プロローグ
一人は寂しい。
いつからかそう思うようになった。
自分は昔は何かと干渉してくる家族が嫌で、一人暮らしをするようになったというのに。
いつからだろう、一人は寂しいと思うようになった。
祖父が死んだとき、なんてあっけないものなのだろうと思った。
家族に愛され、隣人に愛され、自分も愛していた祖父。
それがどういうことだ。
今では顔も思い出せない。
話題に上がることも無くなった。
この寂しさは家族ができれば埋められるのだろうか?
そう思って家庭を持ったこともある。
しかし、長続きはしなかった。
妻は私の孤独を理解できなかったし。
自分は妻の気持ちを理解できなかった。
言葉や体でつながっても気持ちは伝えきれなかった。
娘ができたとき何かが変わるのかと思ったが、それは変わらず。
結局離れ離れになった。
結局人は生まれてから死ぬまで一人なのだろうか。
そう考えると背筋がゾッとする。
死ぬのが怖いわけではない。
死んだ後に私が残らないことが怖い。
欠片でもいい。どうにか何か自分をだれかに残すことはできないだろうか。
そんなことをぼうっとと考えていた。
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