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白焔の覇王  作者: もずく
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ゴブリン討伐後

間が空いてしまい申し訳ありません。こちらをどうぞ。

泣き出してしまった女の子たちを落ち着くまでなだめてから話を聞く。

 

 「落ち着いたかい?」

 

 「は、はい。申し訳ありませんでした。」

 

 「なにも問題ないよ。それよりも無事でよかった。」

 

 「私たちのようなものに気を使わせてしまい申し訳ございません...いかなる罰もお受けいたします。」

 

 「そんなに自分を下卑したらいけないよ。私たちは当然のことをしたまでだ...っ!それは...!」

 

 「はい、私たちは奴隷でございます。」

 

 彼女たちの首についている首輪が目にはいる。そう、この世界には奴隷制度が未だに存在する。奴隷には原則。犯罪奴隷、一般奴隷、戦争奴隷の三種類があるが、ここ二百年ほど戦争は起きていないので戦争奴隷はもういない。一般奴隷は借金を返済しきれなかった者や奴隷身分の人間から生まれた者にあたる。つまりこの子達は犯罪奴隷か一般奴隷のどちらか、それかあるいは...

 

 「私たちは違法奴隷でございます...」

 

 違法奴隷、誘拐や脅迫等により無理やり奴隷に落とされた人たちのことだ。

 

 「私たちは小さな村に住んでいました。ですがその村が盗賊に襲われて私たちは奴隷商人に売られました。そのあとに、ある貴族の長男に買われ、その男が学園に通うためグラーダに来ました。その男は入学前に腕試しにと森に行き、私たちは盾役として同伴しましたがそこでゴブリンの奇襲にあいその男は殺され、私達は捕らえられました。そのすぐ後に皆様が助けてくださったのです。」

 

 「それは...辛かったね。」

 

 「命、一旦グラーダに戻りましょう。ここに長居するのはあまり得策ではないわ。」

 

 「わかった。二人とも、グラーダに帰ろう。大丈夫。助けて見せるから。」

 

 「はい。」

 

 「じゃあ命、皆、行くわよ。『転移』」

 

 いきなりの浮遊感と視界の変化に彼女たちは戸惑っているがパニックにはなっていないようなのでグラーダの門をくぐり、冒険者ギルドへと向かう。

 ギルドに入り挨拶してくる冒険者たちをかわして手早く二階に上がり受付嬢にミーシャを呼ぶように頼むと、ほとんど間を空けずにミーシャはやってきた。

 

 「お待たせいたしました、ヤマト様。なにかご用でしょうか。」

 

 「うん、ゴブリンの集落に捕らえられていた女性を二人保護したんだけどその二人は違法奴隷らしいんだ。所有者は亡くなってしまっているらしい。彼女たちが住んでいた村も盗賊によって壊滅させられているようなんた。」

 

 「そうですか...それは少し難しい問題ですね。所有者が生きていれば奴隷商人を探しだして情報を得られるのですが今回は所有者が死亡しているとのことで奴隷の違法性が証明できません。解放は難しいかと...」

 

 「そ、そんな...じゃあこの人たちはどうなってしまうんですか?」

 

 「原則として奴隷の所有者が死亡した場合発見した人物に所有権が移ります。なのでこの人たちはヤマト様方の奴隷ですね。」

 

 「僕たちの奴隷ってことは解放もできるんですか?」

 

 「はい。可能ですが解放したあとはどうなさるんですか?この人たちの住んでいた村はもうありませんし、解放奴隷の職などほとんどありません。ヤマト様はお優しいので、私としてはこのままヤマト様方が所有者として奴隷の生活を何とかする方がいいと思うのですが。」

 

 「君たちはどうしたい?」

 

 「私は助けていただいた恩もありますしこのまま奴隷でも構いません。」

 

 「私もです!」

 

 「じゃあそれで決まりだね。たぶんメイドとして働いてもらうことになるから、頑張ってね。生活は保証するよ。」

 

 「「ありがとうございます。」」

 

 「それでは代表者の方は首輪に魔力を注いでください。」

 

 皆がこちらをみてきたので私が流すことになった。魔力を流すとパスのようなものが生まれた感覚があり無事に所有者の変更ができたようだ。

 

 「うん、これからよろしくね。」

 

 「「よろしくお願いいたします、ご主人様。」」

 

 そのあとにゴブリン討伐の報酬を貰った。討伐したモンスターはギルドカードに記録されておりカードを出すだけで報酬がもらえるのだ。

 内訳はゴブリン42体レアが10体、ノーブルが5体でゴブリン一匹銀貨一枚、レアが五枚、ノーブルが大銀貨一枚で大銀貨十四枚と銀貨が二枚だった。

 

 そこから屋敷に戻ってサラに二人のメイドとしての教育を頼む。

 屋敷に戻った私達は談話室に集まり談笑する。

 

 「そろそろ学園の入学の時期だね。」

 

 「そ、そうですね。緊張してしまいます。」

 

 「まぁそれまでに上級冒険者になっておこうね。」

 

 「そうだね。僕も頑張らないと。」

 

 「源さんとあたしは何してようかしらねぇ。」

 

 「ギルドでランクアップをしておくとしよう。」

 

 「そうね、命だけⅩランクなんてすこし羨ましいもの。」

 

 「私の場合は特殊だったけどね。」

 

 「それでもランクⅩはⅩよ。すごいわ。」

 

 「じゃあ皆がはやくランクをあげられるように私も手伝うね。」

 

 「ありがとう、命。」

 

 こうして勇者全員揃っての初討伐は終わったのだった。

ありがとうございました。引き続き白焔の覇王をよろしくお願い致します。

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