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白焔の覇王  作者: もずく
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錦 伽凛

毎度どうもありがとうございます。

こちらをどうぞ。

 私はあわてて伽凛さんと兵士たちとの間に立ち、どうにか剣を収めてもらう。

 

 「それにしてもなぜ伽凛さんがここに?皇国は遠いはずでは?」

 

 「いやーあはは。無属性魔法で転移が使えたからそれで帰ろうと思ったんだよ。それで一番思い出しやすいここを選んだらあの結果って感じかな。」

 

 「そりゃ城にいきなり人が現れたら警戒もするでしょう...まぁとりあえず騎士団の本部に飽きましょうか。」

 

 「ええ、助けてくれて、ありがとね。」

 

 伽凛さんは柔らかく微笑むと私の後を歩いてくる。私は兵士たちに詫びをいれてからヘルブさんとともに騎士団本部の団長室に戻る。ヘルブさんは召喚の際に謁見の間にいたらしいので伽凛さんのことは知っているようだ。

 ひとまず帰ろうと思い手紙の束をまとめていると伽凛さんが無属性魔法でアイテムボックスがあると教えてくれて、そのなかに手紙たちを入れさせてもらった。無属性魔法ほんとに便利だな。

 騎士団本部を出た私たちは会話をしながら歩く。

 

 「伽凛さんてどこに住むか決めてますか?」

 

 「ん?いいえ、決まってないわね。」

 

 「なら私の屋敷で一緒に暮らしませんか?正直広すぎて困ってて。」

 

 「それはありがたいけど、屋敷?いつの間に買ったの?」

 

 その答えにこれまでの経緯をはしょりながら話す、パレード中に魔物の大進行があったこと、一人でそれを壊滅させたことで褒賞金と屋敷、円環金龍勲章をもらったこと、などなど話すと大層驚かれた。

 

 「命はちゃんと勇者やってるのね。尊敬するわ。」

 

 「まぁ、早く平和になってほしいですからね。」

 

 「その通りね。平和になったら帰る方法を探しながら旅でもしようかしら。」

 

 「いいですね、私は吟遊詩人ギルドに入っているのでそのときは声をかけてくださいね?」

 

 「もちろんよ。」

 

 そんなことを話していると屋敷に到着し、使用人たちにこれから伽凛さんも一緒に住むことを伝える。それから伽凛さんの住む部屋を決め、家具の買い換えは必要かと聞いたが流石にそれは自分のお金で買いたいと言って断られた。

 その次の日から私のとなりにいつも伽凛さんのいる生活が始まった。伽凛さんも歌が好きなようで私が公園で演奏していると混ざって歌ったり、ともに冒険者ギルドに行って依頼を受けたり。依頼をこなしているうちに伽凛さんのランクが上がり見事上級冒険者の仲間入りを果たしたので、そのお祝いに高いワインを買って飲んだりと楽しく生活していた。

 

 ーーーーーーーーーーーー

 

 あたしの名前は錦伽凛。東京の女子大学の大学三年で残念ながら彼氏はいたことない。小学校からずっと女子校でおまけにお世辞にもかわいいと言えない顔立ち。趣味はヒトカラと夢小説を読むこと、これからもずっと研究室とコーヒーとタバコと夢小説が彼氏の生活を送ると思っていた。だけどそれが変わったのは突然だった。

 大学の課題を終わらせて寝て起きたら知らないところにいて勇者だなんだと呼ばれて異世界に拉致されてしまったの。

 初めに目に入ったのは王子様だった。私の妄想の中の天使のような男の子。彼はいきなりこんなことに巻き込まれたというのに冷静に周りを見て勇者としてやっていこうと言い出した。

 ああ、こういう人が主人公なんだろうなってちょっと思った。その後みた自分の容姿が美しくなっていたのは驚きでそれ以上に嬉しかったわ。

 そこからは各国に分かれてパレード、疲れたけど周りの人に必要とされるのを感じれて嬉しかったのは確かだ、そこから転移の魔法で最初のお城に戻ってきていきなり兵士に囲まれて剣を向けられた。確かに感じる殺気と警戒に足が震えて涙がでた。

 私このまま殺されちゃうのかなって思ったら兵士の問いかけにも答えられずに涙を堪えることしかできなかった。でもそこから救いだしてくれたのはやっぱり王子様だった。命は私を見つけ出して颯爽と兵士たちから連れ出してくれた。そのあと彼が困っているのを私の魔法で助けられたのはとっても嬉しかった。彼はもう勇者として防衛都市を救ったり偉業を積み重ねていて少し距離を感じた、一緒に住もうって言われたのは凄くドキドキしたけど、必死に大人の女性を意識して話したわ。

 その後の生活はとても充実していた。命は歌もうまくて誰にでも笑顔で優しくて、あたしも歌に混ぜてもらえたり、冒険者ギルドの依頼では命を救われたことも一度や二度ではなかった。私たち勇者は命の活躍により実力が認められてⅤランクからスタートだった、依頼を達成していくうちにランクがⅥに上がり命がお祝いに高いワインを買ってくれた。その頃にはもうあたしの心は命にずいぶんと惹かれてしまっていた。

 彼は町の人や使用人やみんなに好かれていて、見ていたのだけれど専属の使用人のサラさんは確実に命に恋をしていると思うし、他にも町娘や他の使用人も何人も彼に心を奪われていた。それに気づいて心がチクリと痛んだけど私も彼女たちに負けないように頑張ろうと心に決めた。

 彼と一緒に過ごしてから1ヶ月、お互いにしたの名前を呼び捨てにできるほど仲良くなった頃。ずっと二人きりでもよかったけど勇者のみんなが帰ってきたと屋敷に知らせがきた。

 私もこれから頑張らなきゃね。

ちょろちょろとブクマがふえてきてとても嬉しいもずくです。

ヒロインを一人にするかハーレム物にするか迷ってますもずく的には一途な方が好きなのですが読んでくださってるかたはどっちのが好みなんでしょうか。

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