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その七

早速、秀雄と美紀は依頼者である牧田美奈子のもとを訪ねた。

美奈子はかなり疲れた様子であったが、美紀たちの訪問を受け入れてくれた。


秀雄が美奈子に気遣いながら話を切り出した。


「こんなことになってしまって、本当に残念です。警察からは何か報告がありましたか?」


「特にこれと言っては…。警察の方にはいろいろと聞かれましたけど、私、あの人の友人関係のことについてはほとんど知らなくて。もしかしたら浮気をしていたこもしれない、ということはお話ししましたけど」


「その事なんですが、実は昨日、旦那さんが殺害されたホテルまで隣にいる美紀君が尾行していたんですよ」


「えっ?」


美紀が体を前に倒し話し始めた。


「私、奥様の依頼に基づいて、旦那さんを尾行したんです。すると、あのホテルに男性と二人で入って行くところを目撃したんです」


「男性ですか?」


「はい、男性です。この男性は、出張サービスの男性でして…。所謂男娼、売り専の男性でした」


美紀の言葉を引き継いで、秀雄が美奈子に話しかけた。


「つまり、旦那さんは浮気をしていて、しかも浮気相手は男性だった、というのが昨日の尾行の結果でして」


美奈子は秀雄の言葉に絶句していた。

無理もないだろう。

浮気が本当で、しかもその相手が男性だったなんて想像もしていないからだ。


「じゃあ、その男性があの人を殺したんですか?」


美紀が答えた。


「恐らくは違うと思います。ホテルから出て来たのはその男性一人きりでしたが、とても人を殺した後には見えませんでしたから」


美奈子はしばし言葉を失っていた。

そんな美奈子を気遣うように、秀雄が話しかけた。


「浮気調査としては、これで終了したいと思います。それとは別に、我々はこの事件の犯人を調べるつもりです」


「事件の犯人を調べる?」


美奈子が不思議そうに聞き返した。


「はい。警察が先に犯人を見つければそれまでですが、我々も独自に調査したいと考えているのです」


美奈子が当惑した顔で秀雄を見ている。


「もちろん調査費は頂きません。我々が勝手に行うことですから。奥様にはぜひご協力して頂きたく、お願いいたします」


「こちらこそ、犯人が分かるの出れば協力させて頂きますわ」


それから秀雄たちは、いくつかの質問を美奈子にした後、美奈子の家を後にした。

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