表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生戦記  作者: 昆布
4/5

第4話 困ります

慣れていないので大目に見てやってください。

どうもこんにちは、畑中です。

どうやら今日の会議の内容はライバル会社と戦うみたい。そして御相手は世界の大手です。

だからといって負けてはならない、死んではならない。それが社会というものだ。

でも正直言って…………、

「俺関係ないよね?」

_____________________

今俺の目の前には国を追放された極悪人がいます。

しかも一対一で!

これまずいよね?

だがしかし容疑者はこう弁明している。

彼女が言うには、自分が強くなりすぎてしまったらしい。

ちょっと言い方腹立つよね。まあええか。

現在この世界にはさっき説明した通り、E、D、C、B、A、S、特級の7つに分けられている。

そして彼女はあまりの才能から特級の冒険者になることができた。

だがしかしこの世界にはルールがある。

それは特級のもとはどんな人であろうと危険人物だと扱われるのだ。

なので私は危険人物なのだそうだって…………


「…………弁明できてませんよ?」

「まてまておかしいと思わない⁉このルール?」


確かに今まで優しかったものが追放されるルールは納得がいかない。

ただそのルールを決める気持ちもわからなくはない。

強いものが暴れたら尋常な被害が出るだろう。

それを最強!と謳うのはできないことだ。


「じゃあS級で抑えとけばよかったんじゃないんですか?バレるもんなんですか?」

「いやぁ~、そこはねロマンでしょ」


はい危険人物決定!

そもそもこの暴君のような性格なら暴れだすのも時間の問題だろう。

きっと賢い人はS級でとどまっているのだろう。


「じゃあ、実力が特級でもS級の人もいそうですね」

「…………いや?それはないと思う。特級でも認められる方法があるんだ」


ならそれを先に言ってくれ。


「どういう方法なんですか?」

「それは特級を殺すことだ。これは人でも魔物でもダンジョンでもいいんだ」


なるほど、合理的だな。


「レーラさんは特級を殺したんですか?」


一応聞いてみる。


「殺してないから今ここにいる。しかも3体殺さないといけないからな」


ですよねぇー。

にしても3人も殺さないといけないのか。

特級ていうのはそんなにいるものだろうか?

最高峰のランクだから数人しかいないイメージだった。


「特級ていうのは世界で何人くらいいるんですか?」

「私も全員は知らないけれど、20人くらいだと思う」


想像以上に多いな。

そう考えると容易ではないものの、できないことはないだろう。


「で、お前には私が町に入れるように特級を殺すのを手伝ってほしい。いや命令だ、恩返しだと思って助けなさい!」


まあそうなりますよね。

異世界に来て早々、大きな事件に巻き込まれている。

もうちょっと、段階を踏んでほしいよね。

初っ端から最高峰の勝負に参加しろ!とかやめてほしい。

少なくてもA級あたりから始めてほしいよね。

だって俺一回しかまだ魔法使ってないよ。剣も一度も握ったことないし。

絶対すぐ死ぬよ?


「わかりました。でも多分役に立てないですよ?」

「安心せい!私が全て解決させてやろう!」


じゃあ意味ないよね?

俺は少し戸惑った。


「あ、今の冗談ね。あんま真面目なんないで。マジな話、魔法は努力じゃなくて気づきだからな。時間はほぼ実力に関係ないよ」


俺には真面目な話と冗談の差がわからない。だからやめてほしいです。

そして魔法は気づき?

気づきというのは発想に近いものなのか。

努力の次出てくるものは才能だろう。

それをすっ飛ばして、気づきが重要なのか?


「気づきっていうのはどうゆうことですか?」

「強い奴とたくさん戦えばいいんだよ、それに気づいた強くなれる」


結局根性論じゃん。

強い奴と戦う?そりゃあねいい練習になると思うよ。

でもまだそうゆうレベルに達してないんだよ!!!!

しかもその強い奴っていうのは今この世界で1番強い奴達なんだろう。

無理に決まってる。


「いやだから、それじゃあ無理ですって!」

「まあまあ、別に最初から特級と戦うって言ってるわけじゃないんだし。それに君もぼちぼちやれる方なんじゃない?私には遠く及ばないが」


え?

最初から戦わないのか?

この人せっかちで大胆な人だから、今からでも探しに行くぞ!って感じだと思っていた。

まあそれなら納得だ。

一つ一つ積み上げていくとしよう。

しかも俺ってぼちぼちやれる方なのか!

どうせあの老人のことだ、チート能力みたいなものはくれないだろう。

けどぼちぼちやれてるなら、感謝だ。


「すいません、勘違いしていました。でもどうして俺のスペックがわかるんですか?」


きっとこの世界にもステータスみたいなのが存在しているのだろう。


「基本自分の能力値はみえるからな」


ほら当たった。

俺はレーラさんにやり方を教えてもらった。

自分のステータスを想像するだけでいいそうだ。


〈名前〉アルト・畑中

〈種族〉異世界人

〈魔法〉氷系

〈耐性〉耐寒耐性


質素すぎんだろ!

項目4つしかないぞ!

しかも魔法の部分氷系、って種類しか言ってないじゃないか!


「なんか質素じゃないですか?」

「まあ自由形は大体こんなもんだ。けど私は魔法のプロフェッショナルだからな!スクロールしても見切れないだろう!」


どれどれ。

見させてもらおうじゃないかご自慢のプロフィールを。

俺はレーラさんのステータスを想像した。

…………あれ?見れないぞ。


「フフフ。今私のステータス見ようとしただろ。お見通しだよ。当然能力値を隠す魔法も存在する」

「へー。そうなんですね。」


ムカついたので、てきとーに相槌だけしといた。


「今日はもう眠ぃから、もう寝るぞ。明日からお前の特訓を始める」


そう言ってレーラさんは、硬ってぇ硬ってぇ地面の雪で寝始めた。


自分のステータスを想像するだけでいいそうだ。


〈名前〉アルト・畑中

〈種族〉異世界人

〈魔法〉氷系

〈耐性〉耐寒耐性


質素すぎんだろ!

項目4つしかないぞ!

しかも魔法の部分氷系、って種類しか言ってないじゃないか!


「なんか質素じゃないですか?」

「まあ自由形は大体こんなもんだ。けど私は魔法のプロフェッショナルだからな!スクロールしても見切れないだろう!」


どれどれ。

見させてもらおうじゃないかご自慢のプロフィールを。

俺はレーラさんのステータスを想像した。

…………あれ?見れないぞ。


「フフフ。今私のステータス見ようとしただろ。お見通しだよ。当然能力値を隠す魔法も存在する」

「へー。そうなんですね。」


てきとーに相槌だけしといた。


「今日はもう眠ぃから、もう寝るぞ。明日からお前の特訓を始める」


そう言ってレーラさんは、硬ってぇ硬ってぇ地面の雪で寝始めた。

よくこんな場所で寝れるな!

会社員時代でも少なくともカーペットで寝ていた。

この雪は石のように硬かった。しかも掛け布団は一切なしだ。

ここにある雪は外にある雪と違って、新しいものじゃない。フワフワとしたあの雪ではないのだ。

これは感じちゃうよね、…………この人バカだって。

俺は文句を垂らしながらも、目をつむるのだった。


_________________________________________

目が覚めると、目の前にはでっかい鬼さんがいた。

この生物はオーガに含まれるのだろうか?それともゴブリンに含まれるのだろうか?

顔が梅のようにしぼみ、集まっている。

少なくともこれは魔物だということに間違えはない。

しか…………


「おい!」


…………。

しか…………


「おい!」

「なんですか?」


目が覚めたら急に壁ドンの距離で鬼顔があったんだ。

なんですか?と聞くしかない。


「起きるのが遅いんだよ!今何時だと思ってんだ」

「…………6時くらい?」

「見栄張りすぎ。11時だぞ!昨日、明日から練習するといっただろ!」


俺は、目をこすり上半身を起こした。

なんでこの人は朝からこんなにうるさいんだ!

昨日俺の状況を話しただろ、全然寝てないんだよ!


「すいません。昨日から疲れていたので」

「睡眠など自分への甘えだ!コントロールするんだよ!」


グサッ!

俺のショートスリーパー妄想が蘇る。


「ごめんなさい。今からでも始めましょう」


正直腹がめちゃくちゃ空いてるし、もう少し寝たい気持ちもある。

でもこの鬼監督にとってはそれは甘えなのだろう。

当然腹空きました!とか、疲れました!は通用しないだろう。


「わかったならさっさと起きろ!あと朝は口の中にばい菌がたくさんいるらしいから、雪で食ってろ!」


ごり押しと清潔がいりみだっている。

レーラさん。実は雪にも細菌とかウイルスとか入ってるらしいですよ。

知らないんですか?

それやってること、毒見と同じだよ毒見と!


「雪にもさ…………」

「食ってきなさい!」

「…………はい」


怖い。

この人は怖い人だ。

たとえ俺の寝坊でイラついていたとしても、これは怖い。

俺がしょうがなく、かまくらの外の雪を食っているのを笑顔で見ている。

最近俺はおかしい人にしか会わない。

この人も、あのおじちゃんも、あのゴリラも(?)。

俺は何かに取り憑かれているのではないのか?


「…………はぁい、もごもご。んっあ~、食いました!」

「よしわかった!じゃあ実践テストだ!私にかかってこい」


ですよね~。

もうツッコム気すら失せる。


「わかりました。…………氷雷!」


ドッカン!

俺はレーラさんに手を向け、全力で撃った。

知ってる魔法はこれしかないからな。


「ハッハッハ!効かない!効かないよ!」


レーラさんは俺の氷雷を電力にするかのように、体にまとわせた。

黄色髪と周りにパチパチ!となる電気はとても似合っていた。

そんなんありかよ!

空見てみ?

雲がなくなるほどの一撃を打ったんだよ?

レーラさんと俺の実力の差は、わかっていたがこれほどまでとは思わなかった。

おれの力を動力にする?そんなんずるだろ!


「…………」

「ん?攻めないのか?なら私からいこう。…………氷雷」


バキッン!ドッカン!

痛っってぇ!

俺はレーラさんの氷雷もろに受けた。

死にますよ?

俺が初めて撃った氷雷でさえ、体を半分にかち割る威力なんだよ?

レーラさんが撃ったら大変なことだ。

まあ手加減はしてくれたんだろう、服が半分焼けるだけで済んだからな。

けど、次当たったら死ぬかもしれない。

レーラさんの攻撃はまともに撃たれれば余裕で死ねる。

だからレーラさんが魔法を撃つなら全力で避けなければならない。

じゃあ今の攻撃も避ければって?

俺だって避けようとしたよ!

だけど氷雷のほうが一枚上手だ。

この氷雷という魔法の強いところは、ほぼ不可避なところだ。

漢字で言うと雷の部分はわかるだろう、でも氷の部分は?

それは足どめをするものだ。

氷は足を固定させる程度ではないものの、ある程度動きにくくなるのだ。

これを避けるには超スピードで逃げるか、レーラさんみたいなバカタレになるかだ。


「レーラ俺ほんとに死にますよ⁉」

「それでいいそんな時こそ成長できるからな」


やっぱりこの人は根性論の塊ようだ。

俺はこの人についていけない。

どうやったら死ぬときに成長できるんだ。

ん?俺もそうだった?

それは…………根性論じゃないからセーフだ。

いや、そんな話は今はどうでもいい。まあ必要な日など来ないだろうが。

今は現状をどう打破するかだ。

やっぱり氷雷じゃ効かない。何か別の魔法を考える必要がある。

なにかレーラさんに効く魔法はないだろうか?

・ ・ ・

わからん。

思いつく魔法ならいくらでもある。

レーラさんが言うには、だいたい思いつく魔法は稽古型だそうだ。

しかもその稽古型技でも上位の魔法は特級にも攻撃が届くという。

そして稽古技は、魔力とイメージ、そしてそれに合った技量さえあれば大体できるらしい。

俺はその中からレーラさんに効く魔法を考えなくてはならない。

う~ん?そうだ!


「雷火!」

「かかってこい…………」


俺が考えたのは雷が火になる魔法だ。

レーラさんは周りに電力をまとっているので、それが火になることを想像した。

だがしかし、結果は何も起こらなかった。

え?

どうしてだ!


「え?」

「アハハ!だっせえななお前!」


この人はほんとに教師失格だ。

生徒の失敗を笑うなんて。

しかたないでしょ!

わかんないんだもの。


「私の周りの電気を火にしようとしたんだろ?それなら雷炎だ」

「…………そうなんすね」


わっかんねぇよそんなもん。

火と炎なんてほぼ変わんないだろ。


「まあ今日のところこれでいい」

「え、いいんですか⁉」

「ああ、吹雪が降るからな」


えええ!

なんて優しい教師なんだ。服を焼いたものの。

雨でグラウンドが使えなくなって、持久走がなくなった気分だ。

まだ魔法は1発しか撃っていない。


「少し様子を見てくる、かまくらに戻ってろ」


そういってレーラさんは雪の中を歩きだした。

マジでラッキーだ。

ほんとに吹雪さんには感謝で頭があがらない。

俺はかまくらに戻った。


「ふぅ~。疲れた…………。にしても腹が減ったな」


俺は異世界に来る前から食事をほとんどしていない。

レーラさんの回復魔法で、あの時は大丈夫だったけれどもう我慢の限界だ。

俺はかまくら内に食べ物がないか探した。

レーラさんのかまくら内は何もないというわけではなく、雪でできた棚や椅子があった。


「よし、棚を見ていこう」


俺は雪の棚の一番上の引き出しを引いた。流石特級の魔法使いといったところか、雪とは思えないほど日用品として遜色なかった。

引き出しを引いた先には、凍ったパンや魚があった。

これは俺にとって金銀財宝だ。

俺はパンをすかさずとって食べ始めた。


「硬てぇけどうめぇ!」


このパンはめちゃくちゃ硬い。

毎回食いちぎるたび、歯が折れそうになる。

こんなに凍っているなら、かまくらの真ん中にある焚火で疑似レンジをしても良かったのだが、いつあの鬼が来るのかわからないのでやめた。

俺がそう怯えていると噂の鬼が帰ってきた。


「おい帰ってきたぞ!」

「…………(ごくり)随分早かったですねレーラさん」


あっぶねぇ。

ギリギリ最後の一口がおさまった。

これに気付かれたらひとたまりもないからな。


「…………まあいい。これはもしかしたら会えるかもしれないぞ。…………外に来い」

「わかりました」


俺はかまくらのそとにでたの外に出た。


「何に会えるんですか?」


俺がそう聞くと、レーラさんは俺の肩を持つように抱きしめた。

えぇ?なんだこれは⁉

胸がね、あたってんのよ!

俺の体に!

女性経験が乏しい俺には信じられなかった。


「アルト!飛ばすぞ!ハッハッハ!」


________________________________________













































読んでいただきたいありがとうございます。

3話の続きまで書けませんでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ