勇者集合
遅くなってしまい申し訳ありません。
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伽凛と過ごして1ヶ月が経っただろうか、城から使者がやってきて勇者が帰還したとの連絡を受けた。各国に散らばっていたのに何で一緒に到着したんだ?と疑問を抱えながら伽凛とともに城に向かうと会談室に通された、そこにはすでに拓や源さん、勇者のみんなが揃い踏みしていて笑顔で出迎えてくれた。空いている席に座り、ひかえている侍女にコーヒーをもらってからお互いの近状を話し合う。
「みんな久しぶり。国で何か問題はなかったかい?」
「俺のほうは特に何事もなく行ってきたぞ。」
「わ、私も大丈夫でした。」
「僕のほうは少しあったかなぁ。」
「何があったのかしら?」
「えーと...なんか王女様に一目惚れされちゃって、婚約してきたんだ。」
「そうか!それはめでたいね。」
「おめでとう!」
「お、おめでとうございます!」
「おめでとー!」
「うちはなんか精霊さんと契約したよー!」
「精霊って?」
「えーとね、エルフって精霊に好かれやすいらしくって、で、精霊に契約しよ!って言われたから契約したの!」
皐ちゃんがギルドカードを見せてきたのでみんなで覗きこむとそこには確かに新しく精霊魔法の文字が追加されていた。
「精霊魔法って何ができるの?」
「んーと、精霊の力を借りて魔法が撃てる!」
「それはすごいな。どんな精霊でもいいの?」
「うちが契約したのは木の属性の精霊王だから木属性はなんでも撃てるよ!」
「あたしの存在意義が薄れていってる気がする...」
「ま、まぁ。伽凛じゃなきゃ複合属性やらなんやらできないからね。気を落とさないで。」
「そ、そうね。ありがとう、命。」
「僕が言うのもなんだけど、二人ともなんかあった?なんか親密になってる気がする...」
「い、言わない方がいいですよ!乙女心は内緒にしたほうがいいです。」
「俺には女っ気がねぇなぁ...」
「源さんファイトー!」
「そういえばなんで皆一緒に城に戻ってきたの?だいぶ離れてると思うんだけど。」
「僕が竜に乗って戻ろうとしてたらみんなをたまたま見つけたから一緒にきたんだ。」
「それは凄い偶然もあったもんだなぁ。」
拓や源さんは国が遠いので龍国の使う騎乗用の竜を貸してもらっていたそうだ。
「ところで、みんな住むところはどうするの?よかったら私の屋敷でみんなで暮らさないか?」
「「「「屋敷?」」」」
私は大進行のことや褒賞のことを大雑把に伝えてみんなに確認する。
「な、ならいいかもしれませんね。」
「皆で暮らすの楽しそーだからいいよー!」
「僕もお願いしたいね。」
「俺もだ。よろしく頼む。」
「じゃあ決まりだね、案内するよ。」
城をでた私たちはそのまま屋敷に向かう。行く道行く道で勇者様だーまた歌を聞かせてください!とかなんとか言われたけどももう慣れた。伽凛ももう慣れているけど拓たちはあまりなれていないらしくおっかなびっくり返事をしている。そうこうしているうちに屋敷の門に着き、門番を労ってから屋敷に入る。なんにせよ庭が大きすぎるために門から五分ほど歩かなければならないのが珠に傷だね。屋敷の玄関に待機している執事長のアムールさんに挨拶するとドアを開けてくれたので入る。ロビーには使用人たちがずらりと並んでおり一斉に頭を下げ。
「「「おかえりなさいませ。ヤマト様。」」」
といつも通りに挨拶をしてくれる。が、なれている私たちとは違い拓たちは硬直してしまっていた。
ひとまず私たちは談話室に行き、今後の予定や使用人の紹介をしようと思う。
「じゃあまずは使用人の紹介をしようかな。アムールさんからで。」
「かしこまりました。このお屋敷の執事長を務めさせていただいております。アムール=バラムと申します。なにかご不便がありましたら何なりとお申し付けください。」
アムールさんは元々グラーダの城の執事として働いており、アレックスの命によってこの屋敷に仕えてくれている40代後半の人族の白髪混じりの紺色の髪をオールバックに撫で付けたモノクルをかけた優しげな雰囲気の人だ。
「では次は私が。お屋敷の侍女長をやらせていただいております。マフィー=サラノアと申します。ご入り用の際は何なりと。」
マフィーさんは30代前半の熊の獣人族で茶色い髪の上に丸いかわいらしい熊耳を生やしている。熊の獣人特有の並外れた膂力でこないだ片手でソファーを持ち上げながら掃除をしているのを見て絶対に怒らせないようにしようと心に誓った人でもある。
「次は俺ですかね。俺の名前はユーリと言います。お屋敷の護衛団長の地位をいただいております。人類の希望である勇者様方をお守りすることができて恐悦至極にございます。」
ユーリさんは見た目20代で実年齢は57歳の龍人族だ。元々城の騎士団に勤めていたが使用人募集の紙を見てここを選んでくれたらしい。
主な使用人たちの紹介が終わったためこれからの予定を考える。
「これからどうしようか。しばらく冒険者ギルドにでも通うかい?」
「そうしようかな。命に負けないようにきちんと勇者しないとだしね。」
「いいよー!」
「うむ。」
「アレックス...獣王に学園に通ってみないかって言われたんだけど、しばらくはグラーダに慣れた方がいいと思うんだ。」
「学園かぁ面白そうだね。」
「あたしと源さんは屋敷で待機するわ。この年で学園もちょっとあれだし、それでいいかな?源さん。」
「構わんよ。」
「よし、それじゃあしばらくグラーダで冒険者やった後に学園に行ってみよう。皆も高位ランクになっていたほうがなにかと便利だしね。」
「そっか!命はもうⅩランクなんだもんね!凄いね!」
「ありがとう、でもたまたま近くにいただけだよ。」
「す、凄いと思いますよ?」
そのあとはコーヒー片手に談笑しながら久しぶりの対面の時間を過ごした。やはりうちの屋敷の使用人は高倍率を勝ち抜いて来ただけあってコーヒーもお茶菓子もとても美味しかった。
これから暫く諸事情により投稿が遅くなってしまうかもしれません。書きためたものを投稿していきます。頑張りますので見放さないでいただけたら幸いです。