表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で、ケジメつけます!  作者: 松戸京
第三章 異世界運び屋稼業
66/76

夢の場所へ 1

「……はぁ」


 俺は思わずため息をついてしまった。


 先程の西森との邂逅を通して……俺はほとほとこの異世界が少し……というか、かなり狂っていることが理解できた。


 まぁ、狂っているというか、狂わされているというか……


 しかし、それと同時に俺の中には一つの結論が出た。


 この異世界には……今まで俺が生きてきた世界のルールは通用しない。


 おまけにこの世界では様々な面倒なルールが存在しない……それを理解した上で活動しなければ、上手く立ち回れないということだ。


 俺は今一度、先程西森から受け取った金を確認する。かなりの重さだ……


 俺もこれくらい稼ぐことができれば……借金返済も現実的になってくるというものである。


 問題は……その手立てをどのようにするか、だ。


 既に賭け事では大失敗している。つまり……それ以外の選択肢を新しく開発しなければいけないのである。


「あの……伊澤さん?」


 と、俺がそんな風に悩んでいると、里見が俺に話しかけてきた。


「え……あ、ああ……なんですか?」


「その……何か悩みでも?」


 心配そうな顔で里見は俺のことを見る。


 悩みといえばそうなのだが……コイツに話したところで何も解決はしない。


「あはは……いえ、別に……」


 俺がそう言うと、さすがに俺があまりにも適当に返事したのがわかったのか、更に心配そうな顔で里見は俺を見てくる。


「その……もしよかったら何ですけど……今日の夜、お話しませんか?」


「え? お話って……別にいいですけど……なんだか、すいませんね。あんな狭い部屋で」


 そう言うと里見は首を横に振る。


「いえ、そうじゃなくて……今日は、私のお店に来てください」


「……へ?」


 そうして、またしても、俺は変なことに巻き込まれようとしていたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ