表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で、ケジメつけます!  作者: 松戸京
第三章 異世界運び屋稼業
73/76

王都への道 2

「それで……王都とやらには、どうしても行かなきゃならねぇのか?」


 ノエルに話をした後で、俺は霧原にも同様の話をした。


「そ、そうなんですよ……そこで、霧原さんにも是非お力を貸してほしいなぁ、って……」


 俺はとりあえず笑顔でそう言う。しかし、霧原は相変わらずの仏頂面だった。


「……信用できそうなのか? 鍋島の親父の部下は」


「え……あ、ああ……佐崎さんか。ま、まぁ……悪そうな人ではなかったけど……」


「……お前、鍋島の親父さんだって、悪い人には見えないだろ?」


 霧原は呆れてそう言う。確かに……鍋島も見た目には気のいいおっちゃんだ。


 しかし、俺はともすると、腕の一本を、あのイカサマ賭け事で失っていたかもしれない……そう考えると人を見た目で判断することが愚かなことであることは十分理解できる。


「けど……チャンスなんですよ! これは」


 俺は強めの口調でそう言った。霧原は怪訝そうな顔で俺を見ている。


「だって……1億ペスカですよ? 魔物狩りやってたんじゃ、いつまで経ってもそんな大金手に入らない……だったら、このチャンスに賭けてみないと」


 俺がそう言うと霧原は少し考え込むように腕を組む。そして、それから小さく頷いた。


「……わかった。俺もついていくぜ」


「あ……ありがとうございます。これで安心ですよ……」


 実際霧原がいないと、そういう何が出てくるかわからない所は不安だ……霧原がいれば我がチームの戦闘力もゼロではなくなるからである。


「……ただし、いいか。賭け事は禁止だ。絶対にやるなよ」


「え……あ、あはは……やりませんよ、もう」


「いいな。約束しろよ」


 霧原はドスの聞いた声で俺に念を押した。賭け事なんて……俺だって、やらなくていいならやりたくないのである。


 とにかく、俺がしたいのは、一人でも多くの女の子を騙す……ではなく、交渉してこの村に連れてくることである。


 連れてきた後のことは……俺の知ることではない。まぁ、佐崎さんがなんとかしてくれるのだろう。


「……もしかすると、これで元の世界に戻れるかも」


 俺はそんなことを考えながら、霧原の部屋を後にしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ