが学園のルールは覆せませんよ。」

 

 「ですが!...わかりました。」

 

 「では、話し合いを始めましょうか。」

 

 「筆記試験は特に問題はなく、満点は予想よりも多い七人でした。」

 

 「ほほう、それは将来有望だな。」

 

 「まぁ三人は勇者なのですからほぼ例年通りとも言えますね。」

 

 「そうですか、まぁいいでしょう。今年も40人クラスは10組、プラス特級が15人の415人体制で行います。どなたか教員のなかで推薦したい者はいますか?」

 

 小太りの男と筋肉隆々な男が同時に答える。

 

 「「ミコト=ヤマトですな。」」

 

 周りの教官たちは普段あまり仲が良くない魔法教官と戦闘教官が揃って同じ言葉を発したことに驚く。

 ざわめく教官たちを副校長がなだめる。

 

 「皆さん、静かにしてください。彼はもう論ずるまでもなく合格です全教科で満点なぞ初のことですから。当然首席ですね。」

 

 「そうであろう!あれほどの傑物はそうそういまい!」

 

 「この筋肉バカの言葉を肯定するのは癪ですがその通りでしょう。手加減して防御魔法のかけられた的を跡形もなく破壊するなど私たち教官でも難しいと言わざるとおえませんな。」

 

 「あと三人ほど教官を倒した受験生がいると聞き及んでいますが。」

 

 「ええ、二人は勇者ですから仕方ないでしょう。もう一人は龍国の公爵家の長女ですな。」

 

 「ほほう。彼女は中等部のころから傑出していましたからな。魔法の試験でも高得点をだしていますぞ。」

 

 「勇者の一人、龍人族の者はどうする?彼女は魔法を使えないのだろう。特級以外にするべきではないのかね?」

 

 「いや!そんなことはない!俺は戦って確信したのだ!あやつは例え誰でも負けはせぬと。」

 

 「なぜそう言いきれる?」

 

 「あやつは私が切りつけても腕を交差させるだけで無傷で防いだのだ。それが例え刃引きされていた剣でも尋常なことではない。」

 

 「「「なっ...!」」」

 

 戦闘教官は驚いているが魔法教官はあまり理解が追い付いていないらしく、首をかしげている者すらいる。

 

 「ど、どういうことなのですかな?」

 

 「つまりですね...」

 

 副校長は語る。

 

 「あなた方が使うファイヤーボールを無防備な状態で受けても平然と無傷でいられると言うようなものです。」

 

 その言葉に魔法教官もどよめく。

 

 「そ、そんなことがあり得るのですか?!」

 

 「事実そうなのですから、そうなのでしょう。と、言うことで彼女も特級で異存ありませんかな?」

 

 「「「異議なし。」」」

 

 「では他の生徒たちの合否について話し合いましょうか。」

 

 ーーーーーーーーー

 

 一方そのころ大和邸では...

 

 「では、これから、試験お疲れさま会を開きたいと思います。」

 

 「いぇーい!うちテストって苦手だったんだよねー!」

 

 「わ、私も少し疲れましたね。」

 

 「と言うことで買っておいた私秘蔵のワインを開けようと思います!」

 

 「おー!僕はお酒飲むのはじめてだなぁ。」

 

 「これはあまり度数の高くないやつだから飲みやすいと思うよ。」

 

 教官たちが真剣に会議をしている間に命たちは呑気に宴会を開いていた。

 ホールのなが机に料理をたくさん置き、立食形式の堅苦しくないパーティーである。

 

 私は並べられた料理の中からチーズをひとつ取り、つまみにしながらワインを楽しむ。このワインは暗殺者ギルドを壊滅させたときの報酬で買った森国産のワインでかなりのお値段がしたが、Ⅹランク冒険者の報酬はえらく高額なので問題なかろう。

 

 拓は恐る恐るワインを口にいれてみるが、あまり口に会わなかったようで果実水を飲んでいた。逆に桃は口にあったようでパカパカとグラスを開けている。

 皐月ちゃんもワインをのみたいとごねていたが流石に憚られたので果実水だ。

 

 試験のことを話ながら料理を楽しんでいると桃が酔って泣き出したり、拓が間違って度数の高いお酒をあおってしまいあわててチェイサーを飲ませたりして楽しかった。ちなみに伽凛と源さんは冒険者活動をしてあるため不在だ。

 

 「たまにはこうやってばか騒ぎするのも悪くないね。」

 

 泣きながら「私だけ魔法が使えないんですぅ...」やら「私ダメな子なんですぅ」と完全に酔いが回っている桃の介抱をしたり、あの強いお酒にやられた拓が壁に向かって延々となにか話しているのを見ながら皐月ちゃんと話す。

 

 「皐月ちゃんのほうは問題なかったかな?」

 

 「うん!問題も簡単なのばっかだったから全然平気だったよ!教官もオリジナルスキルつかったら倒せちゃったし!」

 

 「やっぱり皐月ちゃんは強いなぁ。」

 

 「地味だけどね!あはは!」

 

 このパーティーは夜まで続いて騒ぎすぎていたところを帰ってきた伽凛と源さんに怒られた。

ノベルバというサイトでなんとなく自分の小説を見てみたら感想が四件もあってビックリしました。感想を送ってくださったかたに感謝を。

返信のしかたがわからないのでいいねだけさせていただきました。たまに確認しに行きますので気が乗ったときに感想やいいねをしていただけると嬉しいです。

ちなみにミラクルニキのIDは101348425ですので気軽にフォローしてください。

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