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白焔の覇王  作者: もずく
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依頼を受けよう

不快な表現があるかもしれません。ご注意ください。

依頼を受けた私はオーガ・デュークが出没すると言うヒュールーの南に位置するペポルの森にやって来た。

 

 「さてと、ぱぱっと終わらせてアレックスたちとの晩餐を楽しみにせねば。」

 

 森のなかを歩いて探索する、それはロマンだろうだがしかし時間がかかりすぎる。

 選択肢1:愚直に歩く

 選択肢2:森をまるごと焼き払う

 選択肢3:空から集落を探す

 

 うん、選択肢の意味無かったかな。ということで飛翔し空を翔ながら森を探すこと30分、ぽっかりと森が開けたところに作りの粗い建物がいくつか見つかりその周辺をオーガが歩いている。ビンゴだ!制空権を握りしかも奇襲も可能な状況。人がとらえられている可能性を考えて炎の魔法は使えないので結晶魔法で無数の剣を作り出しのんきに歩いている15匹ほどのオーガに勢いよく放つと一撃で倒れ、その異常を発見したオーガたちがわらわらと出てくる、その中に一体だけ他のオーガは緑なのに対し赤いオーガが混じっているのであれがオーガ・デュークだろう、オーガたちは空からの奇襲にあわてふためくだけで私の存在にも気づいていないらしい、この好機を逃す手はないので水晶剣を追加で60本ほど作り投擲する。

 あわてふためいているオーガは一切の抵抗をせずに剣に体を貫かれ、絶命した。

 周囲を見渡し、安全そうだったので空から降りてデューク個体だろう者の角を一本記念に切り取っておく。

 するとどこからか獣の叫び声のような音が聞こえてきたため咄嗟に身を屈めて戦闘体制をとる。後方からドシドシと足音が聞こえたので振り替えると赤い個体より一回り大きい黒い個体のオーガがいた。

 ぬかった!赤い個体はデュークじゃなかったのか!

 黒いオーガは生えている木を無理やり抜き取っただけのようなこん棒を振り回して攻撃してくるので足を狙って炎弾を放ち重心が崩れたところを剣で首を一閃するが腕で防がれて腕を切り飛ばしただけで終わった。

 オーガはまさか自分の腕が両断されるとは思っていなかったらしく狼狽しているので今度こそ止めの一撃を加えると息絶えた。

 そして囚われた人達がいないかと集落を探す、探すといっても家と呼べるものは二つしかないのでそこをだ。一つめの家はデューク個体の住んでいるところらしく動物の骨やら痛みまくった大剣やらがおいてあり、そこに三人の酷くやつれ、革鎧を身にまとった少女がいた。

 

 「大丈夫かい?」

 

 私は優しさを全面にアピールして声をかける。

 

 「ゆ、勇者...様?」

 

 どうやらパレードを見ていたらしい。なるべく落ち着かせるように笑顔で対応する。

 

 「ああ、そうだよ。君たちを助けに来たんだ。安心していい、もうここのオーガはみんな倒したから。君たちの他にも捕まっている子はいるかな?」

 

 この優しげな顔のおかげだろうか、勇者だからだろうか、この子達はずいぶんと落ち着きを取り戻したようだ。

 

 「はい...村娘が五人ほど捕まっています。」

 

 「では助けにいってくるよ、その前に。『癒しを』」

 

 心と体を癒してから次の家に向かうと中は凄惨だった。漂ういか臭い様な匂いと体液の匂い、体にはなにも身にまとっておらずにごろんと横になった五人の女の子がいた。その子達に即座に浄化と心と体の癒しの魔法をかけ、デュークの家に一人づつ慎重に運ぶ。どうやらこの子達はオーガの苗床となっていたらしい。

 漸く意識を取り戻した一人に声をかける。

 

 「もう大丈夫だよ、オーガはみんなやっつけたからね。」

 

 「わ、私...私...あ、あ、あ...」

 

 「無理に話そうとしなくていい。もう君たちは安全なんだ。大丈夫、大丈夫だよ。」

 

 これほど優しげな顔に感謝したことはない、女の子は落ち着きを取り戻したようで何とか話始める。

 

 「私たちは薬草を取りに行っていたんです...ですが、そこでオーガに捕まって...う、うぅ。ひぐっ。」

 

 「大丈夫、話さなくていい、思い出さなくていい。一先ず町に戻ろう。ね?」

 

 「ひぐぅ...はい...」

 

 程無くして女の子全員が意識を取り戻したので心の沈静化と体力の回復の魔法をかけ落ち着かせる。比較的無事だった方の家からぼろ切れを身繕い五人に着せてから、二人ほど歩けないようなので片手でお姫様だっこのように運び、ヒュールーまで戻る。幸いにも戻る途中で魔物と遭遇はなかった。帰り際にオーガの集落をオーガごとすべて焼き払っておいた。

 

 冒険者ギルドまで歩き受付嬢にこの子達のことを相談すると預かって身元を確認してもとの村に戻してくれるらしいのでこのあとのことはギルドに任せることにした。

 私は二階に上がり依頼の達成を告げる。

 

 「オーガ・デュークを討伐してきたんだが。」

 

 「はい、かしこまりました...ってもうですか?!...はっ!んっんっ。失礼いたしました。ずいぶんとお早い達成ですね。」

 

 「私は空を飛べますから。」

 

 「なるほど、さすがは勇者様です。ギルドカードを提出してください。」

 

 懐からカードを取り出して渡す。

 

 「はい、確認いたします。オーガ・デューク1体とハイ・オーガ1体と...オーガ73体...ななじゅうさん?!カードの故障?え?お昼過ぎにやって来た冒険者が五時間足らずでこんな成果をあげるだなんて信じられない。えっと、ヤマト様、オーガは何体ほどどうやって倒しましたか?」

 

 「60から先はわかりませんが、こうやって。」

 

 私は掌を前に出してそこに水晶で作った剣を生み出す。

 

 「これを60から80本ほどオーガに突っ込ませました。」

 

 「なんてデタラメな...ええと、はい。確認いたしました。こちら報酬の金貨五枚です。」

 

 「ありがとうございます。」

 

 よし、これで晩餐には間に合ったかな?私は足早にギルドを出て王城へと戻る。

 

 

戦闘シーンは書いていて凄く楽しいです。もっと増やしたいのですがあまり出番はありません。

これからもよろしくお願いします。

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