Unfair life
不定期更新です。
他にも2本、放置しているものがあるので話しがまとまり次第更新します。
では、ご覧ください。
私には二人の兄弟がいた
やんちゃで無茶ばかりする弟と、いつも私の後ろに隠れている引っ込み思案な妹
けんかすることもしょっちゅうだけどそんな二人を私は大好きだった
両親は共働きで平日はほとんど家にいなかった
だけど、休みの日はいつも家族でどこかに出かけたり遊んでくれたりするやさしい両親だった
そんな家族を私は大好きでいつまでもこの幸せが続くものばかりだと思っていた
だけど、変わらないものなど決してない
そう思い知ったのは私が10歳の冬のことだった
外には雪が積もっているある寒い夜
玄関から聞こえる音で目が覚めた
私の部屋は玄関の真上で窓からのぞけばそこに誰が立っているのかすぐわかった
カーテンをそっと開け、覗いてみる
そのとき見えたのは黒い長袖長ズボンをはいて手に刃物や金属バット、スタンガンを持った男たちが私の家に入る瞬間だった
怖くなって両親の所に行こうと扉のドアノブを持った瞬間、母さんの悲鳴が聞こえた
父さんが何か叫んでいる
ガラスや何かが割れる大きな音
しかし、父さんの悲鳴とともに聞こえなくなった
その場から動けなくなった私はドア越しに外の様子を聞いているしかなかった
今度は横の部屋から誰かが勢いよく出た音
「父さん、母さん!!」
弟の声だった
弟の足音は階段を降り恐らく両親のもとへと向かった
しかし、それきり弟の声は聞こえなくなった
その代わりに階段を上がってくる弟のものではない足音
私は、はっとなって急いでベットの下に隠れた
その足音は私の隣の部屋、弟と妹の部屋に入っていった
直後ばたばたと激しい音がしたがすぐに聞こえなくなった
すると今度はその足音が私の部屋へと近づいてきた
私を体を丸めて必死に息を殺してこの地獄のようなときが過ぎるのを待った
私が覚えているのはここまで
気がつくと家の中にいろいろな足音が聞こえ、様々な人の声が聞こえた
私はベットの下から出てそっとドアを開けた
外には青い服を着た人がひっきりなしに動いていた
誰かが私に気づきリビングにいる白髪交じりの髪のスーツのおじさんの所まで連れて行かれた
近くにいたお姉さんに促されてソファーに座るとそのお姉さんも隣に座る
半ば放心した私の頭にそのお姉さんの手が乗る
「もう大丈夫よ」
そのままお姉さんに抱きしめられた
その安心感に私は嗚咽を漏らしいつしか眠りに落ちた