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異世界で、ケジメつけます!  作者: 松戸京
第二章 異世界賭博放浪記
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ナベシマ・ザ・プレイヤー その4

 俺はゴクリと生唾を飲み込む。


 落ち着け……後二回しかないんだぞ……


 既に鍋島はコップの配置を終えている。


 そして、ニンマリとした顔で俺を見ている。


 確立は3分の一……大体30%……


 ……いや、無理だ。この中から一つを当てるなんて……


 それこそ、俺だったら、間違いなく当てる自信がないと3つの中から1つなんて選ばない……


「伊澤さん」


 俺がまるで崖の淵を歩くような思いをしていると、鍋島がそう話しかけてきた。


「え……な、なんです? 鍋島さん?」


「アンタ……少しアホちゃうか?」


 いきなり鍋島はそんなことを言ってきた。俺はわけもわからない思いで鍋島を見る。


「え……ど、どういう意味ですか?」


「この3つのコップをから、たった1つ、ビー玉が入ったコップを選ぶ……それって、ものすごく難しいことやで?」


 そんなことは……わかっている。


 しかし、鍋島はそれ以外に俺に伝えたいことがあるようだった。


「……つまり?」


「せやから……アンタだったら、カモにしたい相手にどういう状況でこの賭けを持ちかけるんや?」


「え……そ、それは……」


 絶対に、自分が勝てる状態……


「あ」


 俺は気付いた。鍋島が何を言いたいのか、を。


 そして、俺は鍋島を見る。鋭い視線は既に俺を獲物としてみているようだった。


「な? せやから……ワシが一体どういうことをしているのか、よく理解せんと……アホみたいに指を切るハメになるで」


 そうだ……なぜ気づかなかったのだろう。


 どう考えたって、こんな胡散臭い男が正々堂々勝負してくるはずがないのだ……


 つまり、俺は今、俺が今まで他人してきたように……


 鍋島に、イカサマされているのである。

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