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1 神との遭遇



「やあこんにちは。僕はナイア。君の知ってる神の内の一柱だよ。」


……。どうしてこうなった。







……私は犀倉眠莉(さいくらねむり)。うっかりねむってしまいそうな名前の女子高生。ちなみに高2。花(笑)の16歳である。


……身長は低め、体重はそこそこ、誕生日は4月4日、O型、趣味はネット小説、時々乙ゲー、BL、あとはイケメン。基本地雷なし。NTRだろうと、リバだろうと、死ネタだろうと、勿論百合だろうと受けて立つ所存である。

……まあ、好みはあるが。



そんな、ヒュプノス様の信仰に合う名を携えた私は今、黒いヒトの上位種と共に青い部屋にいる。うん、うん、よくわからない。よくわからない……




おかしい。おかしいぞこれは。

私は先程まで桜吹き荒れる進学校の、教室の中で、サインさん、コサインさん、タンジェントさんとワルツを楽しんでいたはずである。

まさか……少しぼうっとしたくらいで神に遭うとは思うまい。そう、私も思わない。




「どう?回想はすんだかな?」


……目の前に、かみ、神……God、髪ではない、紙でもない、上でも、加味でも咬みでもなく……


そう、かみさまだ。かみさま。



うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!????????????

びびびびびびっくりなんかししししてないんだからね!!???かか、かか、かかみ!????ほんとうに、かみ、かみさま、かみさま、かみさま……


落ち着こう。

深呼吸だわたしよ。おちつけば人間、マリアナ海溝だって突破し、マントルを超え、成層圏へ突き抜けられる。そう、私に必要なのは、落ち着きだ。うん。落ち着いた。



「そろそろいいかな?

改めていうけれど…僕はナイア。神だよ?」



…………。ナイア?


「にゃにゃにゃ、にゃる様!?えっ!?は?うん?うわっふ、不敬だ不敬罪だ!首ちょんぱされる!?うわぁえ、名前を御名前を、許しも得ずに発してしまった!うわぁ、うわぁ、うわぁうわぁうわぁうわぁ泣きたい……」



「うん、まあ……別に名前は呼んでもらって構わないし、普通に話して良いよ…許すから、落ち着いてね?」

「……!はい、その寛大な御心に感謝いたします……!」


スライディング土下座をかます。


何を隠そう不肖この私、ヒトの上位種が好き……いや、敬愛し、信仰しているのだ。(にわか)


ヒュプノス様を一番信仰してはいるが、この目の前の黒ずくめのAPP18overのイケメン……(お蔭様でSAN値直葬と相成った)、無貌の神、ニャルラ…ナイア様も、好きなのだ。ミーハーと言われようとなんの問題もない。真実なのだから。……べ、べつにクトゥ〇フ神話TRPGであとちょっとでナイア様(ものっそい弱体化)を倒せそうで結局、目玉より細かいミンチになったからじゃないんだからね!引け目を感じたりとかしてないんだからね!ほんとうに信仰してるんだからね!あいりありーぷれい!


「へぇ……そうなんだ……」


!?心の声が聞かれている!?スライディング土下座をした今の私の顔は見えないはず、一体どうやって……!?


「まあ、それはいいとして、顔あげて。本題に入ろうか」

「あ、はい。」


美しい黒曜の貌が目にはいる。

そうだった、神様の大切な時間を奪ってしまっているのである。はやくしなければ。……なにを?


「面倒だから単刀直入に言うね。

君、しんだよ。どうしたい?」


……………。

こっこれは!?い、異世界転生フラグ!?きっとちょっと神様がどじっちゃったか何かの思惑でここで話をされてるのね!?(不敬罪)


「うん、そういうことになるね…悲しんだりしないんだね」


しかも、ナイア様…あの人気が噴出してるかのかたが水先案内人をしてくれる!?何て光栄!幸せすぎて死にそう……死んでたわ。



「そんなに喜んでもらえるのは嬉しいんだけど、僕はどじっちゃった神のかわりにきただけなんだよね」

「……そうなんですか?本当は別の……」

「……うん、まあうん、なんとか~って世界のバラミオっていう僕の友達がちょっとしくっちゃったみたい?でね、どうする?異世界転生、する?……まあ、結局はしてもらうんだけど」

「しますします!!!超します!神様、私にチャンス……いや、イケメンに巡り会わせてくれてありがとうございます!感謝と祈りを!」

「……うん……」




なるほど、異世界転生できるらしい。どうやらナイア様によるとある程度の願いならいくつか叶えてくれるらしい!やったーー!!!!これから血湧き肉躍る世界の始まりだぜ!!!

何を願おう、光合成と呼吸だけで生きられるように?植物状態じゃ意味ないしな…観賞用のイケメン?美貌?うーーーん……


「よし、」

「お?決まった?」

「はい。2つ…願い事が。えっと……駄目元なんですけど、魔法……スキル?作る能力ってだめですか?」

「スキルかぁ。んー……まあ上限10くらいなら多分大丈夫、かな?身に余るのはさすがに作れなくするけども。もう一つは?」

「はい。…新しい名を、頂きたいんです。」


「…名前?珍しい願いだ。うん、良いよ。面白い。」


よかった。断られるかと思った……なんかね!ほら!生まれ変わるのに前世をのこしたくないじゃん!記憶は消さないけど!別に知識チートしたいわけじゃないけど!高々JKにそんな知識あ、あると言いたい!(震え声)



「……心の声がこちらに聞こえてるって分かってるはずなんだけどな、この子は…まあいい。

そうだなぁ。ティルフィア。うん、ティルフィアでいいだろう。」

「あ、ありがたき幸せ!」



泣きそうであります。やはり願って良かった。私だったら転生して西洋顔になっても良い名前は思いつかない。ありがとう神様。



「もう、そろそろいいかな?

そこの扉を通るとえっと……た…そう、タラナディア、君の送られる剣と魔法の世界に繋がってるよ」

「はい、はい…!何から何までありがとうございました!」

「うん、じゃあがんばるんだよ、ティルフィア。」

「はい!行って参ります!」



外へ一歩…踏み出す。

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