表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で、ケジメつけます!  作者: 松戸京
第二章 異世界賭博放浪記
32/76

狩るか狩られるか

「悪いな。四万ペスカ。貰って行くよ」


 無論、俺は勝った……いや。狩った。


 丁度いいカモになる存在を狩ったのである。


 兵士風の男は悔しそうな顔をしている……といっても、別におかしなことはないはずである。


 コインの表裏の確立は2分の1……負けることも当たり前なのである。


「……ちょ、ちょっと待てよ」


 そのままその場を離れようとする俺に、男の声が聞こえてきた。


 まぁ……ある程度予想はできたことではあるが、やはり男は声をかけてきた。


 俺は拒むこと無く振り返る。


「ん? 何?」


「な、なぁ……もう一回いいか?」


 と、男がそう言うと、連れの男が少し怪訝そうな顔をする。


「お、おい……次の参加料はもしかすると四万ペスカか? 負けたら八万ペスカだぞ? ちょっとやりすぎじゃ……」


「ま、まぁ……そうなんだが……」


 男はさすがに迷っているようである。八万ペスカ……俺が魔物を狩ったのでは到底到達できなそうな金額である。


 これは……是非とも頂いておきたい。いや、もしかすると、この男からはそれ以上の金額を引き出せるかもしれない……!


 俺はそう直感的に感じると、男の方に近寄っていった。


「わかった。やろう」


 そういって俺は、今度は四万ペスカをおもいっきり机に叩きつける。男たちは少し面食らったようだった。


「ただし……これは俺の全財産だ」


「え……」


 男は完全に呆然としてしまった。


 無論、真実である。


 現在俺はこの賭けで勝ち取った4万ペスカしか持ち合わせていない。


 つまり、ここで負ければ完全に一文無し……それどころか、負け払いは借金しなければいけないレベルである。


「で……どうするね? 俺はこれ以上の金額は賭けられない……もし、アンタがそれ以上を望むなら……俺は知り合いに借金してでもアンタに負け分を支払うが」


 これは、俺の誠意である。


 角刈りヤクザや根暗女から借金できるかどうかはわからないが……とにかく今から俺は全財産を賭ける……


 つまり、相手の男にもそれ相応のものを賭けてもらう、という意味の行動だった。


「ほ、本当か?」


「ああ。本当だ」


 そう言うと、兵士風の男はポケットに手を突っ込んだ。


 中から出てきたのは……ペスカの札束だった。ざっと見、100万……いや、200万ペスカはありそうである。


「だったら……参加料として200万ペスカだ。今俺が持っている手持ち全部賭けるぜ」


 獲物は……エサに食いついたようだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ