第二話 モンスター駆除クレーマー
俺はカフ・チョーセイがモンスター駆除クレーマーと繋がっている可能性を考慮し脳を露出させ二つの針を使いシナプスを刺激する事で情報を漏洩させる。
「あっ……あっ……」
「もう、これ以上の情報は無いかな?」
「お兄様、モンスター駆除クレーマーの居場所も分かりましたし早速向かいましょう!」
「そうだな、ギルドマスター このフェミニスト任せる」
「あいよ、大量児童虐殺事件の犯人として ちゃっかり国王陛下へ報告させてもらうよ」
俺達はフェミニストを置き去りにし、モンスター駆除クレーマーが居るとされる【クレイミング王国】へ向かう道中、森の中から悲鳴が叫び声を上げる。
「きゃあああああああああ!!」
「お兄様!」
「誰かの悲鳴だ! 急ぐぞ!!」
悲鳴の方へと駆けるとそこには【ゴールデンシルバードラゴン】の姿があり炎を吐いた後なのか口からは煙が垂れ流され、近くにはブロンドの長髪で蒼い眼をし放漫な胸部でスタイル抜群の女性が服だけを焼かれ地面に腰を抜かして涙眼でコチラを見ていた。
「助けて……くださ……い……」
「あれは亡国の【エルメイア姫】か、何故この様な場所に?」
『おい兄ちゃん、今良いとこなんだから邪魔すんなよ?』
「お兄様! このドラゴン喋りましたよ!?」
『お、また可愛子ちゃん発見! どうだ? この俺様のお嫁さんにならないか?』
「お断りします! 貴方の様な自分勝手な人はタイプでは無いのでね!!」
『気の強い女は嫌いじゃないぜ、喰らえ!! 【服だけ焼くブレス】!!』
ゴールデンシルバードラゴンは大きく息を吸い込むとミレニアに向けて桃色の火炎を吐くとミレニアの服だけが綺麗に灼き尽くされ肌を露出させる。
「きゃあああああああああ!! 何よこれええええええええ!!」
『フハハハハハハ!! どうよ、これが俺様の力だ!! この世の女全てを産まれたままの姿に変えるのが俺様の夢なのだからな!!』
「こいつ、害が無さすぎる! 悪意が無いぶんたちが悪いな……」
『さあ、どうする? 俺様が一吹きするだけで世界中の女共の悲鳴が雄叫びを上げるぞ?』
俺はエルメイア姫とミレニアの美しい裸体を交互に見ると奇策を思い付く。
「そんなに女の悲鳴を聞きたいなら近くに良い国がある」
『良い国だと?』
「そうだ、クレイミング王国さ ほら、この道を真っ直ぐ行ったとこにある国だ」
『ほう、そいつは面白そうだ 早速行かせてもらおう』
ゴールデンシルバードラゴンはバサバサと翼で羽ばたきクレイミング王国へと飛んで行った。
「さて、エルメイア姫は大丈夫か?」
「え、ええなんとか」
俺は上着を脱ぎ自身の皮膚を一気に引き剥がし服へと加工しカメレオンの擬態能力で違和感の無い色へと変化させるとエルメイア姫とミレニアへと着させる。
「あの、ありがとうございます ですが身体は大丈夫なのですか?」
「問題無い、再生能力があるからな」
「お兄様は生態系全ての能力が扱えるから心配要らないわ」
「そうなのですね」
「ところで、何故この様な場所に?」
「実は……わたくしの国は侵略者に奪われてしまいまして……」
エルメイア姫は悲しそうな表情になり事の顛末を話す。
「なるほど、つまり受け入れていた人種から白人が統治してる国はおかしいと言われて国を追われたと?」
「はい……国の名前も”ポリティカ王国“と変えられ、白人は皆追放され黒人至上主義国家へと変わりました」
「酷い話ね、お兄様どうします?」
「当然エルメイア姫の国を脱却するに決まってるだろ」
「流石お兄様♡」
「本当によろしいのですか!? あ、ありがとうございます!! この恩は一生……」
「待った、その台詞は終わった後でな?」
「はい♡」
俺はエルメイア姫の頭を撫でながら言葉を遮ると顔を赤くし嬉しそうな表情になる。
ーポリティカ王国ー
「まだ白人が残っていたか……」
「た、たす……助けてくれ! 頼む!!」
逃げ遅れた白人の男性が腰を抜かし命乞いをする眼の前には甲冑を装着し手には棘の付いた金棒を持った黒い肌の男がにじり寄っており金棒を振り上げると“YASUKE〜♪”とヒップホップが流れたかと思うと男性の頭は振り下ろされた獲物でグシャッと粉砕され動かなくなる。
「U・B・I・YASUKE完了!」
「素晴らしいわ、これでこそ【ヤマト国】の黒人侍だわ!」
「これは姫様、今宵も豊作だな」
ポリティカ王国の姫を名乗る肥満体型でドレッドヘアーの切れ長の眼をした女性がYASUKEの功績を称える。
「それで、他国への黒人至上主義化は進んでいるの?」
「無論です、我々に意を介さない者達には武士の魂である金棒で斬り裂いてくれましょう!」
「頼もしいわ、その調子で世界を黒く染めましょう!!」
「その第一フェイズとして、今人気の”スターウィンズ“のシアターはエピソード7から監督の交代をしフェミニストやポリコレなど多彩な表現を取り入れ今や人気コンテンツとなっております」
「それは素晴らしいわね、勿論レズビアンも搭載してるのよね?」
「言わずもがなホモやジェンダーなど多様性に溢れておりますぞ!」
殺した死体の前でも平然と話をするポリティカ王国のYASUKEとレズリ姫は更にポリコレの影響を拡大するべつ自らの考えにそぐわない者達へYASUKEる事を世界中へと知らしめる為に戦争の準備を進めるのであった。