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没落女神はモブにも縋る  作者: シロライオン
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王立学園

俺が転生してからしばらく経った。そこで分かった事がいくつかある。

この国の名前はランドール。人間が治めている国だ。

ランドールの平民は基本的に魔力がない。魔力がないのでもちろん魔法は使えない。

貴族は基本的に魔力がある。魔力があるので貴族になれる。と言った考え方だ。

魔法が使えるんだから民草を守れって感じかな?

しかし貴族だからといって何でも魔法が使える訳じゃない。肝心なのは属性だ。

基本的に魔力がある貴族は何かしら属性を1つ持って生まれる。その属性の魔法しか使えないのだ。

稀に2属性持ち(ダブルキャスター)もいるらしいが会った事はない。

基本属性は火、風、土、これが一般的。水は回復が出来る上に希少性が高く、水属性持ちというだけで優遇される。他にも稀な属性もあるらしい。そして俺はその稀な属性。無”だ!

無?そう!無属性だ!結論から言おう!何も魔法が使えない!

ふざけやがって!あのチビロリ女神!

この三男の身体も至って普通。可もなく不可もない。容姿は珍しい黒髪だがそれ以外は普通。

言ってみればただのモブだ。

しかし無属性にも良いところがある。それは・・・


ぺカーッ!


光った!光ったぞ!この折れない?剣が!2秒ぐらい!

そう!この神器(魔道具)を使えるのは無属性の俺だけなのだ!

この世界では魔道具と呼ばれる代物は無属性しか使えないらしい!

やったぜ!この特別感!ワッショイ!ワッショイ!


「ってなるかー!こんなの目潰しぐらいにしかならんわ!クソがっ!ハァハァ」


しかもこの目潰し、俺も眩しくて目を開けてられない。

とんでもねぇ神器だぜ。


じゃあ使える魔道具を探せって?実に良い提案だ。

しかし!いないのだ!この魔道具を作ってる人が!そりゃいないのよ。

だって無属性なんてほぼいないんだもの。めっちゃ調べた結果、遠い外国にいるらしいが眉唾だ。そして俺が行けるはずもない。チビロリの神器が何処にあるのかも分からんしな。分かったとしてもくだらない神器っぽいし。探す価値なし!



よし。身体鍛えよう。



■■■■


今日は王立学園の入学日。さすが王立の学園。立派な校舎だ。

入学式も豪勢で気品溢れるものだった。

しかしお偉いさんの話は長い。これはどの世界でも共通のようだ。


この学園は3年制でA・B・Cクラスに分かれている。

Aクラスは王族とか上級貴族

Bクラスは中級貴族とか留学生

Cクラスは下級貴族とか平民だけどお金持ち等になっており寮も制服も違う。

そして俺はもちろんCクラス。

Cクラスは白い制服で寮は3人部屋だってさ!やったね!畜生が!




そして入学してから2ヶ月が経った。

俺は薬学と剣術を専攻しており、たった今剣術の授業が終わったところだ。


「エラン君!もうすぐ昇格試験ですね!」


嬉しそうに俺に語りかけるのは騎士爵家の次男バリス・テルマー。ボジティブなお調子者。

お世辞にもイケメンとは言えない相部屋の背の低いモブ友達だ。そして何故か坊主頭。


「やけに嬉しそうだな」


「そりゃそうですよ!この昇格試験に合格すればBクラスになれるんですよ?」


この学園では最初は身分でクラス分けされるが、能力が高い者は優遇される。

平等主義なのか権威主義なのか良く分からないが、Bクラスになると寮も1人部屋になるし授業料も減る。それゆえ、お金がない下級貴族はこぞって試験に参加するのだ。


「フッ!貧乏貴族は大変だな」


長い茶髪をかきあげながらディスってきたのは子爵家四男ジレッド・オセアン。

小心者の女好き残念イケメン。こいつも相部屋のモブ友達だ。オセアン家は観光業で成功して裕福らしい。


貴方はビビって試験に出ないだけですよね?とムッとしたバリスがジレッドに言い返す。


「この僕が臆しているだと?そんな訳がないだろう?そんな要素が何処にある?僕はこの学園に高い授業料を払って貢献してやろうというのだ。僕は()()()試験を受けないのだ。僕が合格したら高い授業料が払えなくなる。それでいいのか?いや良くない。貧乏人はそもそも・・・」


「あぁ!もういいです!貴方の話は長いんですよ!」


「なんだって!?人の話は最後まで聞けと教えられなかったのか?これだから貧乏人は・・・」


「貧乏は関係ないでしょうが!」


「お前ら・・・相部屋なんだからもうちょっと仲良くしろよ」



そんなこんなで愉快な?仲間たちに囲まれて俺は学園生活を送っている。

3人共に家督を継がなくていい身分とあってか気楽なもんだ。


この世界にはネットやテレビもないが、知らない事が多く常に新鮮さがあって楽しい。

知識を得ればそれが自分の身に直結するのが実感できるのだ。

例えば薬学で習った疲労回復の薬を飲むと本当に疲れが取れたりする。不思議だ。

剣術もそうだ。転生前は剣術を習ったとしても社会に出たらなんの役にも立たない(失礼)

しかしこの世界では自分の身を守ったり冒険者になって魔物を倒したりと役に立つ。

実に素晴らしい世界だ。魔法は使えないが俺が求めていたのは異世界転生で間違いはなかった。

さぁて!年に1回の昇格試験!気合入れて頑張りますかね!ウチは貧乏なもんで!

・・・なにか忘れてる気がするけどまぁいいか。

最後まで読んで頂きありがとうございます。


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何卒宜しくお願い致します。

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